一般財団法人環境イノベーション情報機構

環境Q&A

過酸化水素中の六価クロムの形態 

登録日: 2006年04月03日 最終回答日:2006年04月05日 水・土壌環境 水質汚濁

No.15923 2006-04-03 12:05:32 初心者

六価クロムを含有する土壌10gを30%過酸化水素水100mLで反応させ、ろ過した液について、六価クロムを測定したところ、ジフェニルカルバジド比色法では全く発色せず、標準物質を添加しても発色しないため、六価クロムは不検出としました。
また、JIS K 0102の前処理法の硫酸アンモニウム鉄(V)溶液を加えアンモニア水で微アルカリ性として煮沸後、三価のクロムを鉄共沈させ、ろ過したろ液を原子吸光で測定したらクロムが検出されました。

このような場合、過酸化水素中のクロムの形態は何なのでしょうか?

どなたかご教示頂けるとありがたいです。

総件数 2 件  page 1/1   

No.15932 【A-1】

Re:過酸化水素中の六価クロムの形態

2006-04-04 08:53:55 K

>このような場合、過酸化水素中のクロムの形態は何なのでしょうか?

水溶液中のクロムの形態はPourbaix著Atlas of Electrochemical Equilibria Aqueous Solutionsにそれなりに載っています。
(pHとORPからの推定にしかなりませんが)

ただ、JIS K 0102でのクロムの分析は酸化性の物質が共存する試料には適用できないと一般的に言われています。
公定分析上はJIS K 0102で行う必要があるので、出たデータを信用する必要があると思います。
もし、参考レベルでもいいから、できる限り真値に近づけたいというのであれば、JIS K 0400-65-20を参照してみてください。
ジフェニルカルバジドでの六価クロムの定量について書かれていますが、試料に酸化性の物質や還元性の物質が存在する場合の前処理法も書かれています。

回答に対するお礼・補足

ご回答有難うございました。

No.15963 【A-2】

Re:過酸化水素中の六価クロムの形態

2006-04-05 22:55:36 筑波山麓

科学大辞典では、過酸化水素の性質について、「強力な酸化剤として働く一方、還元剤としても働く。H2O2+2H++2e→2H2O E0 1.77V(水素受容体となる場合)、H2O2→O2+2H++2e E0 −0.68V (水素供与体となる場合)。たとえば、酸性でフェロシアン化カリウムはフェリシアン化カリウムに酸化されるが、アルカリ性ではフェリシアン化カリウムがフェロシアン化カリウムに還元される。酸素を失いやすい重金属酸化物を金属に還元する」とあります。
また、EPA3060Aには、土壌中のクロムは、土壌の性質(酸化・還元雰囲気)により、三価が六価に酸化、また六価が三価に還元されると記載されております。ここにも「K」さんの言われているpHとORPからのクロムの挙動の推定について記載されております。EPA3060Aの詳細については、私のホームページhttp://www3.ocn.ne.jp/~tukubasaを参照してください。
あなたの質問内容から考えて、土壌の性質または過酸化水素により、六価クロムが三価に還元された可能性があります。
したがって、土壌の過酸化水素による処理した液を、「JIS K 0102の前処理法の硫酸アンモニウム(V)溶液を加え………原子吸光光度法で測定したらクロムが検出されました。」も正しいとはいえません。原子吸光光度法では、三価のクロムも六価のクロムも同じようにクロムとして検出されるので、その測定値が六価のクロムとは限りません。なお、この前処理法は私の経験から非常にナーバスな方法なので非熟練者が行うことはお勧めできません。
以上から考慮して、この測定そのものを最初から見直される必要があるでしょう。
あなたが、計量証明機関、民間の研究所、公共の試験所、またはどこにお勤めなのか、なぜ、どのような経緯からこの方法で測定されているのかは知りませんが、ある分析方法を採用されるときは、たとえ公定法であっても、十分な吟味、経験、知識が要求されます。また、報告するときは十分な確信を持って報告するべきです。標準物質を添加しても発色しないのは何故なのか。その原因を把握し、測定値が正しいという確証を得て初めて報告すべきでしょう。
あなたの試験所の諸先輩と初めからこの件について相談することをお勧めします。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございました。
ホームページ見させていただきました。

総件数 2 件  page 1/1