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環境Q&A

LCA手法の原単位 

登録日: 2008年01月12日 最終回答日:2008年01月19日 エコビジネス LCA

No.26544 2008-01-12 10:55:18 ZWlac4 runn

学校の授業の一環で、LCA手法を用いてある住宅のライフサイクル全体を通して生じる環境影響を評価しようとしている者です。

現在は、住宅運用中のエネルギー消費(電力、ガス、灯油、水道)から生じる環境負荷を評価しようとしているのですが、光熱費から環境負荷を求める場合、原単位に何を使うのが適切かわかりません。とりあえず国立環境研究所の原単位データブックの中から、下に書いた項目の原単位の値を使ってみましたが、これだとどうも電力の原単位が大きすぎる気がします。。

そもそも、光熱費から環境負荷を出すことに無理があるのでしょうか?知っている方いらっしゃいましたらどうかよろしくお願いします。

電力:事業用発電、ガス灯油:石油製品、水道:上水道簡易水道

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No.26555 【A-1】

Re:LCA手法の原単位

2008-01-13 22:58:33 todoroki (ZWl7727

光熱費から環境負荷を直接出すのではないと思いますよ。
自分の家の「○○電力」の伝票(月々の支払い票)を
見たことがありますか?
今月は何kWh(キロワットアワー:エネルギーの単位です)
電力を使ったから×円と書かれているはずです。
その電力の使用量から、環境負荷を出すのです。
続きはまた明日。
(祝日ですが出勤日なので、読むのは夜になります)
できればお礼の欄(らん)に、
・あなたの学年(中2とか、高1とか)
・あなたの住んでいる都道府県
を書いておいてください。
それによってもっと面白い いろんな提案ができますよ。

追伸(手紙などの本文のあとに追加して書くこと)
お礼をしてくれと強制しているのではありません。
このコーナーではそういう名前になっているだけです。
書きたくなければ書かなくても結構です。
話しはこれ以上進まなくなってしまうけど。
私は個人的に「返信欄」の方がいいと思っています。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

自分は今高校2年生で、岩手県に住んでいます。

国立環境研究所の原単位データブックが「購入者価格」ベースとなっていたので、光熱費に直接適用すればいいのかな、と思ってしまったのですが、やっぱりそれぞれの使用量から出すべきなのですね。

No.26562 【A-2】

LCAは簡単じゃないけど・・・

2008-01-14 21:42:46 todoroki (ZWl7727

高2で岩手県在住ですか。
では原単位を語る前に、LCAの基本をさらっと。
課題は「ある住宅」とのことですが、それはどんな住宅ですか?
たとえば一軒家なのかマンションなのかアパートなのか、
家族は何人か、職業(生計)は何なのか、ペットはいるのかいないか、
などなど。
これらによって答えが変わることを覚えておいてください。
また住宅のライフサイクル単位は、少なくとも1年以上になっていますか?
なっていなければ、それは出題者(先生)の責任かもしれませんね。

その上で、現在光熱関連のエネルギー消費から環境影響負荷を
評価しているわけですね。
岩手県だと、一般的な住宅なら東北電力、
ガスはプロパンガス、灯油は近くのガソリンスタンドから
買ってくるとして、水道は市町村の上下水道というところでしょうか?
電力に関して、東北電力のホームページは見てみましたか?
皆さんの家で使う電力1kwhを発電するのに、
どれだけの環境負荷を発生しているのかが載っています。
ぜひCO2だけではなく、他の環境負荷も出せるようがんばってみてください。

もしサイトのURLがわからなかったり、
他の質問がある場合には、返信してください。
こちらからも言い足りなかったり言い忘れたことがあれば、
書き足していきます。

回答に対するお礼・補足

todorokiさん
どうもありがとうございます。

東北電力のホームページで、電力1kwh当たりのCO2排出係数を確認できました。灯油やガスも同様にして求めていくのですね。

住宅のライフサイクルは、「建設から解体まで」と設定されているので、エネルギー消費から排出される環境負荷に関しては、1年分×住宅の寿命で求めるつもりです。

LCAは、設定を間違えると全く意味のない(信頼できない)結果を出してしまいそうで、私にとってはすごく難しいです。
ですがtodorokiさんのご意見を参考に、がんばりたいと思います。ご親切な回答ありがとうございました。

No.26635 【A-3】

ここに気がついたのはすばらしいことです−1

2008-01-19 11:31:51 todoroki (ZWl7727

A−3が遅くなってすいません。
LCAが、設定を間違えると全く意味のない(信頼できない)結果を出してしまうのは、
その通りです。
設定を間違えないようにするにはまず、目的を明確にし、かつ統一しておくことが重要です。
これをLCAでは「Goal and scope definition」(目的及び調査範囲の設定)といいますね。
次に、「System Boundary」 と 「Functional Unit」を考えてみましょう。
前者は、「どこからどこまで、どのようなデータをとってアセスメントしますか?」ということです。
後者はこの課題の場合、「住宅の運用者の日常生活」ということではないでしょうか?
授業の一環でLCAを実施しているとのことでしたが、
もし可能なら、runnさんとそのご家族を住宅の「運用者」のモデルにして、
かんがえてみてはどうでしょうか?

たとえばまったくの空想ですが、
・父 45歳:会社員
・母 40歳:主婦兼パートタイマー(週5日)
・本人17歳:高校2年生
・妹 14歳:中学2年生
・ペット  :アミメニシキヘビ 1匹(常に15℃以上の気温が必要)
・住居   :岩手県○○市の木造2階建て一軒家(4LDK)
など。
このケースで、まず一連LCAをやってみて、何らかの結果が出てきたとします。
そのあとで、「ここをこう変えたらどうなる?」を考える上で、
設定をいろいろ変えてみてはどうでしょうか?
変更例 1)→父の職業を「会社員」→「自営業(精肉店)」や「農業」に変える
変更例 2)→母を「自営業(精肉店)」や「主婦兼農業」に変える
変更例 3)→妹を「姉(大学生)」や「弟(小学5年生)」に変える、
       または本人や妹が毎日の「朝シャン」をやめる
変更例 4)→ペットを飼うのをやめる、または「犬(屋外飼育)」に変える
変更例 5)→住居の場所を「愛知県○○市」に変える
変更例 6)→住居を「アパート」や「マンション」に変える
どれかひとつでもやってみると、その結果が変わることに驚くと思います。
(特に5は光熱の種類や供給者、使い方が変わります)
→2に続きます

No.26636 【A-4】

ここに気がついたのはすばらしいことです−2

2008-01-19 11:39:45 todoroki (ZWl7727

−1からの続きです。
−1の変更例を考える時、
最初に決めた「Goal and scope definition」,
「System Boundary」,「Functional Unit」を、
変更した部分以外一定にしておかないと、
全く意味のない(信頼できない)結果になってしまうのです。
これらの作業を、LCAの中では「Interpretation(結果の解釈)」と
呼んでいます。

ざっと書いてみましたが、イメージが膨らむのに役立ちましたか?
わからないことがあったら、また返信してください。
(回答が遅くなるのは勘弁してください)

(参考になる団体,研究者,文献)
住宅のLCAに関する論文例→http://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/2002/g5/M/1055018.pdf

いずれもLCAの研究に関して、代表的な機関,研究所,研究者の方々です
日本LCA学会 →http://ilcaj.sntt.or.jp/lcahp/workshop2005.htm
産業環境管理協会→http://www.jemai.or.jp/lcaforum/seminar/02_01.cfm
住宅のLCAに関する研究者のコメント→http://www.yokohama-mot.jp/hondo/hiroki/digest_j_v4.pdf
LCAに関する大学の研究室→http://www.yc.musashi-tech.ac.jp/~itsubo-lab/index/index.html
LCAに関する研究所→https://unit.aist.go.jp/lca-center/ci/index.html

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