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環境Q&A

中小の企業などが行う森林整備について 

登録日: 2006年11月20日 最終回答日:2006年11月21日 地球環境 地球温暖化

No.19395 2006-11-20 09:43:03 雪緑

初めての質問投稿です。

先に質問を書きます。
「中小企業が森林整備にあまり参加しない要因として何が考えられるのでしょう?」

「中小企業が森林整備に参加するには、(現状で早期に出来る)どんな要件を整備するのが良いのか調べたい」と考えていますが、どこに質問をし、何を聞いたらよいのか見えなくなってきたので、ここを使わせてもらいました。

地球温暖化問題、CSRなどの要素から大企業が中心となって森林整備が行われるようになってきています。
国や都道府県、市町村などでも企業による森林整備をうたって、それぞれ法人の森制度など企業が森林整備に参加する制度を作っていますが、HPで公表されている情報を見ていくと、参加しているのは大きい企業が中心になっている様に感じます。
また、東京の某経済団体に聞いてみても中小企業は森林整備にはあまり興味がない様な回答だったので…。

総件数 4 件  page 1/1   

No.19399 【A-1】

Re:中小の企業などが行う森林整備について

2006-11-20 12:33:54 レス

>「中小企業が森林整備にあまり参加しない要因として何が考えられるのでしょう?」>
>
 逆に伺います。参加する要因として何が考えられるのでしょう?

 確かに、質問としては成立しています。しかし、もし、まともに考えれば、所謂中小企業と大企業の違いがどこにあって、企業行動がいかなる動機によって決定されるかの過程と判断基準が理解できるのならば、質問する意義(意味)があるかないかは判断できるはずです。
 大企業が全て森林整備に参加しているわけでもないし、中小企業が全く参加しないわけでもありません。

 答えは一つではありませんが大きな理由の一つとしてヒント・投資行動と利潤の循環に関係

回答に対するお礼・補足

ヒントなどありがとうございました。

参加する要因として考えられるのは、
・PR効果(地球温暖化問題などで脚光を浴びている今)
・社員教育(社員への別な取り組みを行うことによる刺激など)
・新たなアイディア探し(マジックテープやパンタグラフなど自然界のヒントでビジネスになったアイディア探し)
・将来のビジネスへの投資
・レク活動
・将来の人材等の確保(地域住民等と参加)
・経営者の使命感(郷土愛)
があると考えます。


>ヒント・投資行動と利潤の循環に関係
についてですが、
例えば、大工さんが家を建てる木を自分で育てて(投資)、その木を利用する。そして、余った端材をストーブやバイオマス発電などに利用して、売電やコスト削減にあて、そこで発生した利益を森林にあてるという流れ(循環)の事だとイメージしますが、とらえ方として合っているのでしょうか?

また、大企業と中小企業との違いが資金や人員の多さだけとして、中小企業が参加しないのは資金や人員が少ない事があり、社会貢献的な活動を行うのであれば、森林整備よりも簡単な活動や「本業に関連した活動」を行う事になるから…と言う考えに至りました。(安い投資で効果を目指す。簡単な取り組みで効果を目指す。)
本業と関連する部分に「森林(木材)」が入っていないと参加は難しいのではないかと言うことに…。

そう考えた上で、もし森林に参加させたいのなら、
・企業の参加する要因を満たす様なアプローチをかける事が必要ということですね。

また、中小企業にこだわるのであれば、
・大企業との違いをハッキリさせアプローチする事。
地域的な事を考えると、その地域の企業が参加する事が地域にとっても一番よい気がします。
…でも、そう考えると大企業で働く従業員にも地域の人がいたり…という違いの見えない循環に陥ってしまいますか…。

No.19404 【A-2】

Re:中小の企業などが行う森林整備について

2006-11-20 14:58:32 レス

 良く考えておられますね。質問するのなら最初からこう考えたけどここが行き詰っていいますとか、この点が良く理解できない。等の具体的な質問の方が答えが返って来やすいのです。
 企業における投資は、殆どの場合は理念ではないのです。具体的に計算可能でないと責任のある経営者は投資できません。余剰資金があり、危険分散のためにならばある程度リスキーで分配率の低い長期投資も行えますが殆どは趣味のような物になります。
 宣伝のために使うのは、投資ではありません。経費です。
 投資と考えれば、今の日本の森林経営の採算と利潤を考えれば、期待利潤率が余りにも低く、かつ期間が長すぎるのです。宣伝で100年などといっている企業がありますが、最低30年その間の経済変化を考えれば、林業経営を本業(関連としても含めます)としていなければ、ただの博打になります。
 この点はいかんともしがたい事実です。ですから、林業にはある程度の公的資金をつぎ込まざるを得ないのです。

参考
http://210.254.215.73/jeita_eps/green/greenTOP.html
http://www.jeas.or.jp/
http://www.psi-jc.jp/news_policy/policy/koukyo_service/qps_koukyo_service.htm

回答に対するお礼・補足

 そうですね、宣伝の為に使うのなら「投資ではなく経費」ですね。この点は気が付きませんでした。
企業として宣伝の為に森林整備を行うのなら、投資目的よりも宣伝効果の方に目が行きますね。
 現在は、地球温暖化などの影響があり、森林整備に関しても目が向きやすいので、宣伝目的での費用を支払う企業がいますが、宣伝だけしか売りにならない様では流行のように萎んでいきそうです。

 参考リンクを見て来て(質の高い公共サービスについては考えもしない部分が多かったですし、今回初めて見ました)

現状として、
 公共(行政)が借金により予算削減など財政中心の取組が行われている。そこに官から民への流れがきている。
 それなら単に官から民へと移行させるのではなく、官からビジネスを構築し、民の新たなビジネス(資金調達)に繋がる仕組み、手法を考えた方が、経済の発展や地域の発展などにも繋がるのではないかと考えました。(経済は流通する資金の流れによって規模が決まると考えているので、削減削減で流通する資金の流れが小さくなると規模も小さくなるという考えがあります。例えるなら、大雨が降ると若の水が増える様な雨と川の流量の関係です。)

 宣伝効果だけではなく、かつ林業を生業とする企業以外も参加できる様な森づくりはないのか?
から、いくつか考えてみました。
(長くなりますが…)

●森林整備に参加する為の切っ掛け等につながると思う事
 1,森林に直接触れて、その中からビジネスに繋がるアイディアを発見する機会。
 2,一社では資金面・人員面の制限が考えられるので、一社ではなく他の企業と協働。
 3,森林整備の推進とビジネスを考える。例えば、3泊くらいの日程で、植樹〜草刈りやツル切り〜間伐まで行程を組み込んで、採取したツルや間伐した材で簡易な工作を作ったりするツアー企画。ツアー全体の中に木の循環について取り入れ、環境教育に繋がりレベルアップをして行く様なツアー企画。

●メリットや目的など
 1,については、他業種の企業家の方々を主たる対象者として募集し、林業体験や森林環境教育体験をしてもらい、分散会などの場を設けて「気が付いた点」、「自社の本業と他社の本業と森林を結びつける企画の発見」、「新たな商品の発見」に繋げる。
 2,については、もり現行の森づくり制度に参加した場合、本業の忙しい時期に森づくりが出来なかったり、整備資金の問題を緩和する事を目的として、同業者や異業者と協働する事によって、互いに補完しあえる様にする。
 3,については、現状の制度を活用し企業による森林整備契約を結ぶ、もしくは森林所有者より森林を借り受ける、所有者と協働するなどして森林を確保し、都市部などに住む森林に興味のある一般市民やボランティア精神溢れる市民などを有料ツアーとして募集し、森林整備の部分では林業関係者には技術指導者として協働してもらい参加者と協働作業、その他の部分では地域の観光案内や地場産品を楽しむなど通常のツアー的な要素を盛り込む。

●問題点として考えられること●
 1,については、提案時や募集時に体験林業などと本業との繋がりが見えなく、参加者が集まらない可能性がある。その為には行政や経済団体等が協働で、募集を行い参加者を増やす取組をする等し、切っ掛け作りをする必要があるのではないかと考えます。
 2,については、権利関係や目的の不一致などについての問題が出る可能性がある。改善の為には、他の団体を森づくりとの窓口にとして活用する等し、同じ目的を持った企業で費用負担比率などを決める場を設ける事が必要だと考えました。※他の団体には、経済団体やNPO法人など、新たに財団法人つくる(中小企業森づくり財団(仮称)など)等が良いのではないかと考えました。
 メリットとして非営利法人への寄付行為は企業の税軽減になる事、窓口が1つになることで、対外的にPRしやすい事(例えば全国区的な団体にして、全国の中小企業が寄付等を募集し、地域によってPRの手法などを地域企業とおこなう)が考えられます。
 3,については、森林整備と観光旅行を併せたツアーにニーズがあるのか不明な点。全体の企画として主体となる団体はどこになるのか。ツアーとするのなら本業の旅行業界に任せるのが一番か。複数企業が絡むとなると経済団体や他の中立的な団体となるのか、あるいはツアーを開く地域で話し合いの場を作る事が必要となると考えました。

 しかし、色々考えていくと何処が進むべき道になるのかが見失ってしまいそうです。
 ・制度上の部分(行政としては制度に縛られてしまいニーズに応えにくくなっている部分がある)にするか。
 ・事例など元に提案型(ツアーなどのように他のビジネスと具体的に繋げる)にするのか。
 ・企業の方々に「森林とは何か、森林の整備とは何か」など触れて貰うことから始め、そこから企業としてビジネスを繋げる切っ掛けを作ってもらうことから始めるのかなど。

No.19406 【A-3】

Re:中小の企業などが行う森林整備について

2006-11-20 15:36:09 コロ

 国有林の払い下げを(半ば無理やり)受けたという企業もあったように聞いています。直接企業に聞いたわけではないので確かではありませんが、それが本当だとすると、払い下げ対象は恐らく大企業であったろうと思います。その山林を社会貢献事業に活用しているという例もあるのではないでしょうか。もちろん、社会貢献事業として行なわれている森林整備の全てが該当するわけではないと思います。地球温暖化防止について企業も社会的責任を問われている現在、森林を買ってでも、という企業もあるでしょう。
 森林の整備は長い年月と多くの手間・費用を必要とします。大企業が中心となるのは当然で、中小企業には興味がないというより、そういうことを考える余裕がないということかもしれません。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

>国有林の払い下げ((半ば無理やり)受けたという企業もあった…
 1円入札など行政の事業に対して、破格で行う企業はあると思います。
 毎回ではないにしても、どうしても資金の流れには対等な取引が難しい部分があるので。例えが悪いかもしれませんが、大手企業と下請け企業との関係のような。
 もしかしたら、事例づくりの為に少し圧力をかけて、企業による森づくりを始めた可能性も否定は出来ませんが…。しかし、結果的に森林の整備に繋がる事は良いことだと思います。(1次産業は買いたたかれて、2次や3次産業の利益を生むイメージがあるので)
 そう考えると、大企業が中心になって森づくりを行う事が最適な方法ですが、地域という事を考えた時、もし大企業が興味を無くして立ち去った時、その地域はどうなるのか?(現状の政治そのものに繋がり気がしますが…)
 そう考えてしまうので、地域で自立して森林整備をして、流通させる事が出来る基礎を持つ事が必要なのかなと思ってしまいます。

No.19421 【A-4】

Re:中小の企業などが行う森林整備について

2006-11-21 10:12:56 東京都 / 君山銀針

中小企業に限ったものではありませんが、林野庁の「企業の森林整備活動に関する検討会」報告をまとめる際の意見徴収では「効果の具体的なイメージがわきにくい」という意見があったようです(ご存じかもしれませんが)。
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=13470&oversea=0
http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h18-6gatu/0620kigyonomori.htm

廃棄物排出抑制や省エネなどの活動のほうが効果が見え、また身近でとっつきやすい。
企業内で数十人単位の植林ボランティアの募集ができる大企業と違って、中小企業は単独でボランティアの人数を集めるのも難しい、
などの理由があるかもしれません。

上記、報告書にも支援策がいろいろ提案されていますが、
■森林ボランティア団体が実施している活動に参加する
http://www.green.or.jp/volun/
また直接の森林ボランティアだけでなくても、
■間伐材やFSCを取得した国産材を使った製品の利用http://www.rinya.maff.go.jp/kizukai.html
など、中小企業が参加するために工夫はいろいろできると思います。

また、上記報告では
企業、NPO、森林所有者の連携を促すためのサポート組織「森づくりコミッション」を立上げる提案がされており、19年度の農林水産省予算要求にもこのための予算が盛りこまれているようです。
http://www.maff.go.jp/soshiki/kambou/kessan/h19/yokyu/index.html

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。

>林野庁の「企業の森林整備活動に関する検討会」報告
については、森づくりを行う上での企業ニーズ根拠の一つになると考えていました。

また、間伐材の利用については、長期になる森づくりよりも取り組みやすいとは感じていました。直接ではないにしても間接的に森づくりに貢献できる取り組み。

そう考えると、かなり多くの事が森づくりに繋がっていきます。(木づかい以外にも、林業体験ツアーの参加者を積極的に事業体や旅館業などが中心に受け入れる、学校などで行う森林環境教育への協力として子供達の移動手段や地域の食材を利用した弁当提供を行うなど)

どこまでが「森づくり」といって良いのか、少し頭の整理が必要になってきました。
今までの情報を整理してみます。

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