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リスクコミュニケーション 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2025.07.18

リスクコミュニケーション

リスクコミュニケーション   【英】Risk Communication  

解説

環境問題や災害・事故、食品の安全性や放射線の健康被害など、社会を取り巻くさまざまな事象において、人間の生命や経済活動にとって望ましくない事態が発生する可能性に対して、科学的かつ戦略的なリスクマネジメントを行うため、正確な情報を行政や専門家、事業者、国民、NGOなどの関係主体間で共有し、相互に意思疎通を図ることをいう。

「リスク」は、危険性・危険度といった意味の概念だが、必ず起こる被害を意味するわけではなく、被害の影響の大きさや被害が発生する可能性(確率)などの意味を内包する。一方、被害をもたらす原因に対しては「ハザード」という概念が用いられる。危険性があるかどうかのハザード情報と、危険性の程度や確立を示すリスク情報を区別して、適切なコミュニケーションを図ることが重要とされる。近年、これらの用語は、広範な分野で、一般的な用語として使われるようになってきており、その意味も分野により異なることに注意を要する。

環境分野では、特に化学物質について、爆発や漏洩があると周辺住民に大きな被害をもたらすことから、リスクコミュニケーションの基礎として有害化学物質の使用量や貯蔵状態の公表が求められる。

2000年9月にベルリンで開催されたOECDの「リスクコミュニケーション」ワークショップでは、「利害関係者間で健康や環境のリスクに関する情報をある目的をもって交換すること。特に、(a)健康や環境のリスクの程度、(b)健康や環境のリスクの定義や意味、(c)健康や環境のリスクの管理や制御を目指した決定事項、行動計画や方針について、利害関係者間で情報を伝達するという行為である。」と定義している。

有害性のある化学物質の排出や移動に関するデータを集計・公表するPRTR制度に関して、日本では化学物質排出把握管理促進法(1999年制定)に基づいて制度化され、2001年4月から実施されている。(2003年9月作成、2025年4月加筆修正)

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