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環境Q&A

PVCの使用について 

登録日: 2004年10月25日 最終回答日:2004年11月05日 健康・化学物質 ダイオキシン

No.8163 2004-10-25 01:20:26 マミ造

私、あるアパレルメーカーに勤めております。
カバンを企画するのによく、PVCを使用するのですが、
ダイオキシンや環境ホルモンの問題で、なるべく使用しないようにと上司に言われました。
A商社からは「日本の焼却炉は低温なので、ダイオキシンが発生する」と聞きました。
B商社からは「最近は日本の焼却炉も高温焼却するようになった」
と聞きました。
どちらが本当なのでしょうか?
B商社の言う事が本当ならば、ノンフタル酸のPVCを使用すればよいでしょうし・・・。
オレフィンではなく、PVCに近い加工ができるビニールのような素材(透明でなくて良い)はあるのでしょうか?また、それはダイオキシンや、環境ホルモンの問題はクリア出来るのでしょうか?

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No.8339 【A-1】

Re:PVCの使用について

2004-11-05 16:30:02 循(じゅん)

リスクコミュニケーションの問題という気がします。
化学物質が心配で素材、塗料やワックスにこだわる人もいますので・・

A商社は「日本の焼却炉は低温」という部分は「家庭の焼却は低温」のことを言いたかったのでしょう。家庭での焼却自粛(規制)、野焼き防止、焼却炉改善などのダイオキシン規制がすすみました。現在、自治体や産廃業者の焼却炉は高温で焼却しています。規制を守れない焼却炉は廃止に追い込まれました。(A商社もB商社もどちらもあっているようです。)

「環境ホルモン問題」に対応した新素材の開発が進んでいるようですね。個人的にはPVCのメリットを強調されてもよいと思います。
たとえば、「色・艶・形など様々な加工ができる」、「製品寿命が長い」といったことに加え、「加工屑をリサイクルするルートを確保」、「製造から廃棄までのコストで比較」などを検討するなど。

また、「拡大製造者責任」(EPR)が叫ばれるようになりましたので、カバン(アパレル製品)のリサイクルルートの確立を考えても良いのではないでしょうか。

「ノンフタル酸のPVC」について、環境省はフタル酸類については「低用量でのヒトへの内分泌かく乱作用は認められない」と発表しました。(時期により表現に差があります)
高用量ではフタル酸にも一般毒性がありますので、「おもちゃ、給食用手袋」など、直接口から取り入れてしまうような可能性のあるものの素材にはフタル酸が制限されました。(食品、添加物等の規格基準)

参考Webサイト
○EICネットQ&A No.165 家庭でのゴミ焼却
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=165

○塩ビに関するデータ、識者見解、リスクコミュニケーションなど
塩ビ工業・環境協会(http://www.vec.gr.jp/
塩化ビニル環境対策協議会(http://www.pvc.or.jp/

○フタル酸の内分泌かく乱作用
環境省発表 平成14年6月14日
平成14年度第1回内分泌攪乱化学物質問題検討会について
http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=3408

○食品、添加物等の規格基準
厚生労働省 「器具・容器包装、おもちゃ、洗浄剤に関するホームページ」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/

回答に対するお礼・補足

わかりやすい回答ありがとうございました。
個人であれば、PVCの特性と生かして、色々と企画をしたいですが、会社として企画するのはやっぱり難しいですね(^_^;)
でも、機会があれば主張してみたいと思います。
ありがとうございました!

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