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No.205

Issued: 2012.04.23

家電は不用品回収業者に出さないで!(環境省廃棄物リサイクル対策部リサイクル推進室)

正しく、リユース、リサイクル

違法な不用品回収業者

【図】不要品回収業者について
【図】不要品回収業者について
※拡大図はこちら

 近年、一般家庭や中小の事務所から排出される使用済みとなった家電製品等を収集、運搬等する「不用品回収業者」が増加しています。都市部では「テレビ、エアコンなどなんでも回収します」とスピーカーで喧伝しながらトラックで戸別回収する者、郊外や地方では、「無料回収」等の看板やノボリバタを立てた空き地や駐車場へ住民に使用済家電製品を持ち込ませる者、ネットやチラシで不用品回収を宣伝し訪問回収する者、がこの不用品回収業者に該当します。
 これらの者のほとんどは、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可や市町村の委託等を受けておらず、使用済家電製品を回収する行為は廃棄物処理法に抵触する違法なものと考えられます。さらに、資源価格の高騰を背景にこれらの者から使用済家電製品を安価で買い取り、環境対策を講じないでスクラップ化して海外へ輸出する者(ヤード業者や輸出業者)が存在し、問題となっています。

・「使えなくなった家電製品は正しくリサイクル!」(環境省YouTube): http://www.youtube.com/watch?v=4vQTE1rqhx0&feature=youtu.be

回収された使用済家電製品はどこへ?

 不用品回収業者に収集された使用済家電製品については、不適正な処理がなされているものが少なくないと考えられます。不用品回収業者から引き取った使用済家電製品についてフロン回収の措置や有害物質の飛散・流出を防止するための措置等を講じずに分解・破壊が行われる例や、実際には再使用に適さないものが再使用の名目で輸出を含む流通に供せられる例が多く見られ、生活環境保全上の支障の発生、適正なリサイクルシステムの阻害等が強く懸念されています。
 以下の図は、我が国における家電リサイクル法対象の4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機)について、使用済みとなったものがどのようなルートで回収され、処理されているのかを推計したものです。平成22年度においては、全体で3,848万台の排出のうち、家電リサイクル法に基づいて適正に処理されたものは2,579万台で67%、一方、不用品回収業者によって回収されたものは672万台で17.4%で、海外へスクラップとして不適正な形で輸出されたものは397万台で10%と推計されています。海外向けリユースについては273万台ありますが、このうち海外でのスクラップ目的の偽装リユースが相当程度含まれているものと考えられます。不用品回収業者によって回収されスクラップとして輸出されるものは、実際はもっと多いと指摘する専門家もいます。
 海外へ輸出されたスクラップ家電はどうなっているのでしょうか? その多くが野焼きされたり、必要な金属のみを回収した後に不法投棄されたりするなど不適切な形で処理され、海外の環境汚染や健康被害につながっていると考えられます。

【図】使用済家電フロー推計
【図】使用済家電フロー推計 ※拡大図はこちら

適正なリサイクルが必要な使用済家電製品

 とりわけ使用済家電製品は、資源の有効活用の観点のみならず、地球温暖化やオゾン層破壊の原因となるフロンガス、また、鉛、ヒ素などの有害物質を含んでいるものがあるため、環境管理の観点から適正な取扱い及びこれらの物質の回収が必要不可欠です。
 フロンガスは、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫に冷媒として使われていることはよく知られていますが、最近の家電では、洗濯機と乾燥機が一体となった製品にもフロンガスが使われています。日本海側の家庭にはよくある除湿器にも使われています。
 鉛はテレビのブラウン管ガラスに高濃度に含まれているほか、ほとんどすべての家電製品について、電気回路の接合部分に使われているハンダに鉛が含有しています(最近の家電製品は鉛フリーのものが増えています)。
 ヒ素は一部の液晶テレビや電子基板の集積回路等に含まれています。
 家庭で通常に使用する分においては、無害な家電製品ですが、一方で、その高機能を支える様々な元素や化学物質は、使用済家電製品が不適切に廃棄されると、環境汚染や健康被害につながるおそれがあります。実際、輸出先では環境汚染や健康被害が報告されています。使用済家電製品は、「廃棄物処理法」や「家電リサイクル法」に基づいてリサイクルされることにより適正な処理が確保されなければなりませんが、フロン回収や有害物質の処理はタダでできるわけではありませんので、リサイクル料金が必要となります。「リサイクル料金がかからないから」「安く処分してくれるから」との理由で安易に不用品回収業者を利用することは、違法業者による環境汚染や健康被害の片棒をかつぐことにほかなりません。

不用品回収業者対策

 このような現状にかんがみ、不適正な処理ルートへの取り締まりを強化するため、平成24年3月19日、環境省から地方自治体宛てに不用品回収業者が取り扱う使用済み家電製品について通知(「使用済家電製品の廃棄物該当性の判断について」)を発出しました。
 これまで、「ゼロ円又は10円払って引き取ったのであるから、この冷蔵庫は廃棄物ではなく、廃棄物処理法は適用されない」との主張が度々されていましたが、この通知によって、中古品として市場価値のないもの、又は、中古品としての扱いがなされていないものについては金銭の授受に関係なく「廃棄物」であるということが明確化されました。また、不用品回収業者、ヤード業者や輸出業者がテレビやエアコンなどをフロン回収や飛散流出措置をとらずに分解、破壊していた場合は、廃棄物を扱っていると判断されることが明確化されました。
 廃棄物を扱うには家庭からの廃棄物については「一般廃棄物処理業」の許可、企業からの廃棄物については「産業廃棄物処理業」の許可が必要であり、無許可営業は廃棄物処理法違反として刑事罰の対象となります。

 通知の概要は以下のとおりです。

  1. 使用済特定家庭用機器(家電リサイクル法対象4品目:洗濯機・乾燥機、冷蔵庫・冷凍庫、テレビ、エアコン)については、以下のとおり取り扱うことが適当。
    1. 中古品としての市場性が認められない場合(年式が古い、通電しない、破損している、リコール対象製品である等)、又は、再使用の目的に適さない粗雑な取扱い(雨天時の幌無しトラックによる収集、野外保管、乱雑な積上げ等)がなされている場合は、当該機器は廃棄物に該当すること。
    2. 廃棄物処理基準に適合しない方法による分解、破壊等の処分がなされている場合は、脱法的な処分を目的としたものと判断されることから、占有者の主張する意思の内容によらず、当該機器は、廃棄物に該当すること。
  2. 特定家庭用機器以外の使用済家電製品についても、無料で引き取られ又は低廉な価格で買い取られる場合であっても、直ちに有価物と判断されるべきではなく、総合的、積極的に廃棄物該当性を判断されたいこと。

・通知に関する環境省報道発表資料:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14992

使用済家電は違法な不用品回収業者に引き渡さないで!

 消費者の側でも自らが排出した使用済家電製品がどのように取り扱われるのかについて注意を払うことが大切です。消費者は、使用済家電製品を違法な不用品回収業者に引き渡すのではなく、家電4品目については家電リサイクル法に基づいて家電リサイクル料金を負担して小売業者(家電販売店)へ引渡すこと、家電4品目以外のデジカメや掃除機など小型の使用済家電製品はや市町村によるごみ収集へ排出することについて責任があります。これによって、適正な処分が確保されます。
 ネットやチラシで家庭の不用品回収を宣伝している者の中には、「産業廃棄物処理業の許可」がある旨を表示し、いかにも合法業者であるかのように装っている場合があります。一般家庭から廃棄物に該当する使用済家電製品を引き取る場合には「一般廃棄物処理業の許可」が必要となります。一般廃棄物処理業の許可を持たない不用品回収業者は利用しないでください。
 ※少数ですが、一般廃棄物処理業の許可を得て地方自治体の指導の下、家庭から回収を行う合法な業者も存在します。

比較的新しく、家電としての市場価値のある使用済家電は中古品販売店(リユースショップ)へ!

 なお、比較的新しく十分に使用でき、家電としての市場価値がある使用済家電製品については、処分してしまうのはもったいないと思う方が多いと思われます。この場合は、中古品販売店(リユースショップ)など、「古物商の許可」を有する信頼のある業者に買い取りを相談してください。例えば、リユース業界団体の、JRCA(ジャパン・リサイクル・アソシエーション)、JRO(日本リユース機構)、JRAA(日本リユース業協会)は、加盟リユースショップの優良認定、販売中古品の信頼性の向上などに取り組んでいます。これらの団体のホームページなども参考に、ご近所の信頼できるリユースショップを見つけてください。


関連Webサイト |

使用済み家電製品について通知「使用済家電製品の廃棄物該当性の判断について」に関する報道発表資料
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14992
いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル!
http://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle.html

記事・図版提供:環境省 廃棄物リサイクル対策部 リサイクル推進室