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環境Q&A

建設廃棄物は何故、発注者が排出者にならないのですか 

登録日: 2004年02月12日 最終回答日:2004年02月19日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.4983 2004-02-12 10:45:25 しげくん

マニフェストについて調べているのですが、建設廃棄物用のマニフェストを使用するときに、排出業者の記入欄には解体業者やゼネコン等の業者名をを記入するようになっています。しかし。解体工事や建設工事を頼むのは発注者(個人等)なので、なんで発注者の名前を書かないのか疑問に思いました。排出者責任があるのならば、発注者の名前も書くべきなのかとも思うのですが。わからないので教えてください。お願いします

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No.5000 【A-1】

Re:建設廃棄物は何故、発注者が排出者にならないのですか

2004-02-13 00:56:03 北海道 / きた

建設工事の発注者は、道義的責任はあるのでしょうが、排出者とされていません。
どうしてかは分かりませんが、契約の形態が請負であることが多く、受注者の管理者に廃棄物の処理責任を負わせることが自然だということでしょうか。
もし、発注者が排出者になると、個人住宅(居住用)の工事から生じる廃棄物は一般廃棄物となるのだと思います。すると、大変なことになるのでは・・・ということもあるのだと思います。

建設工事以外は、たいてい、発注者が排出者となっているようです。
本当のところはどうなのでしょうか。

No.5027 【A-2】

Re:建設廃棄物は何故、発注者が排出者にならないのですか

2004-02-15 13:03:52 カッチ

 発注者は建設を依頼しただけであり、それを受託した者が行う行為(建築工事や解体工事)に伴って廃棄物が排出されると考えれば、その廃棄物は受託者が排出した廃棄物と考えられるのではないでしょうか。
 排出者が誰か、どの時点で廃棄物となるか等、一廃と産廃の区分などと同様に考えると、このような理由にたどり着くのですがどうでしょうか。

No.5047 【A-3】

Re:建設廃棄物は何故、発注者が排出者にならないのですか

2004-02-17 09:48:11 神奈川県 / 法律は難しい

 手元の環境省の通知(?)の資料には「建設工事等においては、建設工事等の発注者、当該発注者から建設工事等を直接請け負った元請業者、元請業者から建設工事等を請け負った下請け業者等関係者が多数おり、これらの関係が複雑になっているため、廃棄物処理についての責任の所在があいまいになってしまうおそれがある。」との理由から、「元請業者に処理責任を負わせることとしている」とあります。
 つまり、「工事全体、関係する会社全体を把握している元請業者が廃棄物の処理の責任を負うのが妥当」との判断みたいです。
 カッチさんの回答で「発注者は建設を依頼しただけであり、それを受託した者が行う行為(建築工事や解体工事)に伴って廃棄物が排出されると考えれば、その廃棄物は受託者が排出した廃棄物と考えられるのではないでしょうか。」とありますが、この考えは微妙に違うような気がします(ズバリ「違う」とは言えないのですが)。例えば掃除業者に頼んで構内を掃除してもらった場合、そのゴミの排出事業者は、掃除業者ではなく頼んだ会社となりますよね。

 

No.5050 【A-4】

Re:建設廃棄物は何故、発注者が排出者にならないのですか

2004-02-17 11:10:57 カッチ

「掃除業者に頼んで構内を掃除してもらった場合、そのゴミの排出事業者は、掃除業者ではなく頼んだ会社となりますよね。」
 この内容は廃棄物処理法の疑義回答集にありますね。
 これは、掃除する時点では既に「廃棄物が排出された」状態であり清掃業者はそれを集めただけという解釈なので、未だ「廃棄物が発生していない」場合とは異なると考えました。
 建設系の廃棄物については、法律は難しいさんが紹介してくれた通知によるところが大きいのですが、どうにも法令の条文からは読みとれないのですよね。
 廃棄物処理法は通知で成り立っているところがあって、非常に困ることが多いのですが、やはり法令上に根拠があっての通知だと思います。
 そんなわけで、下の文章は辻褄の合う解釈を考えた結果というところでした。
 やっぱり、理論的に苦しいでしょうか。

No.5082 【A-5】

Re:建設廃棄物は何故、発注者が排出者にならないのですか

2004-02-19 13:15:01 たまちゃん

不要物と認識した主体が、工作物や建物の所有者であるならば、既設構造物の除却から発生する廃棄物の排出者は法律はどうあれ常識的にはその所有者以外にはあり得ないのでお尋ねの疑問は当然と思います。
 一方、今の法規では廃棄物区分が廃棄「物」と呼ばれながら「物質」によって定義されておらず、外観や物理性状、流通形態、特定業種などによって定義してしまった結果として、個人住宅などの除却を所有者排出者とすると一般廃棄物になってしまって処分先がありません。そこで便宜的に請負責任の中に排出者責任を潜り込ませてしまったというのが実態だと思います。
 本来は排出者となるべき構造物所有者に排出者責任を果たしていただくためには、コンサルタントのような仲介業務、不適正処理に対する損害保険などのインフラが必要となります。
 残念ながら今の法規では実現できそうにないので当面便宜的解釈で運用するしかないのだと思います。


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