人間を含めた地球上のすべての生命にとって、生物多様性はかけがえのない価値と多彩で重大な機能を有しています。そもそも生命の存在そのものが生態系、水や空気の物質循環に依存しています。企業活動においても、生産、流通、販売などさまざまな局面で生物多様性との深い関わりがあります。
シリーズ第1回でも紹介したように、「ミレニアム・エコシステム・アセスメント(Millenium Ecosystem Asseccment)」では、生態系に由来する人類の利益となる機能(生態系サービス)を4つに分類しています。以下、これらの機能分類に沿って、企業活動と生物多様性との関わりを整理してみます。
すべての企業活動は、「サポート」機能に依存しています。食料品や衣料品を扱う企業であれば、その原材料は生態系サービスの「供給作用」から得ていますし、原材料の安定的な供給には、害虫や気候変動などの影響を抑える「緩和作用」が関係してきます。食品や薬品や化学製品の開発に際して、遺伝子資源の「供給作用」が歴史的に大きな役割を果たしてきました。アオカビは薬品としてのペニシリンの開発に決定的でしたし、お酒やチーズなどの身近な食品も遺伝子資源の安定的な供給が必要です。アウトドア製品の会社であれば、生態系が提供するレクリエーションや美しい風景など「文化的効用」が産業を成り立たせています。






