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環境Q&A

ダイオキシンは怖くない? 

登録日: 2003年02月24日 最終回答日:2003年03月11日 健康・化学物質 ダイオキシン

No.1858 2003-02-24 17:54:42 くま

先日「シリーズ地球と人間の環境を考える02『ダイオキシン』」(日本評論社、渡辺正・林俊郎著)という本を読み、その内容にかなり驚きました。簡単に言えば、一時期のマスコミによるあおりや一部学者の先走りによりダイオキシン=猛毒=何が何でも規制という刷り込みがされたが、実はダイオキシンによる害はほぼゼロだというものでした。本の中のデータによると、例の能勢町や所沢の焼却施設周辺地区の大気中のダイオキシン濃度はその他の地区と差異がないとのこと。ただしこれは2001年度の調査結果であり、その頃は能勢町では焼却はもう行われていなかったと思うし、所沢でも一時期ほどひどい産廃焼却は行われていなかったと思うので、この結果は特に参考にならないのではと思いますが。(ちなみに土壌1g中のダイオキシン量は両地区とも他地区の約2倍。)ただ、住民の血液中のダイオキシン濃度の調査(2000年度)でも前述の2地区の住民とその他の地区の住民の値には大きな差はなかったとのこと。体内に入ったダイオキシンは容易には排出されないと聞いたことがありますが、そうだとしたら前述の血液検査の結果は、(本の言うように)焼却施設、つまりはダイオキシンを吸い込むことによる影響はないということでしょうか?実は我が家の隣の事業所は長年にわたりドラム缶による廃物の焼却を行っており、廃棄物処理法ができてからはましになりましたが、相変わらず今でも日によっては6〜9時間も焼却を行っています。間違いなく毎日かなりのダイオキシンを吸わされていると思いますが、もし本のいうようにそれでも害がないということであれば、後は煙や臭いの問題だけで、どんなに気が休まるかと思います。ここに挙げた内容だけでこんな質問は不適当とは思いますが、皆さんはこの「ダイオキシンは怖くない」説、どう思われますか?こういった分野に詳しい方がいらっしゃれば見解をお聞かせ願えればと思います。

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No.1945 【A-1】

Re:ダイオキシンは怖くない?

2003-03-07 09:49:47 東京都 / ヒソヒソ話

皆さんはこの「ダイオキシンは怖くない」説、どう思われますか?こういった分野に詳しい方がいらっしゃれば見解をお聞かせ願えればと思います。

ダイオキシンに詳しくはありませんが、回答がでてこないようなので、関連浄化工事の経験から比較的詳しい素人として、参考意見を記述します.
 1.ダイオキシンの毒性は発ガン性、細胞の遺伝子異常であり、ダイオキシンによって遺伝子が破壊されたどうかは簡単には分からない.
 2.遺伝子が破壊されても具体的なガンの症状として問題になるのには時間(潜伏期間:20-30年程度必要)。
 3.実験室、試験管レベルではダイオキシンと発ガン性の因果関係は、ほぼ確実に認められている.
 4.細胞に対する影響であり、非常に低濃度でガンを引き起こす可能性がある。
 5.自然に分解する割合が低く、環境(人類全体)に影響を及ぼす。
 6.低濃度でも分解しにくいので、長期にわたると生物濃縮が起こる.

以上のことから、小生の見解は
 @短期的にヒステリックになる必要は無いが、長期的に、自分の子孫や人類全体に影響を及ぼす可能性が高い.
 A個人的には、それほど恐れていませんが、民族、人類と言う観点では非常に恐ろしい物質である.
追申、大気中のDXNは発生原因の施設が休止しておれば異常値が出なくて当然.ただし、周辺のどこか、あるいは、遠く離れたどこかは確実に汚染されている.

正確には、毒性学の専門家の解答を参考にしてください.

回答に対するお礼・補足

回答、ありがとうございました。本の内容の一部を端折って質問したような形になり、お答えになる方も困るのではと思っていました。参考にさせていただきます。

No.1958 【A-2】

Re:ダイオキシンは怖くない?

2003-03-08 18:41:02 福岡県 / 友樹

直接答えになっていないかもしれませんが、
ご参考に。

ダイオキシンは、化学物質のなかでも、珍しい物質で、
対象となる動物(マウス・モルモット・ウサギ・・・)により、著しく毒性の現れ方が異なります。
そのため、人間に対する毒性というのは、一概に
いえない部分がありますが、ヒトは、ダイオキシンに対する毒性は、著しく低いのではないか、といわれています。
ダイオキシンのような毒物を人体実験するわけにもいかないので、毒性の現れると推定される量に、安全係数と呼ばれる予備の値をかけて、このくらいの量だったら、一生取りつづけても、大丈夫ではないか、という値をだしているのです。
ダイオキシンのヒトへの影響は、日本の油症、台湾のユチェン、イタリア・セベソの化学工場爆発等の事件からも研究されています。
日本の油症からでは、患者のガン罹患率や平均寿命の悪化との相関性はみられないようです。

これは、私の個人的な感想ですが、
ダイオキシンに限らず、現在の世の中には、多く発ガン物質あります(皆さんよくご存知の嗜好品等)。また、外因性内分泌かく乱物質(環境ホルモン)もあります。それぞれのリスクを考えると、現在の環境中のダイオキシンが極端に危ないものだとは思いません。だからといって、規制しなくていいとか、野放しでいいとは思っていませんが。


回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。確かに私の引用した本の著者もダイオキシンにはまだわからない部分が多いと言及されていました。私はダイオキシンの害についてはもうかなりの部分が解明されており、それゆえに規制値等が決められたのだと思っていましたが、そういうことでもないのですね。質問欄で書いたように日々の生活にダイオキシン曝露の不安があるため、私自身神経質になっており、正直なところ、どの情報が正しいのか少々混乱しています。

No.1969 【A-3】

Re:ダイオキシンは怖くない?

2003-03-11 14:30:57 長命家系農業者

私の祖父は父方も母方も90才を超えて生きていましたが、毎日体に悪いというタバコを吸っていました。
私の母は除草剤のダイオキシン濃度が最も高い時期に、私を背負って除草剤散布を行い農薬中毒で入院しましたがまだ80才で元気で農業やってます。
私は客観的に見ると子供時代に母の背中で相当量のダイオキシンに暴露されたはずですが、精子の減少は見られなかったようで、世の中すべてメス化するというコルボーンさんの説に反して子供は息子ばかり生まれてしまいました。

しかしこのことによって、大学の先生は研究費が増えたし、計測器メーカーでは計測器の販売が増えて、機械メーカーでは公害防止設備が売れるようになり、この不景気の世の中で環境ビジネス3方1両得状態になったのですから毒性はともかく社会には大きく貢献しています。

大学の先生は、怖くても、怖くなくてもどちらでも研究対象になるのですから、一般の方はあまり気になさらないほうがよいのではないですか。



回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。一時期使用された農薬に含まれていたダイオキシンが現在でも環境中に残留しており、それが日本のダイオキシン汚染の主な原因だと本の中でも言及されていました。この先ダイオキシンの解明が進み、一般の人間にもわかる形でさまざまな異なる曝露状況別にリスクの有無、またその程度などがわかるようになればと思いますが・・・。

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