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環境Q&A

下水道への温泉排水(浴槽部分)の流入について 

登録日: 2004年04月02日 最終回答日:2004年04月05日 水・土壌環境 水質汚濁

No.5511 2004-04-02 14:22:28 雪んこ

私は公共下水道の事務を担当しています。
小規模自治体で一般事務職のため、特に水質に関し苦慮しています。

公共下水道排水区域内で温泉施設の建設が間もなく始まります。
温泉分析書では、水質汚濁防止法の全国一律排水基準を満たしていますし(当町では上乗せ基準を設けていません)過去のQ&A1435にあるように、水質汚濁防止法の排水基準の備考により温泉水を利用する旅館には適用しない項目があるので、海域への直接排出が可能と考えています。
一方で、排出先が海域のため地元漁業者との関係を良好に保つ必要があることから業者側が下水道へ接続を望む可能性があります。
以上から、下水道施設への接続については可能とし、接続しない場合は下水道法第10条のただし書きの適用をしていこうと考えています。
以上について、問題点や注意すべき点がありましたら教えてください。

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No.5522 【A-1】

Re:泉質と排水中の有害物質に注意

2004-04-03 01:24:21 JPCCN関西 化情技セ

JPCCN関西 化学情報技術センターの井田です。

>私は公共下水道の事務を担当しています。
>小規模自治体で一般事務職のため、特に水質に関し苦慮しています。

法律に関することではありませんが、化学情報技術の観点からお答えいたします。

まず、泉質の問題ですが、食塩や硫酸ナトリウムを主成分とするものであれば、温泉水そのものを海域へ直接放流するのはとくに問題はありません。
但し、高濃度の硫化水素を含有する場合や、ヒ素などの有害元素を多く含有するような場合には、然るべき化学処理(沈殿生成処理など)が望ましい場合があります。このように、無機化合物やそれらを構成する元素に有害性が指摘されるような場合、下水道などの微西部う処理による浄化効果は期待できず、場合によっては有機物の処理への悪影響を及ぼす原因になる場合があります。

温泉地やリゾート地でとくに問題となるのが、浴場で使用されるシャンプーなど合成界面活性剤を含有する排水の問題です。この問題は下水道等で対症療法的に解決すべきような問題では決してなく、問題化しないように未然に解決すべき問題です。解決法としては、合成界面活性剤を含有するシャンプーやボディーソープの設置を行わないことはもちろんのこと、観光客に合成シャンプーや毛染め剤等有害物質を含有する製品の持ち込みを自粛してもらうように理解を求めることも、自治体の責務だとJPCCNでは考えます。

法律が云々よりも先に、融通の利く技術上の的確な判断と実践が大切です。その場合も、法律を満たしたうえで行われるということはいうまでもありません。

回答に対するお礼・補足

早速のご回答ありがとうございます。
質問内容に記載できませんでしたが有害成分は硫化水素は0。ヒ素は0.006mg/lと微量で問題ないと考えました。浴場についてですが、浴槽と洗い場の排水経路を分けて、洗い場経路は下水道への流入を指導していきます。

No.5539 【A-2】

Re:下水道への温泉排水(浴槽部分)の流入について

2004-04-05 12:49:51 papa

>小規模自治体で一般事務職のため、特に水質に関し苦慮しています。
日本下水道事業団
http://www.jswa.go.jp/
で自治体職員向けの研修を行っていますので参加されたらいいと思います。とても参考になりますし、他都市の方とも情報交換ができます。

>公共下水道排水区域内で温泉施設の建設が間もなく始まります。
温泉地での下水受け入れについては、既に経験豊富な他都市の状況を参考にすることをお勧めします。東日本では、札幌市(定山渓温泉)、仙台市(秋保温泉)、伊豆半島の自治体などに問い合わせたらどうでしょうか。

>水質汚濁防止法の排水基準の備考により温泉水を利用する旅館には適用しない項目がある。
源泉の利用年度(昭和49年以前)により異なります。
また、ふっ素、ほう素については暫定基準があります、これらの濃度の高い源泉もあります。

>一方で、排出先が海域のため地元漁業者との関係を良好に保つ必要があることから業者側が下水道へ接続を望む可能性があります。
浴槽水(10条但し書き)と洗い場の排水(排水設備設置)を分離するのでやり方によっては可能でしょう。

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