作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2025.07.17
環境コミュニケーション
カンキョウコミュニケーション 【英】Environmental Communication
解説
環境問題にかかる多様な利害関係者間での情報共有や対話を図ることで、問題の未然防止や解決などに結びつけようとすること。
国際標準化機構(ISO)の2006年8月に発行したISO14063では、「組織が、環境に関する課題や側面、パフォーマンスに関する共通の理解を促進するために、情報を提供及び取得し、内部及び外部の利害関係者と対話するために実行するプロセス」と定義している。一方、環境省は、環境白書において「持続可能な社会の構築に向けて、個人、行政、企業、民間非営利団体といった各主体間のパートナーシップを確立するために、環境負荷や環境保全活動等に関する情報を一方的に提供するだけでなく、利害関係者の意見を聞き、討議することにより、互いの理解と納得を深めていくこと」としている。
第三次環境基本計画(2006年閣議決定)では、メーカー・消費者などステークホルダー間の双方向の環境コミュニケーションが必ずしも十分でない現状を踏まえ、環境情報の共有とそれを実際に役立てるための双方向コミュニケーションの促進を重点分野政策プロジェクトの一つとして位置づけた。なお、環境省と地球・人間環境フォーラムは、平成9(1997)年より環境コミュニケーション大賞を主催し、CSR報告書や統合報告書、環境経営レポートなどあらゆる媒体でのマルチステークホルダー向けの優れた環境報告を表彰することで、事業者の環境コミュニケーションへの取組を促進するとともに、その質の向上を図るとしている。
環境コミュニケーションが重視される背景には、環境保全が地球上に住むすべての人々に利害関係を及ぼすこと、それゆえに義務として求められてきていることがある。特に、化学物質については、爆発や漏洩があると周辺住民に大きな被害をもたらすことから、リスクコミュニケーションの基礎として有害化学物質の使用量や貯蔵状態の公表が求められる。
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関連Webサイト
- 環境コミュニケーションで創造する持続可能な社会(平成13年度環境白書):https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/zu/h13/eav010000001100.html
- 国際標準化機構(ISO)の環境コミュニケーションに関する国際規格が発行された件(環境省):https://www.env.go.jp/hourei/01/000017.html
- ISO 14063:2020(ISO: the International Organization for Standardization):https://www.iso.org/standard/72888.html