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環境Q&A

A2O法において硝化進みすぎると終沈でリンの吐き出し発生する原因は? 

登録日: 2013年09月26日 最終回答日:2013年10月09日 水・土壌環境 水質汚濁

No.39412 2013-09-26 16:14:27 ZWlde5b takano yuzuru

当浄化センターでは、1系のみですがA2O法を採用しています。
 通常(反応槽流入BODで90mg/l、NH4-Nで20mg/l、PO4-Pで2.5mg/l程度)時は、リンの吐き出しと過剰摂取も硝化と脱窒もうまく?機能しているため、処理水水質(T-Nで8mg/l、T-Pで0.1mg/l前後)も良好な状況です。
 しかしながら、土日休日と溶融炉の停止に伴う返流水の減少時が重なり、水量・水質ともに低下して、硝化が進みすぎる?状態が継続すると、処理水中のリン濃度が急激に上昇して、2-3mg/lに悪化することがあります。
 反応槽内の性状試験では、嫌気槽でリンの吐き出し、好気槽で過剰摂取は十分に?機能しており、反応槽末端では、リン濃度はほぼ0mg/lとなっており、返送汚泥による過剰なNO3-Nの持ち込みによる嫌気槽内の雰囲気悪化は無いようなのですが…
 終沈流出水でのリンの吐き出しは、汚泥の滞留時間が長くなって、嫌気状態となるためという常識がありますが、当方では、硝化が進みすぎた?状態≒通常より嫌気側ではない状態で発生する次第です。
 どのようなメカニズムで、このような現象が発生するのか、お教え願います。

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No.39427 【A-1】

Re:A2O法において硝化進みすぎると終沈でリンの吐き出し発生する原因は?

2013-10-08 12:22:32 papa (ZWlbd18

A2Oの運転は実験的にしかやったことがないので十分な回答は出来ませんが、回答がつかないので分かる範囲ですが。
「硝化進みすぎる?」という設問ですが、そもそもA2Oではすでに十分に硝化は進んでいるのですから進みすぎという現象はありえません。
A2Oになってる設備ならふつうは矩形沈殿池だと推定できますので、沈殿池における混合液の流れは密度流となり汚泥界面と上澄水は分離された状態で池方向を流れているので、よほど界面を高くしない限りりんの吐き出しが発生する条件にありません。但しクロス掻寄機があるような池ではクロス部分にかなりの活性汚泥を抱えていますのでリンの吐き出し可能性がないとはいえません。(いまどきクロスがあるような池を設計することはレアケースと思いますが)
あとは、嫌気槽計装でORPのトレンドを確認して返送からの酸化態窒素の持込確認とか、硝化液循環ポンプ(エアリフト循環?)の循環量の確認とか考えられるケースはいくつかありますが少なくとも硝化の進みすぎ自体が原因ということはないと思います。
経験上は負荷が少なくなると、硝化脱窒はそこそこ進行しても、嫌気槽の安定した維持が難しいということと、汚泥が分散気味になって急速ろ過設備がないと安定した水質は難しいということくらいです。
いまどきのA2Oなら急速ろ過設備はあると思いますが。

回答に対するお礼・補足

 回答ありがとうございます。いろいろと参考になりました。
 前回と同じことを書くようですが、少し補足させてもらいます。A2O法における窒素除去は完全硝化を前提としていることは認識しております。
 通常は硝化脱窒が十分?に機能しているのですが、先の質問で述べたように、土日休日や溶融炉からの返流水がなくなるような低負荷
(水量的:全体で6万m3/d→休日で5.5万m3/d、そのうち溶融炉返流水が3.5千m3/d
水質的には測定していないので不明) が継続した場合に、処理水中のリンが急激に上昇することがあります、いつもということでもないのですが…。
 多分?過曝気に近いような状況(硝化しすぎる?)が発生・継続しているのではないかと思うのですが、フロックの分散化は見られず、終沈が白っぽくなることもないので、そうでもないとも言える状況です。
 終沈での汚泥滞留による吐き出しと低負荷運転や硝化状況との関連はないものなのでしょうか?嫌気化による吐き出しのメカニズムのみなのでしょうか?
 終沈の汚泥中リン濃度が限界に達した場合に何かのきっかけ?で、リンを吐きだしてしまうような状況は考えられないでしょうか?

No.39428 【A-2】

Re:A2O法において硝化進みすぎると終沈でリンの吐き出し発生する原因は?

2013-10-09 14:31:29 papa (ZWlbd18

ODからA2Oに至るまでいまどきの下水処理では過曝気というアイテムはこの際過去のものと考えたほうがよいのではないかと思います。
飽和以下の溶存酸素はいずれ利用されるわけで、溶存酸素上昇による溶解効率の低下が電力原単位を上昇させるくらいしか余剰送風量による弊害は思い当たりません。
生物脱りんのりんの吐き出しはそのメカニズムから考えても気のつかない個所での嫌気化による吐き出しか負荷変動以外に想定できません。
活性汚泥は設定したSRTに基づいて定期的に引き抜かれているので、SRTの範囲内で負荷量が大きく変わらなければ汚泥中のりん含有量が急上昇する要素もありません。
原因を探求するために残された手段としては、処理場全体のりん収支を把握することくらいのアドバイスが出来る程度です。特に余剰汚泥の機械濃縮や脱水ろ液といった部分での返流水りん負荷は無視できないレベルになっていると思います。焼却炉などの返流水はりん負荷はほとんどないので、機械濃縮や脱水ろ液の高濃度返流水が間欠流入する時間帯があるとするとそれらの影響も把握する必要があると思います。返流水の負荷変動対策としての流量調整槽などがある場合は要注意かと思います。


 

回答に対するお礼・補足

御礼の返事が大変遅れましてすみませんでした。
いろいろと考えていただきありがとうございました。

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