米中間の力関係の変化を印象づける象徴的なできごとがあった。
世界的な金融危機真っただ中の2008年12月4日、北京で米中戦略経済対話が開かれた。その冒頭で中国側代表の王岐山副首相は、中国がすでに一連の大規模な措置(緊急経済対策)を講じたことを強調。そのうえで、米国側に経済と金融市場を安定させ、中国の米国での資産と投資の安全を確保することを強く求めた。これに対して、米国側代表のポールソン財務長官(当時)は、金融危機において中国が果たした役割を高く評価したとされている。
金融危機の震源地になった米国に対して、中国が自ら先行してとった緊急経済対策を強調しつつ米側に早急に適切な措置を講じるように迫ったものだ。このシーンは、米中両国のパワーバランスが転機を迎えつつあることの象徴的な光景だった。





