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環境Q&A

MPNの算出方法について 

登録日: 2005年08月05日 最終回答日:2005年08月06日 水・土壌環境 水質汚濁

No.11820 2005-08-05 10:19:37 古都

初歩的な事なのですが、MPNを求める時の、最確数表を使った算出方法について質問があります。

下記のような場合、

無希釈  10倍   100倍    1000倍 10000倍

において、結果が 5,5,0,0,0  

このような時、 (5,0,0) を採用して、  23×100
        (5,5,0) を採用して、 240×10

どちらを採用するべきでしょうか?
上水試験方法の求め方の例をみても、どれにもしっくり当てはまらないので困っています。
今までは、担当者の判断で、色々だったようなのです。
今、社内の測定方法のマニュアルを作成している為、正式な方法を知りたいと思い、質問しました。
宜しくお願いします。

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No.11835 【A-1】

Re:MPNの算出方法について

2005-08-05 23:25:32 きら

きらです。

「正式な方法を知りたい」とのことですが、手持ちの資料・公定法・文献等を当たってみましたがみつかりませんでした。

多分、「正式な方法」というのはない様な気がします。


1.一般論として、大腸菌をMPN法で測定した結果は、有効数字2桁で指数表示で表されます。

 従って、今回のご質問は、2.3×E3(2.3掛ける10の3乗)とするのか?、2.4×E3(2.4掛ける10の3乗)とするのか?ということになると思います。

 2.3と2.4では、0.1しか違わないので、これは測定誤差の範囲内と考えて良いのではないでしょうか?


2.そもそもMPNとは、統計的に最も確かな数値として定義されたものです。
 MPNの表をみると、信頼範囲の上限・下限が記載されています。

 「統計的に95%の確率で算出された数値であり、絶対的な数値ではない」ということが言えます。


3,過去に、このQ&Aで「水中の菌類測定の不確かさ」について10863で答えていますので参考にしてください。


以上のことから、「正式な方法」というものが仮にあったとしても、あまり重要ではなく、社内でどちらにするか決めってしまって良いのではと思います。


※お住まいの都道府県で公開されている公共用水域の測定結果を参考(2.3×E3か?、2.4×E3か?)にしてみてはどうでしょうか。

他に何か解りましたら、メールします。

回答に対するお礼・補足

お答え下さってありがとうございます。
1でおっしゃっている通り、確かに誤差の範囲ですよね。
実際当社では、MPNの分析をする場合の多くは、アセスメントの事前評価書の中のデータとして使用しますので、今までほとんど気にしていませんでした。
今回マニュアルを作成中、「こういう出方の時はこのように採用」というパターンを作っていて、初めて気になったくらいです。
社員の中で意見が分かれたもので、もし正式な方法があるなら・・と思い、質問させて頂きました。
色々調べて頂きましたようで、本当にありがとうございました。

>※お住まいの都道府県で公開されている公共用水域の測定結果を参考(2.3×E3か?、2.4×E3か?)にしてみてはどうでしょうか。

これ、名案です!環境白書のデータの数値をちょっと拾ってみます。
また何かありましたら、今後とも、宜しくお願い致します。

No.11838 【A-2】

Re:MPNの確かめ

2005-08-06 00:59:25 JK

正しいか正しくないかという観点ではないのですが、
計算する方法がありそうです。

http://l5kono.cee.yamanashi.ac.jp/joho_teikyo/最確数自動演算プログラムの使用法.pdf

感じとしては、00の連続を避けて、
550のほうを採用するのではないかと思います。


回答に対するお礼・補足

情報を頂きまして、ありがとうございます。
自動演算のプログラム、あるんですねぇ、びっくりしました。
家のパソコンではダウンロードできなかったので(古いんです)、週明け会社でやってみます。
「研究情報」の中の「最確数(MPN)法について」を読んでみたところ、やはり採用の方法は曖昧のようですね。
最確数表の作成の根拠など、とても興味深く読みました。
文中にも書かれてましたが、このプログラム、最確数法の実験計画の作成にも利用できそうな気がします。(希釈倍率の設定など?)

色々なソフトの導入について社内で検討しているところなので、この件についても考えてみたいと思います。

ありがとうございました。

No.11839 【A-3】

Re:MPNの算出方法について

2005-08-06 09:41:43

衛生試験法はお持ちでしょうか。
私の所属する会社では(最新版ではないですが)いろいろ参考になるのでよく手にします。
そこに微生物試験の判定法などが載っていたと思います。
決して安いとはいえない本ですが、微生物試験などはかなり詳しく載っていると思います。
他にも上水試験法、下水試験法にも微生物試験は載っていまして、測定対象が変わると試験法、留意点が違うことに驚かされます。

回答に対するお礼・補足

週末を挟んでしまった為お礼が遅れてしまい申し訳ありません。
ありがとうございました、衛生試験法、見てみました。
一見して目についたのは、0,0,0 の時の表現の違いですね。1.8未満になってました。
他にも上水試験方法と見比べてみようと思います。

この場をお借りして、A-1に関して、報告。
環境白書を見てみると、23と24と両方あるようです。
この場合、県がいくつかの事業所に委託し、その結果を回収してデータを取っていると推測すると、分析機関ごとの判断なのかな、と思います。
当社でも、この件を併記した上で、マニュアル作成を行いたいと思います。
ありがとうございました。

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