EICネット
前のページへ戻る

EICピックアップ

環境を巡る最新の動きや特定のテーマを取り上げ(ピックアップ)て、取材を行い記事としてわかりやすくご紹介しています。

トップページへ

グローバルメニュー
  • 国内ニュース
  • 海外ニュース
  • イベント情報
  • 環境Q&A
  • 機関情報
  • 環境リンク集
  • 環境用語集
  • ライブラリ
  • 森づくり

No.215

Issued: 2012.12.28

国連気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)等の成果(環境省地球環境局国際地球温暖化対策室)

全体会合
全体会合

 11月26日(月)から12月8日(土)まで、カタール・ドーハにおいて、国連気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)、京都議定書第8回締約国会合(CMP8)等が行われました。日本からは、長浜環境大臣及び外務・経済産業・環境・財務・文部科学・農林水産・国土交通各省関係者が出席しました。

全体の概要と評価

 「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」、「京都議定書の下での附属書I国の更なる約束に関する特別作業部会(AWG-KP)」、「条約の下での長期的協力の行動のための特別作業部会(AWG-LCA)」及び2つの補助機関会合における事務レベルの交渉を経て、12月5〜7日の閣僚級会合においてさらに協議を重ねた結果、最終的に一連のCOP及びCMPの決定が「ドーハ気候ゲートウェイ」として採択され、またその他の議題についてもCOP及びCMPの決定等が採択されました。
 これにより、AWG-KP及びAWG-LCAはその作業を完了して終了し、各国は来年以降のADPにおける交渉の段取りに合意しました。

日本政府の対応

(1)閣僚級会合

 閣僚級会合での長浜環境大臣による演説等において、日本国内の温暖化対策の取組及び二国間オフセット・クレジット制度の構築等国際的な取組と貢献について説明しました。特に、我が国が約束した2009年9月から本年末までの約3年間に官民合わせて150億ドルの資金プレッジについては、本年10月末時点で約174億ドルを達成したことを発表しました。これにより、先進国全体の短期資金(2010〜2012年までの3年間に先進国全体で途上国に対し300億ドルをプレッジ。供与実績は336億ドル。)のうち約40%(133億ドル)を日本が実施したことになります。

閣僚級会合での長浜環境大臣演説
閣僚級会合での長浜環境大臣演説

閣僚級対話(市場メカニズム)
閣僚級対話(市場メカニズム)


(2)二国間会談

 長浜環境大臣は、会合期間中に各国と精力的に二国間会談を行い、本会合の成果に関する日本の立場や考えを説明し理解を求めると共に、会合の成功に向けた連携を確認しました。また、モンゴルとの間で「環境協力・気候変動・二国間オフセット・クレジット制度に関する共同声明」に署名し、来年の早い時期に同制度を開始すること、そのためにできるだけ早期に二国間文書に一致することを確認したほか、バングラデシュとの協議においても、実質的な内容に一致しました。

英国との二国間会談
英国との二国間会談

モンゴルと共同声明に署名
モンゴルと共同声明に署名


今次会合の成果(詳細)

 今次会合では、(1)新たな国際枠組みの構築等に向けたADPの作業に関する決定、(2)京都議定書改正とそれに伴うAWG-KPの終了、(3)条約の下での長期的協力に関する決定とそれに伴うAWG-LCAの終了、(4)資金に関する決定及び(5)気候変動による損失と被害(ロス&ダメージ)に関するCOP決定という5つの大きな成果がありました。

(参考)COP18の概要と成果
(参考)COP18の概要と成果

(1)ADPに関しては、来年以降の作業計画及び議長アレンジメントが決定されました。

(参考)COP18の成果:2020年以降の将来的枠組に向けた交渉
(参考)COP18の成果:2020年以降の将来的枠組に向けた交渉

(2)第二約束期間設定のための京都議定書の改正については、同期間中の各国の排出抑制及び削減に関する約束が記載された附属書Bを含む改正案が成果文書として採択されました。第二約束期間の長さを8年とし、2014年までに各国の約束の野心の引き上げに関する検討の機会を設けること等が決定されました。これにより、AWG-KPはその作業を完了し、終了することとなりました。
 第二約束期間に参加しないという我が国の立場は、改正された附属書Bに反映されました。また、日本政府は、EU、豪州、スイス等とともに、第一約束期間から繰り越された余剰排出枠(AAU)を購入しないことを宣言しました。
 クリーン開発メカニズム(CDM)については、第二約束期間に参加しない国もCDMプロジェクトに参加して2013年以降のCDMクレジット(CER)を原始取得すること(クレジット発行後に自国の登録簿に転送すること)が可能であることが確認されました。ただし、第二約束期間における共同実施(同6条)や国際排出量取引(議定書17条)に参加してクレジットの国際的な獲得・移転を行うことは、第二約束期間に参加する国のみに認められることとなりました(→2013年以降の京都メカニズムについて)。

(3)条約の下での長期的協力については、昨年のダーバン決定で立ち上げられた新たな組織やプロセスを実施に移すための、バリ行動計画の全ての議題に関する一連の決定が採択されたことにより、AWG-LCAが多くの成果を上げ「合意された成果」を得たことが確認され、同作業部会は作業を終了しました。
 また、日本が提案している二国間オフセット・クレジット制度(JCM/BOCM)を含む様々なアプローチについては、実施のための「枠組み」について作業計画を実行していくことが決定され、「枠組み」の機能や役割、国際的なクレジットの移動に関してダブルカウントを防止する方法等を検討していくこととなりました。また、カンクン合意に基づき先進国が今後2年おきに提出する隔年報告書に関して、JCM/BOCMなど市場メカニズムの活用に関する報告事項を含む共通報告様式について合意されました。

(4)資金については、先進国全体としての短期資金コミットメント達成の認知、長期資金に関する作業計画の2013年までの延長、COP19の際の長期資金に関するハイレベル閣僚級対話の開催、フォーラムの編成を含む常設委員会の2013〜2015年の作業計画の承認、緑の気候基金(GCF)のホスト国承認(韓国)等の決定が採択されました。

(5)気候変動による損失と被害(ロス&ダメージ)に関しては、COP19において、気候変動の影響に脆弱な国における被害を軽減に取り組むための世界的なメカニズムなどの制度を設立することとなりました。

今後の国際交渉

 次回のCOP19は、ポーランドが議長国を務め、ワルシャワで開催されることとなりました。COP19に向け、2013年も複数の国際会議が予定されています。

(参考)COP19に向けた今後の交渉スケジュール
(参考)COP19に向けた今後の交渉スケジュール

写真・図表・記事:環境省地球環境局国際地球温暖化対策室