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環境Q&A

清掃、収集、運搬の境界(違い)は何なのでしょう? 

登録日: 2012年02月22日 最終回答日:2012年03月02日 ごみ・リサイクル その他(ごみ・リサイクル)

No.38092 2012-02-22 20:03:04 ZWl3b51 万田力

 環境省(発出の時点では厚生省)の通知では、「構内横持ち(=事業所内での移動)」も収集運搬の許可がいるとされていました。
 とすると、ビルの清掃業者が普通に行っている行為、即ち事務所内のごみ箱の中身を一カ所に集める行為だけでなく、掃き掃除をして集まったごみを集積場所に移動する行為も、現実的ではありませんが、一般廃棄物か産業廃棄物の区別はともかく収集運搬の許可がいることになります。
 また、運搬を伴わない積替保管のみの許可は不可という通知もありますので、「収集運搬業の許可」の中の「収集」と「運搬」とは別物だということはわかるのですが、前述の「運搬を伴わない清掃」と同様、「運搬を伴わない収集」というのがあるのだろうか?
 言葉遊びのようですが、30数年来の積年の疑問です。
 どなたか明確な説明のできる方がおられましたならご教示ください。


 上記は、ボランティアの方や介護保険で派遣されたヘルパーさんが家庭ごみを収集ステーションに出す行為は無許可収集運搬業に該当するという話を小耳に挟んだことからの質問です。
 一体、どこからどこまでが清掃あるいは収集か?許可のいる収集又は運搬とはどこからなのか?まさか、掃き集めをごみ箱まで持って行くのは収集や運搬では無いですよね?ということです。

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No.38093 【A-1】

明確な説明等できる人はいないとは思いますが・・・

2012-02-23 08:45:06 たる吉 (ZWl47e

以前,万田力さまがおっしゃっていた,卵と鶏の話があったと思いますが,原則論として「設備なくして業許可なし」なる運用があるかと思います。

気にされている点が,「業許可が必要なのか」という点に限れば,設備(車両等)を有しない所謂,「手収集・手運搬」に関して「業の許可が必要」なる解釈(運用)がされるわけが無く,積替え保管場における手選別の如く,このポイントがおっしゃるところの「収集・運搬」と「清掃」の境目となるのではないでしょうか?

回答に対するお礼・補足

 たる吉様

 回答ありがとうございます。

> 「設備なくして業許可なし」なる運用があるかと思います。

についてですが、施設に関する許可の基準は

> 一般廃棄物(又は産業廃棄物)が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること。

ですから、「飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれ」のない運搬容器=市町村指定のごみ袋でも許可はできるかと思います。
 とするなら、やはりボランティアでもヘルパーでも収集運搬業の許可がいる?


 続きは、なんとさんへの御礼欄に書きます。

No.38094 【A-2】

Re:清掃、収集、運搬の境界(違い)は何なのでしょう?

2012-02-23 16:09:03 なんと (ZWld61d

昔、問い合わせた記憶ですが、

収集:各所(収集場所)にある廃棄物を廃棄物保管場所に集めること。
運搬:廃棄物保管場所から処分する場所若しくは他の保管場所まで移動させること。

パッカー車で地区内を回り一般廃棄物を回収する行為(各回収拠点で回収しパッカー車の基地若しくは集積所に帰るまで)は『収集』であり、収集した廃棄物をパッカー車の基地若しくは集積所から、それぞれの廃棄物別に、処分できる場所まで移動する行為は『運搬』。
集積所が処分できる場所である場合には『運搬』はなく、『収集』したものを『処分』することになる。

工場内で、各棟の廃棄物置場から工場の廃棄物保管場所へ廃棄物を集める行為が『収集』であり、廃棄物保管場所から別の場所(例えば処分場)へ移動する行為が『運搬』。
構内の『収集』においては『運搬』ではないため、それを委託しても委託基準は適用せず、マニフェストも適用しないが、処理業の許可は必要。

『清掃』の受託業者が集めたゴミは、受託業者の廃棄物ではないので委託業者の収集場所(廃棄物保管場所、集積場所でも構いませんが・・)に戻した行為に過ぎないため、『収集』にも『運搬』にも当らない。
(『収集(収集場所からの回収)』や『運搬(集積場所からの移動)』ではないため)

特に行政文書にあるわけでもなく、その時に管轄行政に問い合わせたもので正確ではないかも知れませんが、市のゴミの回収は、「収集運搬」という言い方ではなく、『市で収集できるもの』や『粗大ゴミの収集料金』という言い方をしますし、法律の内容としても納得いく感じですが如何でしょうか?
(『収集』の入っている条項、入っていない条項が自然な感じです。)

回答に対するお礼・補足

 なんとさま

 ご回答ありがとうございます。
 ご教示いただいたように考えるとすっきりとしますが、そのように考えると、ボランティアであってもヘルパーであっても、集積した廃棄物をゴミステーションに運ぶ行為は運搬になりますので、やはり許可は必要ということでしょうか?

No.38095 【A-3】

Re:清掃、収集、運搬の境界(違い)は何なのでしょう?

2012-02-24 08:09:55 たる吉 (ZWl47e

>「飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれ」のない運搬容器=市町村指定のごみ袋でも許可はできるかと思います。
これが通るのであれば,積替え保管場において「手解体用のドライバー」で業の許可が降りるのか,是非とも知りたいところです。(ご見解は,どう見ても「屁理屈」だと思いますが)

話は変わりますが,先の水濁法改正の説明会の話を聞きましたが,説明を行った環境省の人間ですら,「薬品等の瓶での保管も対象か?」という質問に対して,「地方委任だから地方に聞け」との回答を出すくらいですよ。
「常識的に判断する」のが普通ではないですか?

追記−中間処理施設でなく,積替え保管場ですよ?
>自分の常識で判断するのは怖いのではないでしょうか。
とある博士のようで,あまり言いたくは無いのですが,「常識で判断する」というのは結果的に「地方行政聞け」ということです。
その担当の常識で変動することだとは思いますが,現実問題で厳密に規制することに意味が無いのではないですか?

回答に対するお礼・補足

(次のA−4とテレコになって、他の人に分かりにくくなってしまいますが、ご容赦ねがいます。2012年2月24日15時59分)

 たる吉様

> 中間処理施設でなく,積替え保管場ですよ?
の意味がよく分かりません。
 また、読解力が無いせいか、
> 「常識で判断する」というのは結果的に「地方行政聞け」ということです。
とも読み取れませんが、そういう意味であるなら了解です。
 なお、
> 現実問題で厳密に規制することに意味が無いのではないですか?
については「そうあって欲しいと思っています。」と述べるにとどめます。

No.38096 【A-4】

許可の対象と許可の基準とを混同されているようです

2012-02-24 09:22:38 万田力 (ZWl3b51

 たる吉さま

 下記のとおり、手作業による簡単な解体選別は中間処理に該当しても業の許可の対象にはしないという通知がありますが、許可の対象であるなら許可基準を満足しなければ業の許可にはなりません。
 即ち、手作業による簡単な解体選別が中間処理業の許可の対象であるなら、中間処理を遂行するのに必要な施設・設備はペンチやドライバーとなるでしょう。
 「簡単」かどうかの判断基準として、動力を使うか否かが一つの判断要素としてあげられる、即ち「ペンチやドライバーで行う行為は許可の対象にならない」とどこかで述べたことがあると思い探したのですが、すぐには見つかりませんでした。

 ところで、本件のように家庭のごみを収集ステーションに持って行くのは収集又は運搬に該当するか?もしも該当するなら許可がいるのではないか?
 この疑問は、収集運搬の許可にあたっては、下記のような解釈、即ち機材を用いない軽易な運搬行為は許可の対象とはしないとするよう通知を見たことが無い故の『屁理屈』なのです。

http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=20615
のA−3の※2に記載した 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の疑義について(昭和54年11月26日 環整128・環産42号)の問30

問30 廃棄物の分別、圧縮は廃棄物処理業の許可の対象となるか。
答 一般的には中間処理業の許可の対象となる。ただし、廃棄物処理業の許可を有している者が当該許可に係る業の利便を図るため、簡単な手選別等を行う場合には独立した許可の対象とはならない。

と、ここまで書いて今気がつきました。
 上記通知には、「廃棄物処理業の許可を有している者が」という前提条件がありました。ボランティアもヘルパーもこれには該当しないので、類推すると、当該行為が収集又は運搬に該当すれば当然許可がいることになるように思われます。

> 「常識的に判断する」のが普通ではないですか?

とのことですが、裁判員裁判が導入されたのは「司法」と「市民」との常識が違うからだったと思います。自分の常識で判断するのは怖いのではないでしょうか。

No.38098 【A-5】

Re:清掃、収集、運搬の境界(違い)は何なのでしょう?

2012-02-24 10:49:38 なんと (ZWld61d

通知類での納得は難しいかと思います。
ちなみに大阪府ではこんなものも掲載しております。
大阪府 Q&A
http://www.pref.osaka.jp/jigyoshoshido/report/faq_5.html

Q36 自社の工場敷地内で他社に運搬を委託する場合、委託基準が適用されるか?
A36(抜粋)
自社の工場敷地内で産業廃棄物を運搬する行為は、敷地内において産業廃棄物を排出場所から保管場所まで移動し集積させたに過ぎませんので、廃棄物処理法で規定する「産業廃棄物の運搬」にはそもそも当たらないことから、委託基準は適用されず、マニフェストを交付する義務も生じません。また、産業廃棄物処理基準(施行令第6条)も適用されないことから、運搬車への表示及び書面の備え付けの義務も適用されません。同様に建物の中で各部屋又は各階に置かれた産業廃棄物を建物の集積場所まで運ぶ行為も「産業廃棄物の運搬」には当たりません。
なお、自社敷地内での保管に適用される基準は、法第12条第2項(その産業廃棄物が運搬されるまでの間の基準遵守義務)に基づく施行規則第8条(保管数量の上限規制を含まない)であって、法第12条第1項(運搬又は処分を行う場合の基準遵守義務)に基づく施行令第6条第1項第1号ホ(保管数量の上限規制を含む)ではありません。このことからも、廃棄物処理法で規定する「産業廃棄物の運搬」とは、自社の保管場所から敷地外への運搬を意味するということができます。

私は「敷地内の運搬」は、「収集」であると思いますが。
これでいくと「ゴミステーションに持っていく」行為は、『そもそも』収集場所に移動したに過ぎず、それより先が廃棄物の「収集」や「運搬」に当るという回答が返りそうです。

回答に対するお礼・補足

なんとさま

> 「ゴミステーションに持っていく」行為は、『そもそも』収集場所に移動したに過ぎず、それより先が廃棄物の「収集」や「運搬」に当るという回答が返りそうです。

 厳密な解釈がどうなるかは別として、家庭ごみに関してはそのような落とし所にもっていってもらいたいと思っています。
 大阪府のQ&A、ご紹介いただきありがとうございました。

No.38137 【A-6】

Re:清掃、収集、運搬の境界(違い)は何なのでしょう?

2012-03-02 09:55:06 ペコリ(・_・)”(..)” (ZWlbd8

余談中の余談として(スミマセン)

そもそもですが、廃棄物処理法が施行された際に、「廃棄物とは客観的に誰が見ても判るもの」から、ものの1週間で「排出者の意思によるもの」と恥ずかしげもなく読み変えたところに端を発するのではないかと思います。

その後小手先で、有価性とかいろんな根拠建てを付け足してきて、排出事業者のストックヤードまでも届出の対象にしたり?

事業者が倉庫に置いているものは、有価・廃棄物などという観点はありませんし、捨てるかもしれないし廃棄するかもしれないものも往々にしてありますよね?

清掃業者は業として清掃という行為を行っているのであって、清掃業者の排出の意思は、廃棄物を収集運搬者が受け取りに来る所定の場所に設置した次元でもまだ、その中から必要なものがあったという場合には引き抜く可能性もありますよね?

従って、収集運搬者に受け渡しをする際に廃棄物となる「廃棄物予備軍」に過ぎないんだと私は思うのです。

廃棄するつもりで引き渡したもの「廃棄物」の中に大事なものがあって取り返そうとした場合にはお金で買い取らなきゃならないのですかね?

だから環境省もケース・バイ・ケースを認めざるを得ないのではないかと思います。

事業所内でごみを集めていることは、委託された清掃事業者だとしても社会通念上清掃作業の一環だと思うんですね。介護の世界でも同様に発生することだし、清掃事業者は産廃業の資格をいちいち取って自治体には収集運搬人A、B(平成○○年度二酸化炭素排出規定適合人)なんて届け出るのかな?

ご免なさい、この法律のそもそもが可笑しいと思って仕事をしているのでつまらなく汚してしまいました。

回答に対するお礼・補足

 ペコリ(・_・)”(..)” さま

 廃棄物の定義は次第に変遷して今の「総合判断説」に変わってきたのは知っていましたが、そうですか、「ものの1週間」で変わったのですか。これは知りませんでした。
 廃棄物処理法は激しいときには年4回も改正を行うなど改正に改正を重ねており、あたかも増改築を重ねて廊下が迷路のようになっている旅館と同じです。
 火事が起きて非常口に向かっている(=廃棄物を適法に処理している)つもりが、知らない内に火の元に向かって(=法律違反をして)いて焼け死ぬ(=司直の手にかかる)ような複雑な体系になっているので、そんなことにならないようにもっとシンプルな体系に作り直す必要があると思っています。
 しかしながら、改正されるまでは、
> この法律のそもそもが可笑しいと思って仕事をしている
とはいっても、悪法も法。
 抜本的な改正が行われるまでは、廃棄物処理に関してはこの法律の下で泳ぐより他ありません。
 そのときには、「廃棄物予備軍」の扱いもすっきりとしてもらいたいものですね。

 そろそろこのスレッドは閉じさせていただきます。
 ご回答いただきました皆様方、有り難うございました。

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