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環境Q&A

JARUS-IIIでの硝化促進運転 

登録日: 2008年11月10日 最終回答日:2008年11月29日 水・土壌環境 水質汚濁

No.30249 2008-11-10 17:37:40 ZWl9611 TR

OD法、長時間ばっ気法、接触ばっ気法について、
下水道維持管理指針等によれば、
小規模の水処理施設で用いられるこれらの方法は、
一般的にSRTが長くなり、硝化が進みやすい。
そのため、できるだけ硝化を促進する。(だまっていても、硝化促進運転になる。)
と解釈していました。

しかし、当方での、JARUS-IIIの施設(設計流量160m3、現在流量90m3)は、
全くといっていいほど、硝化が進んでいません。
T-Nで30mg/L 以上で、その殆どがアンモニア性窒素で止まっています。
そのせいか、透視度は良い(50cm以上)のですが、
BODは30mg/L以上になることもあるようです。

確かに、窒素除去を目的とした施設ではないと思っていましたが、
これほどまでに除去できないのなのでしょうか。

同様に、JARUS-Iの施設も窒素除去ができていないようでした。
この頃のJARUS施設では、硝化促進運転は困難なのでしょうか。

また、これらの施設で、硝化促進運転を行おうとするには、
どのように制御するのが良いのでしょうか。

質問疑問がいっぱいですが、ご助言をください。

総件数 7 件  page 1/1   

No.30260 【A-1】

Re:JARUS-IIIでの硝化促進運転

2008-11-11 12:23:03 イニシャル泥 (ZWl8133

硝化を阻害するようなものが流入するケースを除き、設計水量の6割の負荷ですので、ろ材の閉塞やDO不足も考えにくく、条件的には硝化してもおかしくないと思います。逆に低負荷あるいは夜間の水量減などで、剥離が進み、生物膜の安定保持が困難になっているのではないでしょうか?
だとすれば、過少負荷時の曝気を抑えるなどして、剥離を防ぐか、剥離汚泥を強制的に返送して、浮遊汚泥として確保するなどの方法が考えられます。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。
剥離が進みとは、逆洗のしすぎとかではなくて、通常のばっ気の中で剥がれる
ということですよね?
そこまで、ばっ気強度が無い(空気倍率で1.2〜1.5)と思うのですが、低負荷時には剥がれやすくなるということでしょうか?

やっぱり、疑問質問ばかりになってしまいました。

No.30274 【A-2】

Re:JARUS-IIIでの硝化促進運転

2008-11-12 19:50:23 papa (ZWlbd18

JV施設で硝化運転されている施設は、濾材を撤去したり、第二嫌気濾床を改造して長時間ばっきに改造したケースでは見たことがあります。設計どおりの施設で硝化運転を行っている施設は今まで見たことがありません。現象面からの推定ですが、その理由は
@接触ばっき槽の滞留時間が少ない(嫌気濾床の除去率が設計上考慮されている)
A供用後の運用期間が長くなると接触材が閉塞してばっき槽の実効容量が減少するとともに汚泥保持量が減少し、硝化細菌を保持できない。
B第二嫌気濾床移流水の溶解性BOD、硫化水素濃度が高く、第一接触ばっき槽に好気性微生物が増殖しにくく、イオウ細菌が接触材に繁殖しているケースが多い。
C供用後の運用期間が長くなると嫌気濾床が閉塞する。
無理をするとpH低下でコンクリートの腐食が進んだり、硝化液循環型の脱窒では脱窒率の限界があり排水基準違反となることがあります。また、循環比率を大きくすると嫌気濾床の機能が低下し更に処理機能が低下します。設計に見込んでない運転操作はハイリスクです。
脱窒は好気性細菌の硝酸呼吸を利用しているので好気処理無酸素条件運転と考えたほうがいいと思います。嫌気濾床に硝化液循環を行おうとすることは、脱窒のプロセスを誤解しており、設計上も運転上も無理があります。比較的容易に嫌気濾床の汚泥引き抜きや清掃が可能な合併浄化槽のスケールアップを安易に行った設計上の問題があることを指摘しておきます。
しばらく前に「機能強化」と称する修繕工事の現場を拝見したことがありますが、微細目除塵機があっても、取り出した濾床はしさや毛髪で完全に閉塞していました。
JVの設計ではどうやっても硝化運転は難しいと思います。JVの処理障害についてアドバイスを頼まれ、初めから「諦めてください」と返事をしたことがあります。JVの改築更新は今後の大きな課題と思います

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

これらの施設では、原則、硝化運転はあきらめたほうが良いということでしょうか。
ということは、なるべく硝化をさせないレベルで止めてやることが必要になるのですね。

No.30279 【A-3】

Re:JARUS-IIIでの硝化促進運転

2008-11-12 21:58:30 風林火山 (ZWl8e32

 曝気強度1.2〜1.5と書かれていますが、実際のDOはどの程度なのでしょうか。また曝気サイクルはどのようにしているのでしょうか。
 またこの現象は2,3ヶ月くらい前からなのでしょうか、もっと前から続いているのでしょうか?
 完成図書のカタログデータを鵜呑みにして、机上で曝気量を決めても実際は不足しているということも十分考えられます。
 もし、実測値が思ったほど高くなければ暫く曝気量を増やし、流速を速くしてみてください。速くすると最初は汚泥が剥離しますが、その流速に耐える生物膜が付いてきます。
 
 以前、私はミジンコの件で質問をしたことがあります。
 http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=21387
その時もJARUSVでミジンコが発生する前でもやはりBOD,窒素は高かったようです。

 (社)地域資源循環技術センター(旧農業集落排水協会)では機能増強業務の委託を受けてV型から]WG型への変更を積極的に行っていることから、やはりT型、V型では限界があると思っているのでしょう。

 電話をするのが億劫でなければ、直接JARUSに問い合わせれば、アドバイスしてくれますので相談してみることをお勧めします。

 もう一つの質問については、papa様の回答に加えることはありません。

 

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

DOは1室で4mg/L程度、2室で5・5mg/L程度もでています。
ばっ気サイクルは、24時間かけっぱなしです。流量調整槽があり、6m3/hぐらいの量で送っています。

JARUSに電話してみるのもいいのですが、その施設なら機能強化してください。みたいな事を言われるのが・・・なんて考えてしまいます。
当方では、施設機能強化なんて基本的に出来るものではないので、現状の施設をいかに運転するかを考えています。

でも、JARUSも困ったものを設計してしまったものです。

No.30291 【A-4】

Re:JARUS-IIIでの硝化促進運転

2008-11-13 20:42:45 イニシャル泥 (ZWl8133

この夏に見たJARUS-Vの施設では
臭気対策で、春に嫌気ろ床の2/3を好気処理に
切り替えてから、水質が劣化したまま、一向に回復しないという
状況でした。
好気部のみのHRTが1日以上でBODが残り、水量ピーク時の処理水は
一見透明ですが、し尿臭がやや感じられるという状態でした。
DOも十分で、条件的には問題なく、ろ材に汚泥が着かない状況
だったと考えられます。

papa氏の話では、根本的にJARUS-Vでは難しいようですので、
ちょっとトーンダウンしましたが、水量変動に応じて、
曝気強度を調整し、積極的に生物膜量の確保を図ることを
一度検討されてはいかがかと思います。
ちなみに概ねDO2以上で呼吸速度は頭打ちになりますので、
必要以上に高いDOを確保しないようにすると、夜間などは
ほとんど曝気停止に近いぐらいの量になると思います。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。

水質変動に応じてばっ気強度の調整っていうのは難しそうですが、
生物膜量の確保は検討していきたいです。

No.30308 【A-5】

Re:JARUS-IIIでの硝化促進運転

2008-11-14 19:36:02 papa (ZWlbd18

>DOは1室で4mg/L程度、2室で5・5mg/L程度もでています。
この程度の送気倍率でこれほどのDOとなるなら、好気性の生物量が極端に少ないか、好気槽の接触材が閉塞している可能性があります。
逆洗をかけてみて剥離汚泥の状態を検鏡してみる必要があると思います。以前このQAで質問したことがありますが、イオウ細菌が活性汚泥のように剥離してくる合併浄化槽がありました。これでもそこそこBODは除去できておりさほど悲惨な処理水というわけではありませんでした。

一般的には、接触ばっ気槽の流速は30cm/sec程度が必要と、ある浄化槽メーカーの開発担当者から聞いたことがあります。生物膜の厚さは数ミリあれば十分で、流速でどんどん剥離させて生物膜の更新を進めたほうがよいといわれました。正しいアドバイスかを検証したことがないので断言できませんが、こういった考え方のメーカー技術者もおられたことを紹介しておきます。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。

イオウ細菌ですか・・・そういえば、剥離汚泥が大目のような気がします。
生物膜の更新を勧めると、汚泥量が多くなりそうですね。

No.30314 【A-6】

Re:JARUS-IIIでの硝化促進運転

2008-11-14 23:05:32 風林火山 (ZWl8e32

T型、V型の良くない面が出てしまい悲観的になっていると思います。しかし、V型でもなかなかの水質を確保しているところも沢山ありますし、委託を受けた以上はとりあえず結果は出さなければなりませんので辛いところです。
 酸素は十分有る、負荷は低い、水温もまだ18度くらいはあるのにそれでも硝化が進まない。となれば次に考えるのが亜硝酸菌、硝酸菌がいないの?ということです。
 いないなら他所から持ってきて試してみませんか?
 硝化が順調に進んでいて放流水質の良い浄化槽(出来れば長時間ばっき方式)から持ってきます。といっても浮遊汚泥を投入するわけにはいかないのでばっき停止時の上澄水または沈殿槽の上澄水をローリータンクにポンプアップし、何度かV型に投入してみてはどうでしょう?
 その上でばっきを間欠運転にし、4時間程度の停止を2回ほど作ってみてメリハリをつけてみるのも良いと思います。
 私自身やったこともありませんので効果の程は全く未知数です。
 何を今更バカな提案をするんだと思うでしょうが、何かしなければ前に進みませんし、ローリータンクさえ持っていればお金を掛けずに出来ることです。また電気代は安くなり、委託者も喜びます。
 やってダメだったら次を考えましょう。
 でも上司に却下されますか・・
 
 
 
 

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。

ローリータンクでシーデング(?)ですか。
面白い考え方ですね。
上司に隠れて、ひっそりとやってみようかな・・・
すぐにバレそうですが。

No.30444 【A-7】

Re:JARUS-IIIでの硝化促進運転

2008-11-29 02:10:51 ライトゲージ (ZWlbe8

 曝気槽の逆洗は、どの位の頻度で実施されているのでしょうか?

回答に対するお礼・補足

回答が送れて申し訳ありません。

逆洗は2〜3ヶ月に1回ぐらいの頻度です。

そろそろ、水温も15度を切り、低くなってきたため、
なんだか管理が難しくなってきました。
最近は、CODが高め(30mg/L)で処理水もなんだか黄色がかっています。
窒素除去じゃなくて、通常の除去性能も怪しくなってきました。
踏ん張りどころです・・・。

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