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No.265

Issued: 2017.10.16

特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)の一部を改正する法律について

  我が国は、有害廃棄物等の越境移動について、平成4年のバーゼル条約発効を受け、同年に国内担保法である特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)を制定し、不適正な輸出入を防止するための手続を整備するなど、その管理の基本的枠組みを整備しました。
 法制定から約25年が経過し、循環資源の国際的な取引が増大してきたことにより、様々な課題等が顕在化してきたことから、バーゼル法を改正し、課題に対して制度的な措置を講じます。
 前月更新したPick Up!No.264「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の一部を改正する法律について」による廃棄物の不適正処理への対応や有害使用済機器の適正な保管等の義務付け等の措置と合わせて、対策を強化していきます。

雑品スクラップの例:廃エアコン・廃洗濯機が混入(左)、壊れたエアコン(中)、破砕された洗濯機(右)
雑品スクラップの例:廃エアコン・廃洗濯機が混入(左)、壊れたエアコン(中)、破砕された洗濯機(右)

バーゼル法の制定経緯

 有害廃棄物の国境を越える移動は1970年代から欧米諸国を中心にしばしば行われてきました。1980年代に入り、ヨーロッパの先進国からの有害廃棄物がアフリカの開発途上国に放置されて環境汚染が生じるなどの問題が発生し、事前の連絡や協議なしに有害廃棄物の国境を越えた移動が行われ、最終的な責任の所在も不明確であるという問題が顕在化しました。これを受けて、経済開発協力機構(OECD)及び国連環境計画(UNEP)で検討が行われた後、1989年にスイスのバーゼルにおいて、有害廃棄物の国境を越える移動等の規制について国際的な枠組み及び手続等を規定した「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」が作成されました(1992年5月5日効力発生。2015年5月現在、締約国数は181か国、EU及びパレスチナ)。
 我が国は、リサイクル可能な廃棄物を資源として輸出入しており、条約の手続に従った貿易を行うことが地球規模の環境問題への積極的な国際貢献となるとの判断の下、バーゼル条約発効を受け、国内担保法であるバーゼル法を1992年(平成4年)に制定するとともに、廃棄物処理法を改正することで、不適正な輸出入を防止するための手続を整備するなど、その管理の基本的枠組みを整備しました。1993年9月17日にバーゼル条約への加入書を寄託し、バーゼル条約は、同年12月16日に我が国について効力を生じました。

バーゼル手続のイメージ
バーゼル手続のイメージ

バーゼル法の改正の必要性

 平成4年の法制定から約25年が経過し、リサイクル目的での廃電子基板や使用済鉛蓄電池の取引が世界的に増大しており、我が国でも、平成6年当時と比べ、輸出入件数は大幅に増加しました。
 これに伴い、輸出では、有害物を含む使用済電気電子機器等が、その他の金属スクラップ等と混合された状態(いわゆる雑品スクラップ)で、バーゼル法の手続を経ずに不適正に輸出される事案や、我が国バーゼル法では規制対象ではないとして輸出した貨物について、相手国では条約上の規制対象であるとして我が国への返送(シップバック)を求める通報を受ける事案が増加するとともに、使用済鉛蓄電池の輸出先での環境上不適正な取扱い事案が発生しました。
 また、輸入では、有用な金属を含む二次資源について、欧州連合(EU)では、全ての国からの比較的有害性の低い廃電子基板等について通告同意手続を不要とするとともに、比較的有害性の高い物(金属汚泥等)の輸入についても特定の回収施設でリサイクル等を行う場合は手続を緩和していることから、EUの事例を参考にしつつ、我が国においても有害廃棄物を適正に処理する能力を持たない国からの輸入を行いやすくすることで、我が国が有する先進的な環境技術を活用し、世界の環境負荷低減に貢献することが可能との意見がありました。
 このような状況を踏まえ、「日本再興戦略2016」において、バーゼル法について平成28年度中の検討と早期に必要な措置の実施が求められるとともに、中央環境審議会と産業構造審議会の合同会議においても、バーゼル法の見直しの基本的な考え方として、環境汚染が生じるリスクに応じて規制水準の適正化を図ることが提言されました。

法対象物の輸出件数・量
法対象物の輸出件数・量 ※拡大図はこちら

法対象物の輸入件数・量
法対象物の輸入件数・量 ※拡大図はこちら


バーゼル法の改正のポイント

  バーゼル法の改正法案は、平成29年3月10日に閣議決定され、国会審議を経て、同年6月16日に公布されました。
 改正法のポイントは以下のとおりです。

香港からのシップバック事例(液晶パネル)
香港からのシップバック事例(液晶パネル)

  • 雑品スクラップの不適正輸出を防止するため、混合物を含む具体的な特定有害廃棄物等の範囲(規制対象物)を法的に明確化すること
  • 我が国がシップバック通報されることを予防するため、輸出先国において条約上の有害廃棄物とされている物を特定有害廃棄物等に追加し、輸出承認を要件化すること
  • 我が国から特定有害廃棄物等の輸出について、輸出先での環境汚染防止措置のより的確な審査を行うため、輸出先での環境汚染防止措置に関する環境大臣による確認事項を法的に明確化すること
  • 特定有害廃棄物等の輸入手続を緩和するため、比較的有害性の低い廃電子基板等のリサイクル等目的での輸入については、バーゼル法の規制対象から除き、通告・同意や輸入承認等を不要とするとともに、比較的有害性の高い特定有害廃棄物等のリサイクル等目的での輸入については、輸入事業者及び再生利用等事業者の認定制度を創設し、認定事業者が輸入を行う際の輸入承認を不要とすること

 改正法は、公布の日から1年6カ月以内の政令で定める日に施行されます。


我が国が受けたシップバック件数
我が国が受けたシップバック件数 ※拡大図はこちら

我が国から韓国への使用済鉛蓄電池の輸出量
我が国から韓国への使用済鉛蓄電池の輸出量
※拡大図はこちら

使用済鉛蓄電池
使用済鉛蓄電池

輸入ニーズが高い廃電子基板等の電子部品スクラップ
輸入ニーズが高い廃電子基板等の電子部品スクラップ



(記事・図版:環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課)