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環境Q&A

海水中の全窒素測定 

登録日: 2005年12月28日 最終回答日:2006年01月07日 水・土壌環境 水質汚濁

No.14011 2005-12-28 09:48:28 クック

淡水の全窒素測定として、ケルダール分解でインドフェノール法、イオンクロマトなどを使用し測定していましたが、今回海水を測定することになりどちらもうまく値がでません。銅・カドミウムカラム還元法を試してみたいと思っているのですが、他によい方法はございませんでしょうか?

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No.14063 【A-1】

Re:海水中の全窒素測定

2006-01-07 18:49:34 検見軽

この質問を読ませていただいて、いくつか疑問のことと、
そして、他の分析方法についてお答えしたいと思います。

まず、疑問のこと。
全窒素を今までケルダール分解法で行っていたとのことですが、
通常、硝酸性窒素などの窒素の酸化物を含む試料においては、この方法では不完全で、
デバルダ還元法による窒素も含めた総和法でないといけないと言うこと。
またイオンクロマト法は、硝酸イオンやアンモニウムイオンなどのイオンを測定するには便利だが、
全窒素を測定するには、これもまた不完全であり、その方法を誤っているということ。

銅カドミカラム還元法は、JISにも採用されていて、海水はこの方法を特に指定していますが、
実際にしてみると、へたくそなのか、カラム毎の違いや、経時的にも、
還元率が不安定でそのデータに信頼がおけませんでした。
JISに採用されているくらいだから、上手にしておられる方もいると思いますが、
結構手間のかかる方法であまり効率的な方法とも思えません。
一番確実なのは、JISにもあり一番一般的な、
ペルオキソ硫酸カリウムで分解後、220nmの吸光度を計る方法だと思います。
JISによるとこの方法では、海水に多く含まれる臭素イオンが同波長に吸収を持っていて、
硝酸イオンに換算して0.4mg/lだったか、
そのくらいの+の誤差を与えるとの記載があったように思いますが、
実測したところ、殆ど影響はなかったように思います。
海水の臭素イオン濃度65mg/lを最大分取量の条件で測定して、
50mmセルで0.01以下だったように記憶しています。
正確を期するのであれば、イオンクロマトで臭素イオン測定し、
予め臭素イオンを220nmで測定した検量線を作っておき、
相当する吸光度を差し引けばいいと思います。
このあたりは、クックさんもご自分で再確認した方がよいと思います。

オートクレーブを使うこの方法は、酸化・分解力が弱いので、
有機物を多く含む試料、アンモニウムイオンを多く含む試料には、
分解時のサンプルサイズに注意する必要があります。
濃度が高過ぎた場合、検量線内に入るようにするために、
分解後の液の分取量を減らして、吸光度を測定してはいけないと言うことです。

回答に対するお礼・補足

詳しい説明ありがとうございました。

実際にやってみます。

短所や対策など本当にありがとうございました。

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