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環境Q&A

ノルマルヘキサン抽出物質の排水基準について 

登録日: 2005年01月11日 最終回答日:2005年02月03日 水・土壌環境 水質汚濁

No.8993 2005-01-11 06:29:16 修行中のふじも

 現在、水質汚濁防止法について勉強中の初心者です。初めて質問させていただきます。よろしくお願いします。
 
 ノルマルヘキサン抽出物質の排水基準には、鉱物油5mg/l、動植物油30mg/lと2種類に分かれています。ところが、「昭和46年環境庁告示第59号(付表4)」に定められている測定方法では2種類同時に抽出されてしまい、測定結果が10mg/lの場合、排水基準に適合しているかどうかの判断がわかりません。「日本工業規格K0102」、「公害防止の技術と法規(水質編)<産業環境管理協会発行>」を見ても不明でした・・・。それぞれの事業所で使用している油分から判断するのでしょうか?また、鉱物油と動植物油の明確な違いとは何なのでしょうか?参考資料等ありましたら、ご教示お願いいたします。

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No.9005 【A-1】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の排水基準について

2005-01-11 19:03:01 aqua-play

「公害防止の技術と法規(水質編)<発行>」を見ても不明でした・・・

それのノルヘキのところを見ると、告示ではこれらを分別して定量する方法は規定されていないと書いてありますので現在のところ事業所で使用している油分から判断する程度のものだと思います

ただそれらは現在、研究中である様です

油分の定量について
http://www.fch.chuo.fukuoka.jp/s51shoho/02-p105.htm

回答に対するお礼・補足

早速のご回答と参考ページ、ありがとうございました。IR法があるとは知りませんでした。測定にはまだまだ問題があるようですね。大変勉強になりました!

No.9007 【A-2】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の排水基準について

2005-01-11 21:10:59 万田力

 今から30年ほども前のことですので変わっているかもしれませんが、 私も同じような疑問を持って分析を実際にしている人に聞いたことがあります。
 その答えは、
 「ノルマルヘキサンで抽出される物質を測定しているのであって、鉱油類と動植物油類とを区別して分析しているわけではなく、また、区別して分析することもできない。」
ということでした。
 これを踏まえて行政の担当者に、基準違反か否かの判定はどうやってするのかを訊ねたところ、
「分析が鉱油類と動植物油類とを区別できないということは、分析結果をもって基準違反を問うことはできない。」
ということでした。
即ち、基準は、ノルマルヘキサン抽出物質の鉱油類が5mg/L、動植物油類が30mg/Lとなっているが、仮に鉱油類の基準値である5r/Lと動植物油類の基準値である30mg/Lの和である35mg/Lを超えていたとしても、分析方法はノルマルヘキサンで抽出した物質の総量を分析しているにすぎない(=鉱油類や動植物油類以外のものを測定しているということもあり得る)ので、基準に違反していると言うには無理があるということでした。
 しかしながら、時にガソリンスタンドが油分において排水基準違反をしたといって司法により処分されることがあるように、実態としてはaqua-play さんもおっしゃられているように、事業所で使用している油分から判断されているのではないかと思います。

回答に対するお礼・補足

なるほど!この項目は基準があって無いようなものですね。使用している油類が鉱物油か動植物油か確実に把握する必要があるけれども、公定法の測定結果は、必ずしも全て油類とは限らない(脂肪酸の可能性もある)・・・なかなかむずかしいですね。とても参考になりました。ありがとうございました!

No.9028 【A-3】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の排水基準について

2005-01-12 23:27:08 きら

きらです。

下水試験方法(1997年版:財 日本下水道協会)では、フロリジルを充填したカラムを使って、動植物油と鉱物油を分離する方法が記載されています。

 フロリジルは、動植物油・脂肪酸を吸着しやすく、鉱物油は吸着しない(されにくい)という性質を利用したものです。

 ただし、この方法は、鉱物油と動植物油を完全に分離することはできず、一応の目安程度にしかなりません。

 インターネットで「油分 フロリジルカラム」または「ヘキサン抽出物質 フロリジル」等で検索すると参考になる資料が見つかると思います。

 また、上水試験方法では、ガスクロマトグラフィを使って石油系油類の分類(ガソリン、灯油、軽油、重油、潤滑油)を行う方法が紹介されています。

 他に何か分かりましたら、また、メールします。

回答に対するお礼・補足

参考となる書物を教えていただきありがとうございました。IR法以外にフロリジルを使用したカラム法というものもあるのですね。いろいろと勉強になります。早速上下水試験方法を調べたいと思います!

No.9047 【A-4】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の排水基準について

2005-01-13 21:13:14 JK

JISK0102でも参考に、本体の規定に関する事柄を、本体に準ずる形で補足したものであって規定の一部ではない。・・・として後ろに記載があります。

T.不揮発性鉱物油類及び不揮発性動植物性油脂類 ヘキサン抽出物質を不揮発性鉱物油類と不揮発性動植物性油脂類とに区分する。

回答に対するお礼・補足

再度JISK0102と解説書も合わせて読み直してみます。ありがとうございました。

No.9351 【A-5】

Re:ノルマルヘキサン抽出物質の排水基準について

2005-02-03 17:36:18 ぴかちゃん

亀レス失礼致します。

私の会社では顧客の要望によりn-ヘキ抽出物質を
分離分析することが度々あります。
その際には、JKさんが示されたJIS補足を用いており、
実際に計量証明書にもその旨記載して発行しております。
実際に書きますと、
「環告第64号付表4及び分別はJIS K 0102附属書<参考>補足T-1」という感じです。
(鉱物油類の場合。会社ばれるかも^^;)
この書き方で今まで行政の指導等は受けておりません。

実際の手順としては、n-ヘキ全体を分析してから、
定量下限値以上だった場合、分離分析を行っています。
n-ヘキそのものが定量下限未満のときに分離分析しても
あまり意味がないものですから。

このようなやり方はおかしいという御意見があれば、
改めたいと思いますので、よろしくお願い致します。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。法では、環告第64号付表4 としか記載されていないため、付属書の分別方法の取り扱いには、もう少し考えたいと思います。

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