排出事業者責任
登録日: 2005年08月23日 最終回答日:2005年08月31日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物
No.12055 2005-08-23 03:36:56 いのしし
よろしくお願いします。(君山銀針さんご無沙汰しています)
やっと、各事業所、ISOもめどがついてきたところで、トラブルです。
我々の会社は、排出事業者で、マニフェストもきちんと管理し、委託契約書も整備し、また、適正な委託金額を払い、不適正な処分が行われることを知ることができなかった、つまり、措置命令を受けることはないと考えています。
しかし、不幸にも、中間処理事業者が、経営難に陥り、処理現場が生活環境に支障を与えるようになっているな状況になっていると、自治体からの連絡です。当社がその中間処理業者と取引を行っていたのは、5年前のことであり、4年前に県認可が取り消された模様です。現在、現場で垂れ流し状態になっているものが、当社のものかどうかの因果関係は、特定できません。
法の19条の8の3項には、県が生活環境の保全支障除去を行った場合は、その費用を排出事業者に負担させることができるとあり、自治体担当者は、そのことを臭わせ、結局は排出事業者が負担するのだから、そんなことする前に、主に取引のあった上位数社を、マニフェストからリストアップしたから、排出事業者数社で共同で負担して処理せよとの発言をしているのですが、どうも納得がいきません。
こちらの主張としては、@排出事業者の順法の責は果たしている。A現在生活支障を来たしているものとあるものと当社の排出物との因果関係は立証できない。の2点です。排出者責任は、理解していますが、ごみを出したものは、永遠に責任を持たなければならないのでしょうか?行政の責任もあるのではないでしょうか?何か悪いことをしたならば、ペナルティーを受けますが・・・・。
ここらへんの、排出者責任の、法の説明を、根拠もって、ご教示いただきたく。よろしくお願いします。
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No.12056 【A-1】
Re:排出事業者責任
2005-08-23 16:48:14 クマネエ (
しかし,5年前となると,第19条の5,第19条の8に規定されているような,排出事業者に費用負担を行わせることの根拠,条件等が不明確であったのではないかと思います。
まずは,5年前の条文を調査され,適用項目があるか,また,御社の支払われた料金が,当時の相場的に問題ないものであったかマニフェストの記載,保管状況(保管期間を過ぎていますが,一応調査)等を調べられて,行政と折衝されてはどうでしょう。
ところで,当社では,法的には瑕疵がなくても,公表されれば企業イメージに影響があるので,こういう問題が生じる事を念頭に,委託処理業者の経済状況をチェックしていますが,5年前ともなると,社会状況も違いますし,うちにも関係ないとは言えませんし,怖いですね。(営業状況が悪くなると,未処理品がだんだん増えてくる傾向にあります。)
因みに,青森・岩手の不法投棄では,法的にはあいまいな部分があったそうですが,廃棄物の撤去に協力するという観点から,処理費用を拠出された企業が多かったそうです。
回答に対するお礼・補足
クマネエさん。早急なレスに感謝いたします。
確認的追加質問ですが、
「5年前を抜きとしまして、現行法では、当方に第19条の5にあるような瑕疵がない場合でも、第19条の8により、行政が支障の除去に踏み切った場合、排出事業者が費用を負担をしなければならないのでしょうか?」
よろしくお願いします。
上と話す場合、法的に曖昧だが、お金出して欲しいという説明は、できかねます。法的にはこう。その上で、企業イメージ等もあるので、判断をお願いするという形にしたいのです。サラリーマンですみません(^^)!!
No.12083 【A-2】
Re:排出事業者責任
2005-08-25 17:12:14 キラー (
法第19条の8で排出事業者に費用請求ができるのは
第3項第4項で定めるとおり、法第19条の5第1項第3号第4号に該当するカヒがある場合なので、それ以外の時は行政は代執行した費用を請求できないと思いますが。
それは貴社の抗弁にもなると思いますよ。
なお、貴社にカヒがあり、代執行が行われ、行政代執行法に基づいて費用を請求された場合には、
貴社に払うお金がある限り払わざるを得なくなると思います。
対象が個人で請求しても払えないというのは、いくらでもいると思いますが・・・
会社の場合にそういうわけにはいかないと思います。
結局、法で排出事業者が対象になってきたのは、廃棄物の不適正処理に対して、処理業者にだけでは、
原状回復が難しいので、
廃棄物処理は元来排出事業者自らが責任を持つべきという理論にさかのぼり
お金のある排出事業者に負担してもらって、
原状回復を進めようとする環境省の苦肉の策であると思います。
回答に対するお礼・補足
キラーさんありがとうございました。
当社に瑕疵があり、行政代執行になった場合は、費用を負担しなければ、ならないこと理解しました。
確認ですが、平成12年の法改正、平成13年4月1日に施行追加されたと思います、これは、排出事業者に請求できること自体が、平成13年4月1日からできるようになったわけで、平成13年4月1日以前に排出した廃棄物が不問になることとは違いますよね?
しかし、ながら、処理業者の経営難により、処理できなかったものの、処理費用を、排出事業者が責任を持つとなるということは、排出事業者は、処理業者の経営にも責任をもついうことであり、これは資本の論理からも、無理な話であり、不満のあるところです。
もうひとつ、新たな質問が、
行政代執行となると、総費用は、どのように負担することになるのでしょうか?基金とか、国とかから、一部費用がでるのでしょうか?
No.12092 【A-3】
ごもっともです
2005-08-26 10:20:26 キラー (
結局、きちんと法律を守っているにもかかわらず、
最後はお金のある会社から資金を取るという法体系に
なているのは、とれるところからとるという考えが
見え見えでいのししさんの立場にたてば、誰もが
頭にくると思います。
ここから廃棄物処理法の考えを少し長くなりますが、
書きます。
法3条の排出者責任これが全てなのです。
この条文の趣旨はこうです。
廃棄物は出した者が全て責任を持って処理しなければならない。
ただし、すべて処理の責任を負うとすると会社の経済負担が大きいので、他人に処理の委託をすることが可能である。しかし、委託しても排出者の責任がなくなるわけではない。
そしてこの場合の責任がどのようなものかは政策的な問題である。
そして、産廃が不適正処理され、行為者等だけでは原状回復できない場合に、公費だけで負担することは、
社会通念上不公平、不合理であり、また排出業者は事業活動によって廃棄物を排出することによって利益を得ているし、自己の責任でその業者に処理を委託したことから、排出業者にも負担してもらうのは仕方がないということなのです。
一般的に法律には不遡及の原則がありますが、
この条文については、適用はありません。
よって13年前の廃棄物にも適用されます。
問題は現に生活上の支障除去が問題であり、
またこの責任は法3条の責任の一つであり、
当時の排出事業者の違反をとらえて、規制・制約をさせるものではないからです。
撤去にかかった費用についてですが、
撤去は都道府県知事の判断ですので、
基本的には都道府県がもちます。
費用を請求する場兄は、
適正な金額を撤去量、処分方法などから見積をし、
排出事業者に請求します。
ですので、請求できない残額は都道府県負担となります。
国の補助金はないと思います。
産業廃棄物処理振興財団の資金援助を受けられる場合もありますが、
要件があり、確か原因者が不明で追及できない場合に限られていたと思います。
いのししさんのところに請求がくる場合にも
おそらく何社か同じような会社があるのでしょうから、撤去代金全額を一社で負担することはないでしょう。
回答に対するお礼・補足
キラーさん。ありがとうございました。
弊社もその地域で事業を営ませていただいているので、弊社に罪はない。という区切りの後で、社会的責任から自主的に支障を除去し、それ相応の負担をするというのなら、溜飲が下がるのですが、今支障をきたしているものが、弊社のものかどうかも特定できないのに、強引に負担をしろと迫られると、態度を硬化せざるを得ないのです。
もうひとつだけ。
18条の報告徴収の後、措置命令が出されれると思うのですが、このプロセスを踏む前に、現状回復の緊急措置が必要と、行政判断があり、行政代執行に及ぶというケースはあるのでしょうか?
No.12099 【A-4】
最後の回答?
2005-08-26 17:36:05 キラー (
その場合はあり得ます。
法第19条の8第1項第4号に規定されています。
「措置命令をだすいとまがないとき」です。
ただし、この場合による費用の負担については、
より費用額の明確さが行政に対して要求されてきます。
これから自治体との交渉が大変でしょうが
頑張ってください。
回答に対するお礼・補足
キラーさん。
お手数かけました。ありがとうございました。
No.12138 【A-5】
Re:排出事業者責任
2005-08-31 00:34:11 環境法初心者 (
私も1年半ほど前に環境法に携わるようになって以来、実務者の中でよく言われる「排出者が自身に瑕疵のない場合にも責任を問われる」ということに疑問を持ち、気になっていました。
私の調べた結果では、廃棄物処理法には、19条の5違反のような瑕疵がない場合、排出者責任を問う根拠はないように思います。このような場合、民事上の法的責任を考えるには、民法を見るべきではないかと思います。
民法の不法行為による損害賠償責任(709条)においては、「故意または過失」というのが条件のひとつになっています。「過失責任の原則」と言われるものです。特に規定のない限り、この原則に従うものと考えます。
上記はあくまで原則であり、一部の法律では、弱者保護などの観点から、例外的に「無過失責任」を採用しています。水質汚濁防止法や大気汚染防止法、製造物責任法、民法の土地工作物責任、自動車損害賠償保障法などです。
すなわち、廃棄物処理法がこの「無過失責任」を採用しているのか、あるいは原則どおり「過失責任の原則」に従うのか、ということになると思いますが、冒頭に書いたように、「無過失責任」を採用していると考えられる根拠になるような条文は見当たりません。
あえて言うなら3条の解釈ということになるでしょうが、廃棄物処理法が「無過失責任」を採用していないということは、以下の今年の廃棄物処理法の国会審議で確認できます。
○ 環境委員会 第5号 平成17年4月5日(火曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001716220050405005.htm
この議事録の最後の方に、民主党の吉田(泉)委員から、排出者の「無過失連帯責任」の導入について質問があり、「予見不可能な負担を負わせ、経済活動を不当に制約するおそれもある」と小池環境大臣がこれに否定的な見解を示す、というやりとりがあります。
以上の根拠から、私は「過失なき排出者にも民事上の責任を負わせることができる」という解釈には賛成しかねます。自発的に負担するならともかく、排出者には当然負担する責任があるかのような言い方、誰かに責任をなすりつければいいという都道府県の姿勢は、問題ありと考えます。
○ ご参考
http://ch.kitaguni.tv/u/171/ENVIRONMENT/0000206310.html
回答に対するお礼・補足
環境法初心者さん
ありがとうございました。
当方に瑕疵のない場合は、とことんやってみようという気になってきました。理屈上は理解できましたが、しかし、マニフェスト等の記載の微細な点を、瑕疵とし、追及される可能性もあり、当局の出方を見ながらの対応というのが、現実的なところです。瑕疵とは、どこからどこまでを瑕疵と言うのか、法令に大きな点は記載ありますが、微細な点、例えば、委託契約書に記載した、処理委託予定量と現実の委託量との差の許容範囲は、どのへんまでか?とか・・・10000回取引していたが、1組のマニフェストのb2票のみが紛失されていたとか・・・第18条の報告徴収はできるが、その報告に対する評価結果を理由をつけてフィードバックするということは記載されていませんので、どちらにせよ、お役所の判断ということになります。
現実の対応は、別といたしまして、大きな問題、例えば廃棄物処理場確保の問題とか、処理業者の経営安定義務化とか(銀行のbis規制規定みたいに)然るべき人に、問題提起ということで・・・。
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