レッドウッド国立州立公園にあるのは、レッドウッドの原生林だけでない。原生的な海岸線もあって、急峻な海食崖とその前に広がる砂浜は、多様ないきものの生息地になっている。
2004年当時、この海域生態系のモニタリング計画はまだなく、その策定に向けたスコーピング会合(予備検討会議)が開催されたばかりだった。会合には、学識研究者、国立公園局の各担当部局、太平洋沿岸の国立公園ユニットの職員など50名以上が参加した
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この会合には、国立公園局のアドバイザーであり、海域のモニタリングの第一人者でもあるGray Davis氏が出席していた。デービス氏は、チャネルアイランド国立公園などを例にとりながら、モニタリングの重要性と、管理計画へのフィードバックなどについて基調講演を行った。
その中で強調されていたのが「バイタルサイン」だった。すべての環境要素をモニタリングするのではなく、とにかく真っ先に変化の兆候が現れる
指標種に的を絞ってモニタリングを行う。これにより効果的に生態系変化の兆候を把握することができ、迅速に対応することができる。特に、海域は陸上の生態系よりも調査を行う上での制約が多い。そのため、自然環境の変化をとらえることが難しく、対策も遅れがちだ。「バイタルサインモニタリング」によって、限られた予算や人員で効果的なモニタリングを行おうというのだ。
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| 写真3:ワークショップでのエクスカーション(現地視察)の様子 |
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| 写真4:原生林の伐採による大規模な土石流の発生や河川改修などにより、河口付近でのサケマス類の生息環境は大幅に悪化した |
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それまでの研修で、国立公園局は公園内の自然環境に関する科学的な調査が進んでいると感じていた。ところが、今回のワークショップに参加して、モニタリングの進め方など、まだ検討段階のものが多いこともわかった。日本が相当遅れをとっているのは確かだが、モニタリングに「正解」はない。まだまだ試行錯誤の段階だということを知り、正直ほっとした。
しかしながら、日本でも、こういった検討を今始めなければならないのではないかというあせりも感じる。特に、今後は気候変動の影響が顕在化してくると言われている。こうした「バイタルサインモニタリング」が、20年、30年後の国立公園管理に大きく貢献するように思える。