一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

漬物工場の排水について 

登録日: 2003年10月28日 最終回答日:2003年11月01日 水・土壌環境 水質汚濁

No.3791 2003-10-28 14:41:24 アギト

こんにちは。小規模な下水道処理場の事務をしているものです。
漬物工場の排水について教えてください。
漬物工場の排水を下水道へ排除する場合に、条例などで基準が定められていますが、塩素イオン濃度については特に規制がありません。
BODなどは基準値以内であるが塩素イオン濃度が10,000mg/lを超える排水を大量に処理場で受け入れた場合に、小規模の処理場ではその排水の占める割合が大きいことから、機器類の劣化や水処理に影響を与えるのではないと心配しています。
塩素イオン濃度についても規制してもいいのではないかと思いますが、どんなものでしょうか?

総件数 6 件  page 1/1   

No.3800 【A-1】

Re:漬物工場の排水について

2003-10-28 18:25:43 papa

>漬物工場の排水について教えてください。

最近は原料を中国などからの塩蔵品とするケースが多く、脱塩処理してから加工する例が増えています。
工程排水では塩類濃度が高く、塩蔵品でも発酵による有機酸濃度が高いため溶解性BODの高いことがあるので、排水の外観では判断することが難しく、受け入れ側では注意が必要です。

漬け物工場の自社排水処理施設でも処理ができていることを考えると処理工程に与える影響は限定的なものと思います。
機器の劣化については、JS仕様の処理場なら耐食性は十分考えられているので支障はないと思います。
硫酸塩濃度の高い排水が流入する場合は、管渠内の生物反応で生成する硫化水素腐食などを考慮する必要があると思いますが、食塩ではそのような心配はありません。

処理とは関係ありませんが、地球上の物質循環を考えると、もともと海水から採取された食塩は海に帰すのが当然です。除去することは物質循環を阻害するものです。処理に重大な障害のない限り規制すべき物質とは考えられません。

No.3802 【A-2】

Re:漬物工場の排水について

2003-10-28 18:57:30 東京都 / ちしゃ

塩分規制については
Q.河川に放流する塩濃度について
下水処理に影響を与える塩分濃度は?
http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=1084 に
君山銀針さんの回答がありますが、
海水の流入と区別がつけにくいなどの理由で、
特に基準が設定されていないようです。

また ここからリンクされている
横浜市 下水処理に影響を与える塩分濃度は?
の回答では塩化物イオン濃度で1000mg/リットル以上になると
下水処理場の活性汚泥に影響があるとの情報があります。

No.3807 【A-3】

Re:漬物工場の排水について

2003-10-29 09:55:54 クマムシ


>BODなどは基準値以内であるが塩素イオン濃度が10,000mg/lを超える排水・・・・

活性汚泥処理法には、海水希釈法もあります

回答に対するお礼・補足

papaさん、ちしゃさん、クマムシさんありがとうございます。大変参考になりました。

No.3840 【A-4】

Re:漬物工場の排水について

2003-10-30 22:45:55 神奈川県 / あめんぼう

>塩素イオン濃度についても規制してもいいのではないか・・

 現行の下水道法は塩素イオン濃度に規制をかけていませんし、また条例で除害施設の設置基準を定めることも許してはいません。しかしアギトさんが危惧されるとおり多量の塩素イオンはいろいろなところで悪さをすることは事実です。私の所でもある時、海にほど近い河川の工事を行っている業者が重機で伏越管に損傷を与え、大量の海水の侵入にみまわれたときがありました。処理場流入水の塩素イオン濃度は600〜1200mg/L(普段は50mg/L前後)となりそれは2週間ほど続きました。事故当初、2沈(最終沈殿地)は解体した活性汚泥が全面に浮上し、処理困難に陥りました。活性汚泥は比較的塩素イオンには訓治し易く、1週間ほどでその濃度の塩素イオンに対応できるようにはなりましたが。
 高塩素イオン濃度排水を排除する事業場には、当方では次のように対処した例があります。
 漬物屋・・・調整池を設けてもらい、通日一定流量の排除をお願いしました。
 殆ど海水の温泉・・・連続して揚水し使用するとのことだったので流量調整はできているとし、そのまま排除させました。
 水族館・・・沖合から専用配管で給水し、オーバーフロー水を同様に沖合に排水するとのことでしたのでこれを認めました(但しこれには疑義が残りましたが)。
 要は、急激な処理場流入下水への濃度変化をさけることが肝要です。現行法令では、超高濃度塩素イオン排水の排除を拒否できません。

回答に対するお礼・補足

あめんぼうさんありがとうございます。
あめんぼうさんが対処された漬物屋の調整池は、汚水を希釈するような池なのでしょうか?

No.3855 【A-5】

Re:漬物工場の排水について

2003-11-01 11:57:26 神奈川県 / あめんぼう

>漬物屋の調整池は、汚水を希釈するような池なのでしょうか?

表現が不適切でした。水量変動を緩衝するための調整タンク、つまりただの大きなタンクです。これに小さな揚水ポンプ(水中ポンプ)を設置させ、できるだけ長い時間均一に下水に排除させました。本件に限らず希釈は基本的に指導していません。使用者に下水道使用料金の点で負担になることと、故意、または過失で希釈が止まったときの影響を危惧するからです。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。

No.3859 【A-6】

Re:漬物工場の排水について

2003-11-01 23:08:43 山形県 / いちこつ

 こんにちわ。私も下水道処理場に勤務しています。水処理に関しては、他の方の回答と同様であります。 し尿の無希釈処理では、塩素イオンが数千mg/lありますが異常無く生物処理していますし、漬物工場で生物処理による排水設備で処理し、問題無く河川放流している実例も多くあります。流入水の塩素イオン濃度の極端な変化を緩和できれば下水処理施設での処理は可能です。
 一方、機器の劣化については注意する必要があります。私の勤務する処理場でも塩素イオンを含め塩濃度が高く、BODの値が低い(80程度)工場排水を受け入れていたことがあり、最終沈殿地の汚泥かき寄せ機のチェーン(鉄製)が数年で腐食し、プラスチック製のものに交換した経験があります。また、電食も発生しやすくなりますので、アルミ板などを設置し、腐食防止対策を行う必要が生じるかもしれません。いずれにしても、定期的な点検で、腐食等の発生を確認しておくことが必要です。

総件数 6 件  page 1/1