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No.214

Issued: 2012.12.20

2012年環境重大ニュース

 2012年初頭、EICネットでは各界の環境取り組みを率先するリーダーたちにインタビューする『エコチャレンジャー』や、著名人・有識者による寄稿コラム『環境さんぽ道』のコーナーを新たにスタートしました。2012年の一年間で12本ずつの記事を公開しています。本Pick Up!コーナーともども、今後ともよろしくお願いいたします。
 さて、今年も年の瀬となり、一年の環境ニュースをふりかえる『環境重大ニュース』をお送りする季節となりました。EICネット環境ニュース編集部の独断と偏見による選定ですが、今年一年の環境のできごとを思い出し、昨今の環境問題について考えるきっかけとして、ご参考にしてください。
 ご意見・ご感想もお待ちしています。

1)衆院総選挙と、世界首脳の交代劇

 年の瀬になって、野田政権が衆議院解散を表明、12月4日に第46回衆議院議員総選挙が公示されました。解散から総選挙公示までの短い期間に多数の政党が離合集散し、総選挙は12党が乱立して争われることとなり、原発の是非やTPPへの対応、領土問題や景気回復、消費税増税などが大きな争点となりました。12月16日の投開票の結果、定数480のうち、自由民主党が単独で過半数を超える294議席を占めて、前回(2009年)の“政権交代”からの復権を果たしています。一方、民主党は選挙前の230議席から4分の1に激減する57議席と大敗し、野田代表は引責辞任を表明。比例区で第2党となった日本維新の会が自民、民主に続く第3党となっています。
 総務省の発表によると、投票率は59.3%と前回よりも10ポイント近く下げ、1996年の総選挙(59.6%)を下回わる戦後最低を記録。投票しなかった人たちも含めて、今回の“選択”は日本社会の未来にどんな影響を及ぼすことになるでしょうか。

 世界に目を移しても、2012年は“節目の一年”だったと言えます。
 1月の台湾総統選にはじまり、3月のロシア大統領選ではプーチン首相が大統領に復帰。4月にはフランス大統領選(5月に決選投票)でオランド大統領が後継者に決まり、11月には世界の注目を集めたアメリカ合衆国大統領選でオバマ大統領が再選を果たしました。一方、そのアメリカを凌ぐ世界一のCO2排出国・中国では、同じ11月に新指導部を選出する共産党大会が開催され、習近平氏が最高指導者となりました。隣国韓国でも12月19日に5年に一度の大統領選を迎え、朴槿恵氏が新指導者に決まりました。
 各国で大統領選や指導者交代があった2012年、今後の環境政策、国際関係に大きな影響が及ぶことになりそうです。

2)三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興ビジョン

三陸復興国立公園構想として再構成を検討する地域(環境省資料をもとに作成)
三陸復興国立公園構想として再構成を検討する地域(環境省提供)

 今年5月7日、環境省は『三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興ビジョン』を公表。
 三陸復興国立公園構想は、陸中海岸国立公園など傑出した自然風景をもつ地域を中核として創設するもの。東北海岸沿いの同構想エリア内には、種差海岸階上岳県立自然公園(青森県)、陸中海岸国立公園、気仙沼県立自然公園(岩手県)、南三陸金華山国定公園、硯上山万石浦県立自然公園(宮城県)、松島県立自然公園(宮城県)などが含まれます。環境省では、すぐれた自然景観だけでなく、自然の上に成り立っている地域のくらしや文化の活用の場、自然の脅威を学び人と自然のかかわり方を見つめ直す場の整備や災害廃棄物由来の再生資材の活用など、これまでにない新しい取り組みを進めるとしています。
 11月22日には、種差海岸階上岳県立自然公園や隣接する鮫角灯台などを陸中海岸国立公園に編入する第一段階の計画案がパブリックコメントに付され、来年5月に「三陸復興国立公園」としてのオープンをめざしています。

震災の被災状況(2012年2月撮影、宮古にて)/白と青のコントラストが鮮やかな浄土平の景観(同)

震災の被災状況(2012年2月撮影、宮古にて)/白と青のコントラストが鮮やかな浄土平の景観(同)

震災の被災状況(2012年2月撮影、宮古にて)/
白と青のコントラストが鮮やかな浄土平の景観(同)

 なお、国立公園の再編の一環では、旧霧島屋久国立公園から屋久島地域が分離独立し、30番目の国立公園として「屋久島国立公園」が3月16日に誕生しました。世界遺産にも登録された独特の島嶼生態系が日本を代表する風景地として改めて評価され、単独の国立公園となったわけです。
 これに伴い、旧霧島屋久国立公園で火山活動を起源とする霧島および錦江湾の2地域は、「霧島錦江湾国立公園」に名称変更しています。

3)日本の原子力政策を揺るがす震災の余波

 新年早々の1月4日付けで環境省の「福島環境再生事務所」が開設され、さらに新年度からは5つの支所が開設しました。同事務所及び支所は、福島県等における放射性物質の除染推進の拠点として、地域別の除染に関する要望や課題を把握し、県内の環境再生を支援する役割を担うとしています。

 一方、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故を受けて、全国各地の商業用原子炉は続々と定期検査入りしていきました。歴史的瞬間が訪れたのはGWまっただ中の5月5日のこと。北海道電力泊原発第3号機が発電を止めて定期検査に入ったことで、全国の商業用原子炉54基のすべてが稼動を停止することになりました。これは、黎明期に2基しかなかった1970年以来、42年ぶりのことでした。

 7月には、政府が「エネルギー・環境に関する選択肢」に対するパブリックコメントを公示。原子力、再生可能エネルギー、火力の電源構成の異なる3つのシナリオを提示し、選択肢ごとに家庭の電気代と実質GDPへの影響などの試算結果を示したものです。3つのシナリオは、電力構成における原子力依存度を基準に、①ゼロシナリオ(原子力エネルギーが0%)、②15シナリオ(同15%)、③20〜25シナリオ(同20〜25%)──というもの。
 パブリックコメントや意見聴取会を受けて、9月には政府のエネルギー・環境会議で『革新的エネルギー・環境戦略』が決定され、「グリーンエネルギー革命の実現」「エネルギーの安定供給」および「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を3つの柱とし、「…2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する…」と明記、震災前の原子力を基幹電源としたエネルギー選択からの転換を示しています。
 こうした中、10月に内閣府原子力委員会が、原子力政策大綱の策定作業中止を発表。1956年にできた「原子力研究・開発・利用長期計画」時代からほぼ5年ごとに改定されてきた同大綱は、2010年11月から新大綱づくりの作業が始まっていました。

 原子力安全・保安院に替わる機関として「原子力規制委員会」が発足したのは9月のことでした。環境省の外局に位置づけられ、国家行政組織法3条2項に基づく“三条委員会”として、内閣からの独立性が高い行政組織となります。
 同委員会では、発電所敷地内の地質調査を実施し、福井県にある日本原子力発電敦賀発電所の原子炉建屋直下の断層が活断層の可能性が高いとの有識者会合判断を示して大きな注目を集めています。

4)京都議定書第一約束期間の終了年と、改正京都議定書の採択(COP18)

 2012年は、基準年比マイナス6%の削減約束を掲げた、京都議定書の第一約束期間最終年に当たります(※ただし、日本の場合は年度を区切りにしているため、2013年3月末までの排出量をカウント。また、締約国全体での排出削減の目標は「-5.2%」)。
 国が12月に発表した2011年度の速報値に基づく日本の削減状況では、2011年度の排出量が基準年比+3.6%(前年度比+3.9%)となり、森林吸収量の目標と京都メカニズムクレジットを加味すると、京都議定書第一約束期間の4カ年平均(2008〜2011年度)で基準年比「-9.2%」になっています。

日本の温室効果ガス排出量と基準年比達成状況(環境省資料をもとに作成)
日本の温室効果ガス排出量と基準年比達成状況(環境省資料をもとに作成)

 年末には、11月26日〜12月8日までの2週間、当初予定の会期を1日オーバーして、気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)及び京都議定書第8回締約国会議(CMP8)がカタールの首都ドーハで開催されました。
 今会合では、今年で終了する第一約束期間に引き続く第二約束期間を2013年1月1日からの8年間とするなどの京都議定書の改正や、2020年からの新しい枠組み(ポスト京都議定書)に関する基盤整備や作業計画等にかかる合意などを盛り込んだ「ドーハ気候ゲートウェイ(ドーハ・クライメート・ゲートウェイ)」が採択されました。
 なお、新年からの京都議定書第二約束期間には、EUなどが参加する一方で、2001年に離脱した米国のほか、日本やロシアなども先進国だけに削減義務を課す現行の枠組みに反対して、不参加を表明しています。

 一方、2020年からのポスト京都議定書の新枠組みに関しては、革新的エネルギー・環境戦略による原発政策の転換によって、2009年9月に開催された国連気候変動首脳会合で鳩山総理(当時)が条件付きとして掲げた「2020年対1990年比25%削減」という日本の目標は達成困難となり、事実上撤回する考えも示されましたが、衆院総選挙による政権交代もあって、先行き不透明となっています。

5)リオ+20、ブラジルで開催

 1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」から20年、ふたたびリオの地で開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」。6月20〜22日の3日間の会期に、国連加盟188か国及び3オブザーバー(EU、パレスチナ、バチカン)から97名の首脳及び多数の閣僚級(政府代表としての閣僚は78名)が参加したほか、全体会議開催前の準備委員会(6月13〜15日)やブラジル政府主催でNGOや市民が参加した「持続可能な開発対話」(16〜19日)も含めて、各国政府関係者や国会議員、地方自治体、国際機関、企業及び市民社会から約4万人が参加、国連の会議としては最大級の規模となりました。ただし、金融危機に揺れる欧州各国は、ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相など欠席が相次いぎました。アメリカのオバマ大統領も出席を見送り、日本も野田首相に代わって玄葉外務大臣が参加しています。

 同会議で採択された成果文書『我々の求める未来』には、環境と成長の両立を目指す「グリーン経済」の重要性への認識や、持続可能な開発目標(SDGs)についての政府間交渉のプロセスの立ち上げ、持続可能な開発に関するハイレベル・フォーラムの創設、都市・防災など26の分野別取り組みについての合意、持続可能な開発ファイナンシング戦略に関する報告書の作成などが盛り込まれました。

6)白熱電球の国内生産が終了

 今年、国内大手電機メーカーによる家庭用白熱電球の生産が終了し、19世紀末にエジソンが実用化して以来の長い歴史に一つの節目が訪れました。
 地球温暖化防止対策の一環として、消費電力が大きく寿命も短い白熱電球の生産・販売を終了して、消費電力が小さく長寿命の電球型蛍光灯やLED電球への切替を促す動きは全世界的に広がってきています。EUでは、白熱電球の段階的廃止についてのEU指令が2009年に施行し、2012年末までの省エネ電球への切り替えが進んでいます。
 日本では、2007年にチームマイナス6%の活動の一環として国内大手メーカーに対する生産・販売の自粛要請がされ、今年6月には東日本大震災及び福島第一原発事故の影響による節電対策の一環として細野環境大臣兼原発担当大臣が電器店への白熱電球の販売自粛と消費者への切り替えを呼びかけています。こうした動きを受けて、国内大手メーカーでは軒並み生産や販売を中止。最後まで生産を続けていたパナソニックが2013年春の予定を半年繰り上げて今年10月末の生産中止を決定したことで、終幕を迎えることになりました。

7)ロンサムジョージの大往生と、野生生物の“絶滅”の問題

 今年6月、エクアドルのガラパゴス諸島に棲息していたガラパゴスゾウガメの亜種ピンタゾウガメの最後の一頭とみなされている“ロンサム・ジョージ”の死が報道されました。1971年にピンタ島で発見・捕獲された個体で、近い亜種とのペアリングや人工繁殖も試みられたが、成功しないまま、亜種絶滅という結末を迎えることになりました。推定死亡年齢約100歳、体重88kg、体長102cm。ピンタゾウガメの寿命は200歳ほどと考えられ、早すぎる死が悼まれると同時に、亜種絶滅の可能性が高いと見られています。ガラパゴスゾウガメの亜種の絶滅が確認された、ピンタゾウガメが3例目です。

 一方、日本では、8月に環境省が第4次レッドリストを公表。ニホンカワウソなどの“絶滅”が話題になりました。前回リストまで「絶滅危惧IA類(CR)」だったニホンカワウソは、その棲息が最後に記録されたのが、北海道亜種で1955年、本州以南亜種も1979年とすでに30年以上を経過しています。このため、今回のリストでは「絶滅(EX)」へとランク変更されることになったのです。九州地方のツキノワグマも絶滅したとして、「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」から削除、猛禽類の一種ダイトウノスリも「絶滅危惧IA類(CR)」から「絶滅(EX)」に変更されています。
 一方で、トキは「野生絶滅(EW)」からの変更はないものの、春先の野生下での繁殖成功について特記されました。こうした状況が5年以上続けば、絶滅危惧I類(CR)へと移行できることになります。

8)国内初、現存する氷河の“発見”が認められる 〜自然の驚異と脅威

 今年4月、富山県立山カルデラ砂防博物館が2009〜2011年にかけて調査していた北アルプス・立山連峰の3つの万年雪について、国内初の現存する「氷河」と記した論文が日本雪氷学会誌『氷雪』に受理され、掲載されたとの発表がありました。夏には、これらの氷河の見学ツアーも実施されるなど話題となりました。
 “氷河”として認定されるには、大きな氷塊が継続的に動いていることを証明しなくてはなりませんが、同調査ではGPSやアイスレーダーなど最新の小型化した計測機器を用いて、雄山にある御前沢雪渓と、剱岳にある三ノ窓雪渓および小窓雪渓の下のそれぞれに厚さ30m以上、長さ900〜1200mに達する日本最大級の氷河があることを確認。小窓雪渓と三ノ窓雪渓の下にある氷河では、9月〜10月の1ヶ月間に最大30cmほどの水平流動を観測したと報告されています。
 近年、ヨーロッパ等の氷河では、地球温暖化の影響で融け始めて規模を縮小しているとの報道がされ、“地球温暖化のバロメーター”として注目されています。今回“発見”された立山連峰の氷河はこれらよりも規模が小さく、最南端に位置する氷河で気候変動の影響を受けやすいため、大きさの変化を継続的に計測していくことで温暖化のバロメーターとしての役割を果たすことも期待されます。

2012年12にNASAが公開した、宇宙から見た「夜の地球」。 (C)NASA Earth Observatory/NOAA NGDC
2012年12にNASAが公開した、宇宙から見た「夜の地球」。 (C)NASA Earth Observatory/NOAA NGDC

 自然現象としては、春先5月21日の金環日食も大きな話題を呼びました。124年ぶりに本州の広い範囲で観測できるということで、事前の調べ学習なども含めて、子どもたちにとってもよい環境・科学教育の教材となっていました。直後の6月に観測できた金星の太陽面通過なども含めて、大きな天文現象が注目された一年でもありました。
 12月に入って、米航空宇宙局(NASA)が宇宙から見た「夜の地球(Earth at night 2012)」の衛星画像を公開。同局と米海洋大洋局(NOAA)が打ち上げた衛星に搭載された特殊な赤外線画像装置を使って撮影したもので、世界地図やアニメーション動画などとして提供されています。

 一方で、自然の脅威が日本各地を見舞い、猛威を振るった年でもありました。春先には嵐が吹き荒れ、台風並に強大な“爆弾低気圧”の発生が各地に被害や混乱をもたらしました。冬に入ってからも数十年に一度ともいう強い寒気が襲来し、各地が大雪に見舞われています。

 自然の“驚異”と“脅威”を益々実感させられる昨今です。

9)東京スカイツリーが完成・開業 〜地元墨田のごみ対策

東京スカイツリー
東京スカイツリー

 今年の流行語のひとつに、「東京ソラマチ」(東京都墨田区押上)が選ばれました。いわずと知れた、全高634メートルの東京スカイツリーの展望台を含む商業施設一帯のことです。開業は、あいにくの雨模様となった5月22日のことでした。
 東京タワーに替わる新タワー「東京スカイツリー」は、世界一高いタワーという話題性と、斬新なデザインが建設中から大きな注目を集め、“東京の新名所”として、開業から半年で来場者は2000万人を超え、予想以上の賑わいを見せています。

すみだ環境フェア(6月30日撮影)
すみだ環境フェア(6月30日撮影)

 高さ世界一のタワーというだけでなく、環境対策でも世界トップレベルと注目されました。
 もっとも大がかりな施設は、地下に設置された巨大貯水槽(合計7000トン)による大容量蓄熱システム。夜間電力を有効利用して、周辺施設も含むエリア一帯に敷設されたパイプ内を循環して、昼間の冷暖房に使われているそうです。この水は、災害時の生活用水や消防用水などにも使われる予定です。
 また、雨水を貯めて、低層部のトイレの中水、周辺施設の屋上緑化の散水や太陽光パネルの冷却水などに使われています。スカイツリー本体のイルミネーションには省エネ性能の高いLED照明が使われています。施設内のエネルギー使用量を「見える化」した表示システムも導入しています。

 一方、お膝元の墨田区では、スカイツリーの開業当初には観光客によるごみのポイ捨てが問題化し、大きな話題を呼びました。同区では、市民と事業者と行政の協働取り組みによる、ごみ減量とまちの美化の取り組みが進められてきました。
 6月の環境月間に合わせて開催した「すみだ環境フェア」では、楽しみながらごみを拾って、ポイ捨てのしづらいきれいなまちづくりを進めようと、スポーツGOMI拾い大会が開催されています。地元の野球チームや商店街などから150人が参加し、6人1グループで約1時間の競技時間の間に総計166kgのごみを集めたと発表しています。

 新たなランドマークとなった東京スカイツリーは、四季折々の下町情緒あふれる周辺地域の魅力再発見につながり、現地を歩き、眺めるきっかけとなっています。
 一方で、にわかに巻き上がった地元・墨田のごみ騒動。
 よい面・悪い面をひっくるめて、環境問題の縮図を呈することになったと言えそうです。

10)霊山「富士山」&平家に代わって栄えた「武家の古都・鎌倉」、世界文化遺産へ推薦 〜発足40年となる世界遺産条約で

富士山頂からのご来光(2012年7月撮影)
富士山頂からのご来光
(2012年7月撮影)

 2012年に発足から40周年を迎えた世界遺産条約。40年間に登録された世界遺産の総数は962件、条約には190ヶ国が締約国として参加しています。
 節目の年となった今年、「富士山」および「武家の古都・鎌倉」の世界文化遺産への登録をめざして、国連教育科学文化機関(UNESCO)に推薦書が提出されました。
 これを受けて、UNESCOの諮問機関を務める国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の専門家による現地調査が、富士山では8月29日〜9月5日にかけて、鎌倉では9月24日〜27日にかけて実施されました。調査の結果を踏まえて、2013年6月の第37回世界遺産委員会で登録の可否が決まることになります。
 当初は自然遺産の登録をめざした「富士山」では、特にごみ問題を主とする環境管理の困難から推薦を見送った経緯がありました。文化的景観の観点から文化遺産への登録手続きが進められ、2007年に暫定リストに登録されています。
 一方、「武家の古都・鎌倉」は、日本が世界遺産条約に批准した1992年に暫定リストへ記載されました。当時の暫定リストに記載された12件(自然遺産2件、文化遺産10件)のうち、今も世界遺産に登録されていないのは、「古都・鎌倉」と「彦根城」の2件のみとなりました。

 さて、今回文化遺産に推薦された富士山では、各登山口の8合目付近に赤外線カウンターが設置され、年間登山者数を計測しています。環境省の発表によると、開始した2005年に約20万人だった登山者は、2008年に30万人を超えて以降は30万人前後で推移しています。2012年の登山者数は、前年比微増して、318,565人だったと報告されています。
 今年の夏、当センターでも富士登山の研修旅行を敢行、318,565人の末席に加わりました。当日は、夜を徹して登り詰め、ご来光も拝観したことを付け加えて、この項を閉じさせていただきます。