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温度躍層 環境用語

作成日 | 2017.07.18  更新日 | 2017.07.18

温度躍層

オンドヤクソウ   【英】Thermocline  [同義]水温躍層  サーモクライン 

解説

水は水温4℃で最も密度が高くなる。温度が上昇するに従い密度が小さくなり軽くなる。一方、4℃以下でも温度の低下とともに密度が小さくなり、凍ると一挙に密度は下がるため、氷が水に浮くことは皆知っている。このため、一般的には水温が低下すると重くなり沈み、温度が上昇すると軽くなり浮いてくる。これによって対流が起き水は混合する。冬季は表層水が冷やされ重くなるため、対流が活発になる。

一方、気温が上昇してくると表層に近い水が温められ、軽くなるため表層水が沈まなくなり、上下混合が起きなくなる。この際、水温の直分布をみると、水温が連続的に変わらず(下がらず)急に変化する箇所がある。この層を温度躍層とよび、この層を境にして上下の混合が更に起きにくくなる。沿岸域、湾や内海では栄養に富んだ陸水河川水)は塩分を含まないため軽く表層に滞留しやすいが、特に温度躍層が出来ていると上下混合が起きないため、栄養がそのまま表層に留まり、赤潮などの原因となる。

なお、沿岸水のように淡水が多く混じった海水以外の海水は、淡水の様に4℃で密度が最大にならず、水温の低下とともに密度は上昇する。つまり、冷たい海水ほど重くなる。(2017年7月作成)

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