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環境Q&A

ビールが地球温暖化に一役。 

登録日: 2001年07月26日 最終回答日:2001年08月01日 地球環境 地球温暖化

No.267 2001-07-26 16:40:01 神奈川 高松

タイトル通り、ビールなどの炭酸飲料には相当量の炭酸ガスが含有されており、開栓すれば飲もうがそのままにしておこうが、大気に排出されます。しかもその消費量たるや全世界ではとんでもない量なのですが、こと食料・飲料になる場合には「タブー」なのでしょうか。

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No.281 【A-1】

Re:ビールが地球温暖化に一役。

2001-08-01 17:03:51 東京都 / 君山銀針

数年前キリンビールの環境報告書の中でも「げっぷ」の問題が言及されていました。
「生産から醸造、物流、消費までの各段階におけるCO2排出量は、醸造中の加熱処理で使うボイラーからが最も多く、げっぷは堂々たる第二位で、ビール関連で出るCO2の二割ほどを占めている」そうです。
(ビールに限らず炭酸飲料全体に関係しますが)

二酸化炭素以外の温室効果ガスの1つ メタンについても牛のげっぷの温暖化への影響が指摘されています。

メタンの年間の総発生量は、湿地からの自然発生が最も多いそうですが、半数以上は、石炭・天然ガス・石油の発掘・輸送・使用時の漏れ、廃棄物埋立て地、水田などから発生など人為的要因によっています。
また、反芻動物、家畜排泄物など農業生態系からの発生もかなりの割合にのぼり、IPCCの1992年の報告では反芻動物(牛など)のげっぷによるものがメタン排出量の15.5%を占めています。

先進国の人間が近代的な牧畜により牛肉を育て大量に食べるようになったことで、1940年代からの20年間、世界の牛とめん羊の頭数は年間2%の割合で増加しており、げっぷもそれにつれて増加したと考えられます。
牛の飼料の栽培のための穀物消費も格段に増えており、その栽培にかかるエネルギー消費や森林が牧畜のためにつぶされる、といった環境影響も考えられますが、「牛肉を食べるのをやめよう」というキャンペーンは一部にはあっても、大きな運動にはなっていません。

タブーではないのですが、1人1人の行動が積み重なっていることだけに、ビールを飲むこと、牛肉をたべること自体の禁止を「強制」することは難しいと思います。冷房を使わない、自動車に乗らないなどと同様、環境保全行動のメニューに加えるというほうが現実的ですが、そういうメニューを実践することも大変難しいことですね。

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