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Issued: 2018.07.27

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登録日 | 2018年09月11日   最終回答日 | 2018年09月15日
サブカテゴリ | 水・土壌環境 >> その他(水・土壌環境)
No.41166
? ICP-MS分析による植物の金属元素の定量(不動態)  2018-09-11 13:47:17
ZWlfac わさび

先日に続き、失礼させていただきます。
わさびと申します。

私は現在、ICP-MSを利用して植物内に含まれる金属を定量してようとしております。

この前段階として、植物を分解する必要がありますが、既存の文献をいろいろ調べてみますと、

「硝酸(+過酸化水素/過塩素酸)」で植物を分解し、この溶液を利用してICP-MsでAlやCrを定量している報告・研究をよく見かけます。

ただ硝酸を利用するとAlやCrなどは不動態化して正確に定量できないように思えるのですが、こうした問題はないのでしょうか?


この分析が受け入れられている理由として、私が考えたのが

1)硝酸だけではAlなどは不動態化するが、過酸化水素などを加えたり、マイクロウェーブを使えば、分解できる


2)植物のようにAlやCrの含有量が少なければ問題ない


の二つです。


ご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教授のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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No.41167
A-1. Re:ICP-MS分析による植物の金属元素の定量(不動態) 2018-09-12 21:22:55
ZWla61d たそがれ
前回、回答した者です。

不動態という言葉はいろいろな意味で使われますが「わさび」さんが調べたものは、単体の金属や合金の硝酸での溶解のケースです。CrやAlはイオン化傾向のみをみると硝酸に可溶ですが、実際には表面に酸化物の被膜が生じ、それ以上反応が進まなくなりますが、この酸化物被膜を不動態といっているだけです。
植物体をはじめとする有機質試料ではそんなことはありません。むしろ、硝酸を使用しないと分解(有機物の系外への排除)は進みません。硝酸で沈殿を生ずる金属イオンはほとんどありませんが、Snは例外で難溶性のメタスズ酸を生じます。しかし、それとて有機物の排除は硝酸で行った後、他の酸で溶解し機器分析を行います。

尚、最近ではプラスチック試料等でマイクロウェーブのセルに過塩素酸を加える手法も出てきていますが、通常の有機質試料では入れない方がよいでしょう。メーカーの推奨する有機物メソッドを確認してください。また、文面から推察すると比較的入門者の方のように思います。開放系の分解でも過塩素酸は大変危険です。十分注意されてください。
回答に対するお礼・補足:
前回の質問に続き、的確なアドバイスありがとうございます。私の研究室にはICP-MSがなく、別の研究室のものを使わせていただくのですが、その研究室は植物を扱ってはおらず、分解処理については情報がなくて困っておりました。既存の文献や参考書で調べてもわからないところを「たそがれ」さまにご教授いただき、大変感謝しております。

>文面から推察すると比較的入門者の方のように思います。

はい、ほぼ素人です。温かいご配慮、本当にありがとうございます。ICP-MSを操作するときは研究室の方が面倒をみてくれるのですが、植物の溶解については私にかかっています。そのため、とても不安ですが、安全第一で行ってみます。

「たそがれ様」からいただきましたアドバイスと既存の文献をもとに、以下のような処理を考えてみました。もし、ご迷惑でなければ、お手すきの際にこの処理方法について、私が「たそがれ様」からいただいたアドバイスを間違えて解釈していないか、ご意見をいただいてもよろしいでしょうか?

何度もお聞きしていしまい、大変申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。

1.植物サンプル(0.5g程度秤量)

2.40℃で48時間乾燥、サンプルをCentrifuge Tubeへ。

3.濃硝酸7ml(65%)を加え、緩く蓋を締めて常温で一晩反応させる
*CとNを気化させる
*コンタミンを防ぐために蓋をするが、強く締めると、気圧が高まって危険。

4.分解液をマイクロウェーブ用の容器に移し替え(濃硝酸1mlでリンス)、過酸化水素2ml(30%)を少しずつ加え、マイクロウェーブで分解(植物用プログラム)。
*過酸化水素は慎重に加え、爆発的に反応しないように注意
*無色透明になっていたら、5へ。着色していたら、再度マイクロウェーブで処理。

5.40℃前後に調整したホットプレート上で、余分な硝酸を揮発させる。
*乾固しないように注意
*プレートを40℃前後にするのは、揮散を防ぐため。

6.上記で得られた乾固寸前のサンプルを硝酸(5%)に溶かす。

7.1%(2%)に希釈してICP-MSへ。

No.41173
A-2. Re:ICP-MS分析による植物の金属元素の定量(不動態) 2018-09-15 00:25:15
ZWla61d たそがれ
マイクロウェーブ分解装置は機種により性能に差があるため断定的なことは述べられませんが・・・

1.植物サンプル(0.5g程度秤量)
2.40℃で48時間乾燥、サンプルをCentrifuge Tubeへ。

3.濃硝酸7ml(65%)を加え、緩く蓋を締めて常温で一晩反応させる *CとNを気化させる
*コンタミンを防ぐために蓋をするが、強く締めると、気圧が高まって危険。

乾物換算で0.1 mg以下程度になるので問題はないと思いますが、硝酸を添加後、ホットプレートで加熱して褐色ガスを出してから一晩置く場合もあります。これはハイプレッシャーを防ぐためです。有機質試料は圧の上昇が壁になって温度が上がらなくなることがあります。

4.分解液をマイクロウェーブ用の容器に移し替え(濃硝酸1mlでリンス)、過酸化水素2ml(30%)を少しずつ加え、マイクロウェーブで分解(植物用プログラム)。
*過酸化水素は慎重に加え、爆発的に反応しないように注意
*無色透明になっていたら、5へ。着色していたら、再度マイクロウェーブで処理。

5.40℃前後に調整したホットプレート上で、余分な硝酸を揮発させる。

硝酸での濃縮は最低120℃程度です。最初の回答と矛盾するようですが、酸の中では大丈夫です。40℃ではほとんど濃縮されません。
*乾固しないように注意:特にひ素、セレンは注意が必要です。また、水銀は不可です。

6.上記で得られた乾固寸前のサンプルを硝酸(5%)に溶かす。
7.1%(2%)に希釈してICP-MSへ。

薄めすぎると目的元素を低濃度まで測定できないことになります。その場合、5%硝酸のまま測定もあり得ます。

異なった手法として分解に使用した酸をそのまま利用することもあります。マイクロウェーブから取り出してそのまま水で薄めるだけです。ただし、5%程度の酸濃度にするにしても20倍程度に薄める必要があるため、低濃度まで測定する必要がないか、高濃度試料の場合にのみ適用できます。
また、どんな植物なのか不明ですが、イネや笹の葉等はシリカを含みますので分解後、遠心分離あるいは濾別が必要になります。
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