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目次
第五次環境基本計画策定の背景(環境・経済・社会の現状)
本計画の特徴
本計画における施策の展開
【1】持続可能な開発目標(SDGs)
 SDGsとは、2015年9月の国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にある2030年の国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身も取り組む普遍的なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
【2】パリ協定
 2015年11月〜12月、フランス・パリにおいて、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)等が行われ、新たな法的枠組みとなる「パリ協定」を含むCOP決定が採択されました。パリ協定においては、世界共通の長期目標として2℃目標のみならず1.5℃への言及や主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること等が含まれています。

No.269

Issued: 2018.07.27

第五次環境基本計画について(環境省大臣官房環境計画課)

 環境基本計画は、環境基本法に基づき、政府全体の環境政策の方向性を定めるものです。環境基本計画は約6年ごとに見直しを行っており、この度、第五次計画を平成30年4月17日に閣議決定しました。
 本計画は、地球規模の環境の危機を反映した国際的合意である「持続可能な開発目標(SDGs)【1】」と「パリ協定【2】」採択後に初めて策定された環境基本計画であり、環境に関する課題のみでなく、経済・社会的課題も「同時解決」していくことを目指すものです。

武内和彦中央環境審議会長より答申書を受け取る笹川博義環境大臣政務官
武内和彦中央環境審議会長より答申書を受け取る笹川博義環境大臣政務官

第五次環境基本計画策定の背景(環境・経済・社会の現状)

 我が国は、本格的な少子高齢化・人口減少社会を迎えるとともに、地方から都市への若年層を中心とする流入超過が継続しており、人口の地域的な偏在が加速化しています。これは環境保全の取組にも影響を与えており、例えば、農林業の担い手の減少により、耕作放棄地や手入れの行き届かない森林が増加し、生物多様性の低下や生態系サービスの劣化につながっています。このように、我が国が抱える環境・経済・社会の課題は相互に密接に連関しており、複雑化してきています。
 一方、世界に目を転じると、第四次環境基本計画が策定された2012年以降、地球規模の環境の危機を反映し、SDGsを掲げる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」や「パリ協定」の採択など、国際的合意が立て続けになされております。
 本計画は、以上のような我が国の現状と国際的な潮流を踏まえ、策定されたものです。

【図02】持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴール


本計画の特徴

 本計画では、先述の我が国の現状と課題認識に基づき、目指すべき持続可能な社会の姿と今後の環境政策の基本的方向性を示しております。持続可能な社会を実現するためには、SDGsの採択やパリ協定の発効といった国際社会の動向を踏まえた上で、環境・経済・社会を統合的に向上させる、つまり、これらをWin-Winの関係でスパイラルアップさせていく必要があります。したがって、環境の効果だけでなく、経済や社会の効果も出すような仕組み作りが重要であり、本計画では、「重点戦略」の設定によりその具体化を図ります。
 また、環境・経済・社会の統合的向上の具体化の鍵の1つとなるのが、本計画で提唱する、自立・分散型の社会を形成しつつ、近隣地域等と地域資源を補完し支えあう考え方である「地域循環共生圏」です(コラム参照)。これを創造することにより、環境対策で地域を元気にすることを目指しています。
 なお、これらの取組の着実な実施に当たっては、多様な主体の参加によるパートナーシップが、今後、より重要となってきます。野心的で大きな目標であればあるほど、単独で達成することは困難であり、他の主体を巻き込み、「みんなで進める重点戦略/地域循環共生圏」とすることが重要です。

【図03】地域循環共生圏


【コラム】地域循環共生圏

 「地域循環共生圏」は、資源循環、自然共生、低炭素、ひいては脱炭素といった環境施策のあらゆる側面を統合し、地域活性化という共通の目標を目指す総合的な概念です。その創造の要諦は、地域資源を再認識するとともに、それを活用することです。例えば、地域におけるバイオマスを活用した発電・熱利用は、化石資源の代替と長距離輸送の削減によって低炭素・省資源を実現しつつ、地域雇用の創出、災害時のエネルギー確保によるレジリエンスの強化といった経済・社会的な効用をも生み出します。これが間伐や里山整備で生じた資源の活用であれば、健全な森林の維持・管理にも貢献することにつながり、豊かな自然の恵み(生態系サービス)を享受することにもなる、というマルチベネフィットを達成することが可能となります。
 「地域循環共生圏」の創造は、農山漁村のためだけにあるのではなく、都市にとっても、農山漁村からの農林水産品や自然の恵み(生態系サービス)等によって自らが支えられているという気付きを与え、「見える化」し、自然保全活動への参加や環境保全型農業により生産された農産物の購入等の農山漁村を支える具体的な行動を促すことにもつながります。すなわち、「地域循環共生圏」は、農山漁村も都市も活かす、我が国の地域の活力を最大限に発揮する考え方です。


本計画における施策の展開

◇6つの重点戦略

 本計画では、先述の複合的な課題の解決に向け、特定の環境施策が複数の異なる経済・社会的課題をも統合的に解決することを目指す、分野横断的な6つの重点戦略(経済、国土、地域、暮らし、技術、国際)を設定しています。

【図04】6つの重点戦略


◇重点戦略を支える環境政策の展開

 本計画では、環境リスク管理等の環境保全の取組は、重点戦略を支える環境政策として揺るぎなく着実に推進していくこととしており、気候変動対策、循環型社会の形成、生物多様性の確保・自然共生、環境リスクの管理(水・大気・土壌の環境保全、化学物質管理、環境保健対策)、基盤となる施策(環境影響評価、環境研究・技術開発、環境教育・学習等)、東日本大震災からの復興・創生及び今後の大規模災害時の対応に取り組むこととしています。


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(記事・図版:環境省大臣官房環境計画課)