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環境Q&A

フレームレス原子吸光法−妨害物質 

登録日: 2010年06月10日 最終回答日:2010年07月01日 水・土壌環境 水質汚濁

No.34965 2010-06-10 01:33:07 ZWld23d 水質初心者

排水のCd・Pbをフレームレスで分析しているのですが、
Cd・Pbは妨害を受けやすいと聞きます。
そのため、標準添加法やバックグラウンド補正、溶媒抽出等が
行われていると思うんです。
なぜ妨害を受けやすく、どのような理由の妨害が多いのでしょうか?

@フレームレス自体が妨害を受けやすいのですかね?
(炉内への注入量の少なさと感度が高いことによる影響など…
 Cd・Pbによらず他の金属元素でも妨害が多いですか?)

ACd・Pbの測定波長周辺に吸収波長をもつ妨害物質には
 どんなものがあるでしょうか?
 (海水を直接測定すると吸光度低下を招きますが塩素の影響…?)

Bその他なにかあればよろしくお願いします。

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No.34980 【A-1】

Re:フレームレス原子吸光法−妨害物質

2010-06-13 09:33:15 たそがれ (ZWla61d

この分野、過去に何度も出てきたことで回答者がやや息切れしているようです。また、現在優秀な回答者が数人遠ざかっているのも残念なことです。

「Cd・Pbの測定波長周辺に吸収波長をもつ妨害物質には
 どんなものがあるでしょうか?」  ですか

このような整理ができる人なのになんでもいいから回答を・・・
というのも不思議なバランス感覚だと思うんです。

繰り返し精度の問題は干渉による偏りとは分けて考えるべきです。

一人が回答するとカウンター攻撃(笑)のように次の回答が着きやすいのですが、分析とはこの先付き合っていくわけですよね。
このようなQ&Aサイト、あるいはQ&A書籍ではなく、分析の入門書で対象機器の原理、分析にあたっての干渉、及びその対策を整理することをお勧めします。

時間をおいてまた回答しますが、他の方の回答も期待します。

回答に対するお礼・補足

たそがれさん、火鼠さん回答ありがとうございます。
いろいろと書籍をみているところなんですが、細かいことを書いてある本にたどりつけません。本を読んでいて思ったのですが、原子吸光の歴史は長いけどまだ未確定な部分も多いように感じました。
塩の影響による光散乱によるもの、D2補正する場合ではFeの近接線をひろってしまう等は本で見ました。
光散乱によるものなら、吸光度としては高くなりますよね?海水の吸光度が低くなるのは粘性の他にも理由があるはずと思いまして…
取説にも細かくは書いてなかったと思うんですが、もう一度確認してみます。

No.34985 【A-2】

妨害を受けない分析ってあるの?

2010-06-14 17:25:58 火鼠 (ZWl8329

聞けば良いって設問ではないのでは?
原子吸光なんて、はるか昔の機器であり、文献は山のようにあるでしょうに?
フレームレスを選定した理由?
1.感度が上がるから? なんで? フレームなしになるからなんたら
2・妨害が少なくなる?   水がないから。OHの影響?
3・侠雑物がなくなる?

逆な問題
フレームレスで分析すると。
1.ものはあるのに測定値がなくなる。
2.とんでもない数値になる。

初心者って書けばいいってものではないのでは?
原子吸光の関係書籍読みたくないのなら
少しは、機器の取扱説明書読み直したら?
きっと、基本説明はあると思います。
たしか。各メーカあったと思います。あっしが知ってる範囲では6社

No.35077 【A-3】

Re:フレームレス原子吸光法−妨害物質

2010-06-26 16:49:52 たそがれ (ZWla61d

けちばかりつけてまともな回答をしていませんので少し書き込ませていただきます。
フレームレス全般の特性について回答を求めておられるようですが、まったくの書籍代行になってしまい、回答者は途方にくれてしまいます。
そこで、ひとつの側面として海水直接噴霧した時の不具合を例に考えていくことにします。
確かにまだわかっていないこと、理論通りに行かないことも事実です。
しかし、最初からそう考えるのではなくセオリーから例外に・・・という順序で考えていくことが重要だと思います。
カドミウムや鉛は海水そのままではほぼ不具合が出ますが塩化物の影響が大きいです。カドミウムや鉛の塩化物は沸点、融点が低いため灰化時での揮散があります。(化学干渉)
フレームレスでは塩酸酸性でうちこんではいけない、というのも同様な理由です。
対策としてはマトリックスモディファイアの添加(原理は書籍で勉強してください、また、このサイトでも何度か出ています)、マトリックスマッチング、標準添加法があります。
また、溶液の粘性が高いですので注入ノズルに残留する可能性があります。それと、標準との粘性の違いからチューブ内での試料の拡散状態も違ってきます。これは塩化物だけでなく総塩濃度、酸濃度の違い等すべてが原因となります。(物理干渉)
これにもマトリックスのマッチング、標準添加等が必要です。
まだありますよ。近接線の影響を心配されていたようですがそれより、D2補正をしてもバックグラウンドを取りきれないはずです。(分光干渉)

結論めいたことを言うと私の経験では海水は10倍程度希釈しないと難しいように思います。その上で硝酸パラジウム等(マトリックスモディファイア)の添加と標準添加法は必ず併用する。
当然、希釈により定量下限が上がりますので検体の数にもよりますがCd、Pbに限るならキレート抽出をしてしまった方が楽です。

D2補正方式ということですが、島○製作所製でしょうか。
上記のメーカーでは「原子吸光とICPの上手な使い方」というセミナーを毎年行っていますが、大変わかりやすくお勧めです。

また、書籍のことを言うと専門書ではなく機器メーカーのセミナー用テキスト程度が最もわかりやすいようです。

回答に対するお礼・補足

丁寧な解説・経験談を紹介していただきありがとうございます。
メーカーのセミナーテキストも入手し、熟読しました。
たそがれさんがおっしゃる通りの内容で、物理干渉、化学干渉、分光干渉についても書かれています。
それでもなお疑問に思います。
ここでは大分お叱りを受けトラウマになり質問しにくいのですが…
JISでもCd・Pbだけが標準添加法を義務づけられ、なにか特別なものに感じます。
他の元素でも上記の干渉は起こると思うんですけど、他の元素に比べCd・Pbが妨害を受けやすいと言われるゆえんは何かなと思いました。
たそがれさんの回答で、この答えが書かれていたら申し訳ありません。
もっと勉強します

No.35104 【A-4】

Re:フレームレス原子吸光法−妨害物質

2010-07-01 06:02:27 たそがれ (ZWla61d

貴殿の言われるJISとは「JIS k0102 工場排水試験方法」のことでしょうか。
だとすると、検査項目の下あたりに「定量範囲 ○〜○μg/L」と出ているのを確認してみることです。これが低ければ検体の濃度がどうであれ低い濃度で検量線を引くということになります。
一方、排水基準はどうですか。もう経験はあるはずです。
A-3に書き込んだように鉛は塩化物をはじめとする塩類と低沸点化合物を形成し揮散し易いというのが一つの原因ですが、銅や亜鉛だってそれほど変わらないのです。しかし、前処理を終えた時点で濃縮率(希釈率)はどうなっていますか。排水基準から割り出した希釈をする必要があります。一方、カドミウムや鉛は希釈では苦しいはず。だから塩類の影響が大きく、標準添加が課せられているのです。
裏を返せば塩が濃ければ銅や鉛だってなんとかしてね、ということになります。

回答に対するお礼・補足

たそがれさんありがとうございます、そういうことだったんですね。
排水基準ではCd・Pbは低く、それに比べCu・Zn等は高い基準ですもんね。
私共もCd・Pbは濃縮して測定しています。
定量下限値が低い程、濃縮操作が必要になっていき、
その結果、塩の影響を受けやすい状態になっているということがわかりました。
とても勉強になりました。
複数回にわたってありがとうございました。

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