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環境Q&A

ジフェニルカルバジド溶液の濃度について 

登録日: 2006年08月11日 最終回答日:2006年08月21日 ごみ・リサイクル その他(ごみ・リサイクル)

No.17907 2006-08-11 10:53:12 分析超初心者

こんにちは。私は分析関係の仕事に就いているわけではないのですが、RoSH指令により六価クロムの定量をすることがたまにあります。(自動車メーカーさん向けの製品の絡みで)

私は分析を専攻してたわけでもなく、他に人がいないという理由でその分析を任されただけで分析の詳しいことはよくわかりませんので、質問させて頂きました。

依頼してくるメーカーさんは、ジフェニルカルバジド吸光光度法による六価クロムの定量を指定してくる場合がほとんどなのですが、細かい条件や規格を指定されることはありません。

一応社内に分析マニュアルがあるのでそれに従っています。
ところが私の部署と他の部署でジフェニル溶液の濃度が異なってマニュアルに明記されていました。
私の部署では1g/L、その部署では0.1g/L・・・10倍も違います。
キレート反応なので大きな問題はないのかなとも考えましたが、分析結果に何か影響するのでしょうか?滴下量は同じです。

JIS規格では濃度も規定されているものなんでしょうか?(すみません、規格を見たことがなくて・・・)
社内のマニュアルが統一されていないこと自体問題なので、こんな質問をすることも恐縮なのですが、よろしくお願いします。

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No.17913 【A-1】

Re:ジフェニルカルバジド溶液の濃度について

2006-08-11 14:37:07 ぴかちゃん

私は分析が専門ではないので、質問にお答えできるわけではありませんが、取り急ぎ参考までにJISを閲覧できるHPを紹介させていただきます。

http://www.jisc.go.jp/index.html
日本工業標準調査会のHPです。JIS検索で様々なJISを閲覧(プリントアウトはできません。買ってください)することができます。非常に重宝しているHPです。

なお、溶液の分析をするのであれば、最低でもJIS K 0102くらいは購入しておいたほうがいいと思います。
また、分野ごとにまとめたハンドブックが毎年発売されていますので、自分が必要な分だけ毎年購入するのもよいと思います。
上記HPに入手方法が記載されています。一度ご確認下さい。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます!
こんなホームページがあったんですね。
確かに規定されてました。

No.17918 【A-2】

Re:ジフェニルカルバジド溶液の濃度について

2006-08-11 15:34:55 K

>JIS規格では濃度も規定されているものなんでしょうか?(すみません、規格を見たことがなくて・・・)

JIS K 0102:1998の65.1.1にジフェニルカルバジド吸光光度法が載っています。
そこには10g/Lと書かれています。
(作製方法は、1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド(ジフェニルカルバジド)0.5gをアセトン25mLに溶かし、水を加えて50mLとする、です。)

回答に対するお礼・補足

作成方法まで明記してくださって、ありがとうございます!
ただ、試薬の濃度によって結果が左右されることはあるのでしょうか?
規格に則って分析すれば、そんなこと気にすることではないのでしょうけど・・・

No.17928 【A-3】

Re:ジフェニルカルバジド溶液の濃度について

2006-08-12 10:48:29 tom

測定対象となっている濃度が部署によって変わっている可能性はありますか?
ジフェニルカルバジド溶液は薄い黄色を呈している溶液です。ですから、試験対象溶液の濃度によっては誤差を生じる可能性があるのかもしれません。測定溶液のクロム濃度が希薄な場合にはジフェニル溶液が薄いものを使用しているのかもしれません。社内的に経験を生かしているのかもしれません。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
部署によって、今回のように製品皮膜上に含まれる六価クロムを抽出し定量する場合と、排水中の六価クロムの分析をする場合があるので確かに部署毎に濃度は違うかもしれません。
ありがとうございます。

No.18028 【A-4】

Re:ジフェニルカルバジド溶液の濃度について

2006-08-21 22:33:25 筑波山麓

分析を始められるにあたって、下調査程度は実施してほしかったですね。とくに、化学分析は、採用する分析方法、実施者の技量によって出てくる結果に相当な差が生じることがあります。

以前に、同僚が材料からの六価クロム溶出試験(RoHS指令でない。医療機器)を下請けに指示したところ、JIS K 0102 65.2.1 ジフェニルカルバジド吸光光度法による分析結果を提出してきました。生データの提出も命じてあったので、分かったのですが、JIS記載の波長540nmの位置に吸光度のピークがなく、10nmずれた530nmにあったのに、540nmの位置の吸光度の測定値で濃度を算出してきました。このような結果を前にして、下請けの技量・知識、機器のメンテナンスの程度に呆然とした経験があります。当然、やり直しを命じるところですが、果たしてやり直しても正しい結果が出てくるのか、同僚は頭を抱えて悩んでいたことを今も鮮明に記憶しています。

RoHS関係の六価クロム分析の主なものとして、JIS H 8625(熱水抽出−ジフェニルカルバジド吸光光度法)、JIS K 0102 65.2.1(ジフェニルカルバジド吸光光度法)、EPA3060A(アルカリ抽出法)等があります。ほかに、塩水抽出−ジフェニルカルバジド吸光光度法、ボルボ法などもあります。
ジフェニルカルバジドの濃度も測定方法で相違し、ジフェニルカルバジド溶液の濃度は、JIS H 8625では(0.50g/アセトン50ml+水50ml)、JIS K 0102 65.2.1では(1g/アセトン50ml+水50ml)です。ほかに、アセトンの添加量、発色時の酸濃度、発色に要する時間、液温等も相違することがあります。

六価クロム標準液に「JCSS」のようなトレーサーブルなものを使用し、JIS等に定められた方法を正しく遵守すれば、吸光度測定に大きな誤差は生じにくいです。

しかし、前処理方法の仕方(熱水抽出、アルカリ抽出、塩水抽出、抽出温度、抽出時間等)によっては、測定値に大きな誤差が生じますので、注意してください。

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