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環境Q&A

一般廃棄物の排出者責任 

登録日: 2006年03月14日 最終回答日:2006年03月15日 ごみ・リサイクル ごみ処理

No.15603 2006-03-14 10:11:44 タフマン

教えてください。
過去の質問を閲覧したのですが、
載っていなかったので質問します。

一般廃棄物については、
産廃のような排出者責任が法令で
規定されていませんよね?
一般廃棄物を業者に処理を依頼して
不法投棄された場合には
その依頼者は道義的な責任はあるにしろ、
法的な責任もあるのでしょうか?

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No.15606 【A-1】

Re:一般廃棄物の排出者責任

2006-03-14 10:53:59 行政書士001

>一般廃棄物については、廃棄物処理法第6条で市町の収集・処分の責務が記載されています。
業者はあくまで市町の委託であり、委託業者の不法投棄等(運搬量等により市町から報酬をもらう以上悪いことをする理由もないのですが)の責任は市町にあります。それで排出業者(正規に業者に渡している場合)には処分責任はないのでは。

回答に対するお礼・補足

早速の回答ありがとうございます。
確かに通常の場合にはそのようになると思われますが、
排出者個人が家具などの処理をを市町村に頼まずに、
個人の判断で他人に頼んだ場合にも、
市町村の責任にということで
責任は問われないのでしょうか?

No.15618 【A-2】

Re:一般廃棄物の排出者責任

2006-03-14 20:52:07 万田力

 廃棄物処理法の第3条第1項には、事業者の責務として

> 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。

と定めていますが、罰則は定められていません。
 そして、これも罰則はありませんが、第6条の2の第6項で

> 事業者は、一般廃棄物処理計画に従つてその一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合その他その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第7条第12項に規定する一般廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する一般廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

と定めています。
 ところで、委託する相手としては

> 第7条第12項に規定する一般廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者

と書いてあり、それは
 行政書士001さんが、言うように

> 業者はあくまで市町の委託であり

ではなく、許可業者その他がありますので、自分で調べてみて下さい。

 さて、ここからが本番(?)で、罰則の有無を気にしておられるようですが、第6条の2の第7項に、

> 事業者は、前項の規定によりその一般廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。

とあって、これには法第26条で、

> 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

とあり、その第1号に
> 第6条の2第7項、(中略)の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者

とあります。(委託する場合の政令で定める基準は、施行規則第4条の4にあるので、自分で調べてください。)
 第3条第1項その他で責務(=責任)は定めているけれど罰則を定めていないだけ。委託基準違反にはちゃんと罰則も定めていますので、ユメユメ

> 個人の判断で他人に頼んだ場合にも、市町村の責任にということで責任は問われない

などと甘いことを考えないことです。
 なお、産業廃棄物と異なり、委託基準を守っていれば排出者責任を問う規定が無いのは、行政書士001さんのおっしゃられるように、一般廃棄物の場合不法投棄等のメリット(?)が業者にとってあまりないせいかも知れません。
 

No.15620 【A-3】

Re:一般廃棄物の排出者責任

2006-03-14 21:28:34 万田力

 読み込みが少し足りませんでした。。
 次のとおり、排出事業者に対し措置命令という形で排出者責任が問われ、これに従わなかったときは当然罰則もあります。

(措置命令)
第十九条の四  一般廃棄物処理基準(特別管理一般廃棄物にあつては、特別管理一般廃棄物処理基準)に適合しない一般廃棄物の処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、市町村長は、必要な限度において、当該処分を行つた者(第六条の二第一項の規定により当該処分を行つた市町村を除くものとし、同条第六項若しくは第七項又は第七条第十四項の規定に違反する委託により当該処分が行われたときは、当該委託をした者を含む。次条第一項及び第十九条の七において「処分者等」という。)に対し、期限を定めて、その支障の除去又は発生の防止のために必要な措置(以下「支障の除去等の措置」という。)を講ずべきことを命ずることができる。
2 (略)

第十九条の四の二  前条第一項に規定する場合(第九条の九第一項の認定に係る一般廃棄物の当該認定に係る処分が行われた場合に限る。)において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあり、かつ、次の各号のいずれにも該当すると認められるときは、市町村長は、当該認定を受けた者(処分者等を除く。以下「認定業者」という。)に対し、期限を定めて、支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。この場合において、当該支障の除去等の措置は、当該一般廃棄物の性状、数量、処分の方法その他の事情からみて相当な範囲内のものでなければならない。
一  処分者等の資力その他の事情からみて、処分者等のみによつては、支障の除去等の措置を講ずることが困難であり、又は講じても十分でないとき。
二  認定業者が当該認定に係る一般廃棄物の処理に関し適正な対価を負担していないとき、当該処分が行われることを知り、又は知ることができたときその他第九条の九第六項の規定の趣旨に照らし認定業者に支障の除去等の措置を採らせることが適当であるとき。
2 (略)

回答に対するお礼・補足

万田力さん、大変わかりやすい回答ありがとうございました。
疑問がはれました。
やはり、一般廃棄物についても排出者の責任というのは、当然のことながらあるのですね。

No.15631 【A-4】

Re:一般廃棄物の排出者責任

2006-03-15 21:48:30 M.H.

一般廃棄物委託基準の罰則について補足です。

法第25条で、
「次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」
とあり、

同条第1項第六号に
「第六条の二第六項、第十二条第三項又は第十二条の二第三項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者」
とされています。

つまり、一般廃棄物の許可を持っていない業者に一般廃棄物を委託すると、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金となります。

“普通の”排出事業者が受ける罰則の最高額です。(不法投棄等を除きますが・・・)

ご注意ください。


少し話題がずれますが、こんなことになっていないかも注意してください。あわせ産廃の話です。
http://blog.goo.ne.jp/jizokukanou/e/648e2518916d6ea5e55426d65c453194

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