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環境Q&A

硝化運転 

登録日: 2007年03月05日 最終回答日:2007年03月14日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.21483 2007-03-05 04:03:12 いわこー

冬期を通して硝化運転をしてきましたが、この時期になって亜硝酸性窒素が増えてきました。水温が低い時期には硝化状態を保てたのに、現在は不安定な状態です。水温が少しずつ上がる時期に硝化状態を保つには何かコツがあるのでしょうか?宜しくお願いします。

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No.21489 【A-1】

Re:硝化運転

2007-03-05 18:51:05 papa

前回のご質問で硝化運転について少し回答させていただきましたpapaです。
この時期まで硝化運転達成ができ、おめでとうございます。
運転状況をもう少し詳しく説明してください。
そのほうが他の回答者からも適切なご回答をいただけると思います。

回答に対するお礼・補足

前回の質問に引き続き、気に留めて頂きまして有難うございます。現在の一日の流入量は約42000㎥です。冬期の硝化運転時はDOを1.0mg/l以上、MLSSを1900〜2000mg/l前後に保ちました。SRTは9〜10日で、反応槽の水温は下がっても19℃でした。同じ運転を続けてきましたが、最近硝酸性窒素が減り、亜硝酸性窒素が増え始めました。最終沈殿池で細かいフロックも浮き始めました。これから水温が上がる時期なので硝化がより進みやすくなると思っていたのですが…。なぜでしょうか?

No.21508 【A-2】

Re:硝化運転

2007-03-06 18:15:02 イニシャル泥

経験上の感覚でお答え致しますが、
通年硝化で冬場一番苦しくなるのが、
2月下旬から3月にかけてであり、
最低水温になる時期とは微妙にずれると感じています。
最低水温期に条件が足りなくなり、硝酸菌を
中心に徐々に存在比が低下し、この時期に
水質として顕在化するのではないかと
考えています。(反応量=増殖量ですので
説明できない部分もありますが。)
SRTやDOは、管理を行う上での一つの目安
でしかありませんので、10日、1ppm以上
という条件において、亜硝酸型になってしまうので
あれば、その条件が不足していると考えるべきであり、
今以上に最低水温期の条件に余裕を与える必用が
あると考えるべきだと思います。
最後は固液分離か酸素供給能力との兼ね合いで、
通年硝化可能かどうかが決まってくると思いますが、
MLSS=2000mg/Lなら、まだ、
無理させる余地があるのではないでしょうか。

回答に対するお礼・補足

早速のご回答、有難うございます。毎年この時期には水処理が不安定になり、何故なのかと思っていました。硝化運転においては今の時期が勝負所と聞き、気合が入ります。頑張って水処理にサクラ咲かせます!

No.21512 【A-3】

Re:硝化運転

2007-03-06 20:59:07 papa

亜硝酸蓄積は近隣の処理場では何度か聞いたことがありますが、実際に経験したことがないので、参考程度の回答しかできないことあらかじめご了解ください。
通年硝化運転をしている経験から、
1 低水温期の区分は20℃程度を目安にしています。
2 低水温期のSRTは約2週間、ASRTを10日くらいにしています。
3 MLSSは2500〜3000くらいになりますが固液分離障害になったことはありません。横流沈殿池では沈降汚泥が密度流となり界面上昇が起こりにくいと思います。
4 50:50のステップ流入なので返送率は50%としていますが、前段流入が硝化してますので実効的な返送率は200%と考えています。ステップ流入は前段に多くのMLSSを保持することが可能となり、後段では固液分離に障害がない程度のMLSSとなるので、操作的には安定度が高いと考えています。
5 低水温期は内生呼吸量が減少するためにDO制御が効きにくくなります。特にHRTが小さい標準法では必要酸素量と供給量の平衡点が検出困難となり、制御値を変えても過渡段階のまま沈殿地へ流入してしまうことがあります。
硝化が完了する時点で急激にDOが上昇する送風量比率を把握して揚水比率制御としています。(水温17℃程度で機械攪拌系列で約3倍、超微細系列で約2.5倍で運転中です)
揚水量の少ない早朝では最低風量の限界からDOのアバレが見られますが、通常時間帯は0.5〜0.7程度、アバレの時間帯では2前後のDOです。
硝化運転では酸素供給過剰点から急激にDOの上昇が見られることで必要酸素供給量目安が把握できます。

ご質問での状況ではイニシャル泥様のご回答のとうり、汚泥の保持量を増加させる余裕がまだあるようですので、SRTを大きくする操作の余地があると思います。
不明水の少ない時期ですので、風量制御を比率制御とすることも可能と思います。内生呼吸の小さいこの時期は汚泥保持量を増加させても、このことによる風量増の影響は少ないと思います。

回答に対するお礼・補足

早速のご回答、有難うございます。既設の設備では前段が擬似嫌気の標準法ですので、出来る事から試したい思います。まずはもう少し返送率を上げて、MLSSを持ち上げ、SRTを長くした運転を試したいと思います(自分の一存では決められませんが…)。

No.21533 【A-4】

Re:硝化運転

2007-03-07 22:16:54 風林火山

いつもと運転条件は変えていないのに春先になると何故か水質が悪化すると言う現象、いわゆる誘起水温帯に入ったのかもしれませんね。
確か下水道事業団の報告書で読んだような気がします。
菌や微生物の優占種や組成が変わりやすい水温帯があって、いわこー様の処理場では今の水温がそうなのかもしれませんね。
私の管理する処理場(OD法)は寒冷地にあるため、現在の水温は11度くらいですが、15〜16になると毎年水質が少し下がり気味になります。
処理場の緯度によってその水温帯が違うのかもしれませんね。
回答になってなくてすみません。亜硝酸が増えただけで水質の悪化とは書いてないですからね。ただ、ふと思ったものですから。

回答に対するお礼・補足

ご回答、有難うございます。そのような言葉が有るとは知りませんでした。毎年春先になると「池も花粉症ですかねー?」なんて言ってましたが…春の風物詩とするのは不謹慎でしょうね。

No.21547 【A-5】

Re:硝化運転

2007-03-08 19:49:20 イニシャル泥

春先の生物相の変遷期に見られる現象を『花粉症』と呼ぶのは面白いですね。春先だけでなく、秋から冬の水温下降期にも同じような現象が起きる場合がありますね。処理活性が低下するというよりは、汚泥フロックが分散化して沈降性が劣化したり、上澄みが濁って、見た目が悪くなるという私のイメージです。残念ながら生物相の変遷といっても、活性汚泥中の微生物の構成や比率を調べるのは難しいですから、多くの場合、原生動物相の変遷などから推測で言われているのではないかと思います。近年ではPCR−DGGE法など、直接生物相を調べる方法が出てきましたが、予想に反し、夏、冬でほとんどバンドが変わらなかったりして、まだまだよくわかりません。ただ、通年硝化を行う上で、障壁の一つになることは間違いありません(例えば、アンモニアが残った状態で、処理水が濁ると、急に塩素が効かなくなってN−BODが跳ね上がるなど、油断できないです)。GW明けまでは十分なケアが必用だと思います。

回答に対するお礼・補足

ご回答有難うございます。今、終沈はイニシャル泥様のイメージ通りです。しばらくは池と同様、気分も澄みそうにありません…。

No.21685 【A-6】

Re:硝化運転

2007-03-14 22:33:28 風林火山

どこに片付けたのか忘れ、探すのに手間取り、遅くなりましたがやっと見つけましたので参考までに紹介します。
日本下水道事業団テキスト「下水処理に必要な生物の知識」より関連部分のみ抜粋、原文そのまま。
多くの処理場で春、秋の年2回、流入水質、運転条件等が何ら変化していないにもかかわらず、急に処理水質が悪化することがある。この時期は水温が15〜18℃の頃で、活性汚泥の構成生物に変化が起こる誘起水温帯である。冬は12月頃、高水温に適応していた細菌群が水温の低下とともに増殖速度が落ち、フロッキュレーションが悪くなり処理水中に細菌が流出して処理水質を悪化させることがある。
やがて低水温に適した活性汚泥が生成されると、処理水質も安定してくる。春はこの逆の現象から5月頃に見られる。
SVIがこの時期を境にして夏は低く、冬は高くなることが多い。
この細菌群の構成変化を起こす直接の原因は水温であるが、引き金の役を果たすのは何であるか明確でない。
ある処理場で、ほぼ同一条件にある独立した12槽のエアレーションタンクが、それぞれ数日を前後してこの現象を起こし、すべてが安定するまで3週間近く要したことから、わずかのBOD負荷、エアレーションタンクの溶存酸素、返送汚泥率などの違いによって、このような差が出るものと思われる。
ある処理場では、この時期を前後して、ボルティケラとアスピディスカの変化が図(省略)に示すように起こり、数の逆転を見ている。このときの水温は15℃のときである。ボルティケラとエピスティリスも、夏と冬では数が逆転することから、水温を調べることにより、処理水質の悪化、安定化の時期をある程度推測することが可能である。

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