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環境Q&A

有機物分解の際の過塩素酸の危険性について 

登録日: 2006年06月29日 最終回答日:2006年06月30日 水・土壌環境 水質汚濁

No.17204 2006-06-29 11:10:35 ねね

金属含有量試験の前処理などで過塩素酸を用いることがあると思います。反応性が高く危険な試薬であると言われていますが、その使用時の加減がよくわかりません。実際に身近で事故があった方はいらっしゃいますでしょうか。
硝酸などが残存していれば有機物が多く残っていてもよい、
有機物がほとんど分解していれば白煙発生まで濃縮させてもよい、とは聞いていますが・・・

また、分解後の溶液が褐色の場合どのような不都合があるのでしょうか。金属の溶出が不完全になるのでしょうか。若干の有機物が残っているだけなら定量にも問題ないと思うのですが。

たくさんの方のお考え、経験談をお聞かせください!

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No.17219 【A-1】

Re:有機物分解の際の過塩素酸の危険性について

2006-06-29 19:06:54 有機化学研究室

学生の頃隣で実験してた人が爆発事故を起こして、巻き添えでけがをして救急車で病院にいったことがあります、
分析値の正確さより、人間のいのちのほうが大切です。
それ以来、過塩素酸は使ったことがありません。
過塩素酸で有機物を分解するというような無謀な行為を標準作業として操作に組み込んでしまう分析屋さんの考えは理解しかねます。
一日も早くおやめになって、ドラフトチャンバーの洗浄を行うようにお勧めします。

No.17226 【A-2】

Re:有機物分解の際の過塩素酸の危険性について

2006-06-29 23:55:05 どんべえ

通りがかりの分析実務者です。
まず、過塩素酸の使用ですが私自身、金属分析用の検体前処理としてしようしております。基本的操作はJIS K0102、下水道法などに酸分解の判別の仕方が載っていますので参考にしてください。
でも、やはり過塩素酸は怖いという認識で取り扱っており、必ず最初は硝酸分解します。
濃縮後、必ず放冷します。まだ、目に見える有機物がある場合は絶対過塩素酸は用いません。硝酸での更なる分解濃縮または還流、もしくは塩酸添加して分解します。有機物がほぼ消えた、でも難溶性の塩類があるかなーと思ったとき、再度放冷し、硝酸を追加添加してから過塩素酸を加え、還流分解、白煙発生による濃縮を行っております。
もちろん、ドラフトは閉め、注意書きなんか貼り出したら親切でしょうね。
参考になりました?上司の話では腕がちぎれた人を見た(ほんとか否か??)ということなので、危険だという認識は非常に大切と思います。参考になったかな

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
私も「なんか怖いから」という認識のみですが、どんべえさんに近い方法で行ってきました。
過塩素酸については人によって言うことがかなり違うので・・・。危険性の再認識になりとても参考になりました。

No.17235 【A-3】

Re:有機物分解の際の過塩素酸の危険性について

2006-06-30 13:14:00 BATA

私も実務で分析を行っていたときには重金属の分析の前処理で使用していました。
ただ、どんべえさんと同じで過塩素酸のみでの分解は行っていませんね。
硝酸-過塩素酸は必ずセットで、ビーカーの口を時計皿でふさぐようにして還流させながら分解しました。
検液が透明になったら、白煙で飛ばして放冷後メスアップって操作でした。

分解時の有機物の残り具合ですが、対象としているものが検液中に高濃度にある中での有機物の残りはたいした影響はないでしょう。(ただし、真値とはいいにくいですが)
微量の金属を定量する際に有機物中に取り込まれた状態の目標金属の量は問題になってくるでしょうね。

もう、何年も前の記憶なので、分析技術も進歩してしまってるでしょうが、参考になれば幸いです。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
残っている有機物量が若干であるなら、続いてICPなどで分析する場合は内部標準法でほぼ補正することが可能ですよね。

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