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環境Q&A

温室効果ガスで電気、水道の排出係数は? 

登録日: 2004年11月12日 最終回答日:2004年11月22日 地球環境 地球温暖化

No.8418 2004-11-12 03:08:17 かっぱ

環境報告書に記述する項目で、温室効果ガスの排出について調べています。
CO2については、電気、水道の生成時での排出係数(例えば0.36kgCO2/kwhなど)がありますが、CH4やN2Oについては、電気や水道の排出係数が見当たりません。この項目は、排出量=0と考えていいのでしょうか?

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No.8521 【A-1】

Re:温室効果ガスで電気、水道の排出係数は?

2004-11-19 11:05:00 東京都 / 君山銀針

■排出係数算定方法はこのQ&Aでも何回もでてきている内容ですので、過去の内容を検索してみてください。

■環境省のホームページに
1)「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」と
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/guide/index.html
2)「温室効果ガス排出量算定方法検討委員会」報告(自治体が所管地域の排出量を算定するためのもの)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/kento/h1408/index.html
があり、算定のしかたを細かく解説しています。

1)のほうは個別事業者の温室効果ガス排出の実態を正確に把握することを重視した資料で、(A)直接排出だけでなく、(B)電気・熱の使用に伴う間接排出も計算対象にしています。
一方、
2)は国の総排出量を計算するためのものですので、電気・熱の使用に伴う間接排出を電気事業者側で計算し、消費側での計算はダブルカウントになってしまうとして、避けている模様です。

環境報告書に記載するためでしたら、1)の資料を参照されたほうがよいと思います。

■なお1)の2−3ページの説明によると、「電気事業者から供給された電気の使用」の対象ガスはCO2のみで排出係数は
1 一般電気事業者(9 電力会社及び沖縄電力) 0.378 kgCO2/kWh
2 その他の電気事業者 0.602 kgCO2/ kWh
とされていますが、その後の2−13ページにある、「電気炉における電気の使用」に項では製鋼等のため、電気炉で電気を使用することにより炉から発生するCH4について排出係数 0.000020(2.0×10-5) kg CH4/kWhという数字が出ています。

No.8522 【A-2】

Re:温室効果ガスで電気、水道の排出係数は?

2004-11-19 11:06:13 東京都 / 君山銀針

■水道については1)の資料にも排出係数の記載がなく、http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=1005 のちしゃさんの回答では水道事業者で計算し、消費側で計算していないという資料の説明があります。(資料のURLが http://www.wanokurashi.ne.jp/work/kaigi/hon01/siryo01_m.html に変更になっている模様)
この説明は家庭部門のCO2排出計算にかかるものですが、1)に記載がないところをみると水道事業者についてはどうなのか、気になります。

最近、水道局などでは環境会計を作成しているので、たとえば大阪府、東京都、横浜市の水道局環境会計
http://www.pref.osaka.jp/suido/kankyo/ 
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/jigyo/kankyo15/index.html
http://www.city.yokohama.jp/me/suidou/ja/press/press20030916.html
を見たところでは、取水・浄水処理・総水に関するエネルギー使用によるCO2排出を環境負荷として計算しているみたいですね。

ほかご不明な点は、環境省地球環境局地球温暖化対策課(03-3581-3351(代表電話))に問い合わせてみたほうがよいかもしれません。

回答に対するお礼・補足

2度にわたり、大変詳しいご説明を有難うございました。
GHGについては、まだtrialとして、研究しながら奮闘しております。

No.8549 【A-3】

Re:温室効果ガスで電気、水道の排出係数は?

2004-11-22 15:48:59 民間担当

>環境報告書に記述する項目で、温室効果ガスの排出について調べています。
>CO2については、電気、水道の生成時での排出係数(例えば0.36kgCO2/kwhなど)がありますが、CH4やN2Oについては、電気や水道の排出係数が見当たりません。この項目は、排出量=0と考えていいのでしょうか?

「君山銀針」さんからの説明に、若干補足させてらいます。基本的には電力のエネルギーは、「電力発生熱量」の3.60MJ/kWhではなく「発電端投入熱量」の9.00MJ/kWhで算出することになっていますので、これをベースにCO2の係数が設定されています。したがって、ガイドラインでは9電力会社の電気については0.378kgCO2/kWhとなっていますが、実際には日本経団連などを通じて毎年電気事業連合会から排出係数が通知されます。これは、排出係数の極端に低い原発の運転を考慮したもので、2001年度は0.338kgCO2/kWhであったものが2002年度は0.362kgCO2/kWhとなっています。もちろん、この際にボイーラー等の原動機や燃料によって決まるCH4やN2Oは、CO2換算係数によってCO2として計上されています。したがって、CH4やN2Oの排出係数は表面に出てこないのです。

まだ正式に算定基準は出されていませんが、電力売買の自由化に伴い、今後の環境税や排出権取引あるいはグリーン電力などを考えますと、このCO2排出係数はもっと多様化するかと思われます。

次に水道の係数についてですが、「君山銀針」さんの説明にもありましたように、これは一般の原材料や製品を購入・使用する際にCO2分がカウントしていないのと同じ理由です。つまり、CO2カントしなければならない場合が規定されているのであって、それ以外のものは消費時点でのカウントは不要ということになります。しかし、一般の製造業者と同じように、水道事業者も自らは消費エネルギーに見合った排出カウントは計上しています。

回答に対するお礼・補足

判り易い説明を有難うございました。述べられているような感じでまとめてみたいと思います。
来年度以降の環境報告書ではしっかり反映したいと思っています。

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