一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

「水質」「底質」とは 

登録日: 2003年08月31日 最終回答日:2003年09月03日 環境一般 調査/研究

No.3362 2003-08-31 20:36:30 西宮市民

 「水質」や「底質」とは,「水」や「底泥」そのものを指し示す言葉なのでしょうか。

 私は,「河川(水)の水質」などと云う表現の様に,「水や底泥の分析をして得られる,検体に備わった物理化学的諸性質」を示すものとばかり考えていたのですが,「水質中(あるいは底質中)ダイオキシン濃度」などと云う表現に出くわすと戸惑ってしまいます。これらは,「水試料」および「底泥試料」そのものを指しているようです。
 「水質の検査」という表現は,「水の物理化学的特性を調べること」と受け取れるのですが,単に「水試料を検査すること」の意味で使われているのかもしれません。「水質の改善」の場合,本来は「質の改善」の筈ですが,「改善の対象が水」であることを示しただけとも受け取れ,これらは境界領域的使用法と思われます。
 このように,どちらでもいける表現や使用例が多いので,あまり意識されることなく使用されているのかもしれません。しかし,「水質中」あるいは「底質中ダイオキシン濃度」などと云う表現は誤用ではありませんか。

 今更聞けない,お間抜け質問かもしれませんが,宜しくお願いします。

総件数 4 件  page 1/1   

No.3368 【A-1】

Re:「水質」「底質」とは

2003-09-01 19:00:55 北海道 / きた

> 「水質」や「底質」とは,「水」や「底泥」そのものを指し示す言葉なのでしょうか。

そのとおりに使っています。
業界に入って、なんとなく理解している用語の一つですが、いくつか規定しがたい用語があります。
「大気中の・・・」といえば、大気の中に含まれる・・・という語感もありますが、「水中の・・・」と言えば位置を説明していると受け取られるからでしょうか。
水自体の質を測定することでなく、水以外の物質等を測定することを「水質測定」というのですから、短い言葉で科学的に規定した用語というものは難しいのではないかと思っています。

回答に対するお礼・補足

 早速ありがとうございました。「水に含まれる,水以外の物質を測定する」ことが水質測定と云う発想は今までありませんでした。参考になります。
 でも,まだ釈然としません。水に含まれる物質に由来する水の性質を総じて,水質と表現するように思うのです。私の語感の方が変でしょうか?すみません,しつこくて。

No.3373 【A-2】

Re:「水質」「底質」とは

2003-09-02 15:38:51 東京都 / やま

勝手ながら私見を書きます。
水質の「質」と底質の「質」は少し意味が違うように思います。

まず質問者は「質」を最初「性質」ととらえていたようですが、自然状態の水の物理化学的性質は、調べるほどの変化はありませんので、水質とは「水の品質」を意味するとした方がわかりやすくなります。

一方底質のほうは「物質」の「質」で、「中身」のことを指すように思います。

同じような単語でも違った使われ方をされているということです。(それぞれ国語辞典に出ています)
こう考えると、「底質中の有害物質」はよいのですが「水質中の」というのはよくないことになり、一般的にも「水中の」といっているように思います。

回答に対するお礼・補足

回答どうもありがとうございました。

> 水質とは「水の品質」を意味する
これはよく分かります。私も,「水の品質」のイメージで書き込みをしていました。

> 水質の「質」と底質の「質」は少し意味が違う
確かにそうなんですね。「大阪湾の水質」と云う表現の場合,物体としての「水」ではなく「水の品質」を指し示しています。
また,分析マニュアルなどには,「底質の採取」と云う表現がでてきますが,「水質の採取」とは絶対に言わないですよね。(私としては「底泥の採取」と表現してほしいのですが...)

そこで問題は,
> 「底質中の有害物質」はよいのですが「水質中の」というのはよくない
ことですね。

ダイオキシン類の環境基準などでは,「水質」は「底質」と同列の扱いになってるように思うのです。どうなのでしょう,その辺り。

No.3378 【A-3】

Re:「水質」「底質」とは

2003-09-02 21:35:38 北海道 / きた

あまり深く考えて用いられているとは思いません。
「大気汚染防止法」であり大気質汚染防止法でないこと、水質保全法でなく水質汚濁防止法であること、水の分析を「水分」分析(測定)ということなどを考えると、一定した使い方をしていないのではないかという気がします。
いずれも、本文を見れば何を言いたいのか分かるので疑問とはなりにくいのではないでしょうか。
「水」一文字ではすわりが悪く「水質」とし、「大気」は二文字でそのままで「大気質」としないのではと思います。
底質は水質に含まれるかそれに近く、また一文字なので「底質」となりやすく、「底泥」であれば底泥質とはなりにくいのではないでしょうか。
自然科学ではなくまりましたが、日本語の問題もからんでいると考えています。

回答に対するお礼・補足

回答どうもありがとうございました

>あまり深く考えて用いられているとは思いません
そうなのでしょうね。

単に,私の粗末な日本語の語感に馴染めないだけのような気もしてきました。
対象物を表すのに「底泥」や「底質」はOKだったのですが,「水質」だけは拒絶反応をするのです。「水質」は,水の「品質」を表す言葉であり,対象物としては「水」でなくてはならないと今も思っています。

>自然科学ではなくまりましたが
そう。言葉の誤用ではないかと考え,最初は環境省HPのMOEメールに政策提言として投書したのですが,当然の如く「なしのつぶて」でしたので,こちらに乱入したのでした。大変お邪魔しました。
でも,勉強になりました。

ところで,メールサーバーあるいは皆さんのPCの時計狂っていませんか?まだ,9月02日ですけど。

No.3380 【A-4】

Re:「水質」「底質」とは

2003-09-03 10:59:43 LP

水質=「水や底泥の分析をして得られる,検体に備わった物理化学的諸性質」がそれぞれある値をもつこと。
水質中〜=その値の中で〜

というように理解しております。

上手な例を示せませんが人間にあてはめてみると
(個人の)資質=人間のもつ多様な社会的身体的諸特性が(対象個人において)ある性状を示していること
(個人の)資質中〜=その(個人の中で)諸特性のなかで〜
というように日本語的にも特殊な用法ではないように思えます。

蛇足ですが「水質が良い」という絶対的なものはないと思います。どのような用途を想定するかで「適するか,適しないか」の判断がわかれます。ミネラル分がまったく含まれていない蒸留水が飲用に必ずしも良いものではありませんし,人体にとって毒なものが含まれていても機械を腐食することがなければ「工業的に適する」ということもあります。
人間も同じですね。企業人として立派でも家庭ではダメ人間というのがいっぱいいますし,逆もいます。

回答に対するお礼・補足

回答どうもありがとうございました

>水質中〜=その値の中で〜
むう。これは新しい見解ですね。これも,「水質」を「水の品質」と捉える考え方ですね。LPさんの見解はある程度わかります。
でも,私は,環境省の使い方が「水質」をモノとしての「水」を表している様に見える,と云うところに引っかかっているのです。
一度,環境省の方の見解を伺ってみたいものだと思います。

総件数 4 件  page 1/1