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EICピックアップ アメリカ横断ボランティア紀行 INDEXアメリカ横断ボランティア紀行

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第23話
| 2010.01.21
No.171

第23話 「さよならレッドウッド」

 レッドウッド国立州立公園を去る時が目前に近づいてきていた。アラスカでの2週間があっという間に過ぎ、滞在期間は残すところあと1ヶ月ほどになっていた。次の研修地、ワシントンDCでの研修が11月半ばから始まる。出発までに、荷物の整理、職員へのインタビュー、そして職員向けに、私たちの研修成果に関するプレゼンを行わなければならない。二次林の調査もまだ担当分が残っている。
 10月に入ると、夜、雨が降ることが多くなった。レッドウッドに雨の季節がやってきたのだ。レッドウッドの静かな雨音を聞いていると、来月にはここを出なければならないということが信じられなかった。私たちは、すっかりこの森と公園が気に入ってしまっていた。


第22話
| 2009.08.25
No.167

第22話 「アラスカへ(その4)」

 朝、荷物をまとめフェアバンクスに向けて出発する。出発前、少し早起きして、デナリ国立公園のパークロードを自動車で走ってみた。あいにく動物は1頭も姿を現さなかった。
 デナリ国立公園からフェアバンクスまでは車で3時間ほどの距離だ。来た時とは打って変わって空はどんより曇っている。よく見ると、太陽は出ているようなのだが、辺りが霞んでいる。森林火災の煙が流れ込んできているようだ。フェアバンクスの近郊で、かなり大規模な森林火災が発生していたのだ。


第21話
| 2009.06.11
No.164

第21話 「アラスカへ(その3)」

 デナリ国立公園の少し手前にデナリ州立公園がある。駐車場に車を停めると、すぐ目の前にマッキンリー山とアラスカ山脈が広がる。手前に広がる森林地帯とのコントラストがとてもきれいだ。最初に訪れたキーナイフィヨルド国立公園とは異なる、内陸の本格的な山岳公園らしい景観だ。


第20話
| 2009.03.18
No.160

第20話 「アラスカへ(その2)」

 スワードからアンカレッジに戻った次の日は、晴天に恵まれ暖かい1日となった。アラスカでは9月は晩秋だ。
 「前任のNさん、Kさんはどうしていますか?」
 アラスカ地域を管轄する魚類野生生物局のリージョン7事務所でのインタビューは、こんなふうに始まった。
 「今の担当のMさんもがんばってくれています。だけど、日本(環境省)の担当者は早く代わり過ぎますね。顔と名前を覚えて、これからというところで担当者が代わってしまうのはとても残念なことです」
 そういうケントさんは、このアラスカ地域の仕事一筋20年以上。アメリカでもかなり長い。その間、日本側の担当者はどれだけ代わったのだろうか。


第19話
| 2008.12.11
No.155

第19話 「アラスカへ(その1)」

 “トナカイ、ジャコウウシ、ホッキョクグマの生息地”、“米国49番目の州”、“ロシアから1ヘクタールあたり5セントで購入された土地”、“ハワイ以外で旧日本軍との戦場になったところ”。アラスカにはいろいろな形容詞が当てはまる。オーロラが夜空を彩り、氷河が海に崩れ落ちる「米国最後のフロンティア」は、雄大な自然と魅力がいっぱいだ。  アラスカは、米国本土の5分の1程の面積がある。アラスカの国立公園と野生生物保護区には、他の米国本土48州にはない課題と政策があるに違いない。...


第18話
| 2008.08.28
No.151

第18話 「イエローストーン国立公園」

 1872年、世界で初めての国立公園、イエローストーン国立公園が設立された。今もハクトウワシが舞い、バッファローが群れをなすイエローストーンは、野生生物にとって、アラスカを除く米国本土48州に残された“最後の楽園”といえる。 私たちが訪問した当時、イエローストーンではスノーモービルの乗り入れ規制導入をめぐって関係者の意見が対立し、司法、さらには政権を巻き込んだ論争に発展していた。 自然のスケールばかりでなく、「もめごと」のスケールも大きい。国立公園発祥の地、イエローストーンは、今も国立公園行政のフロンティアと言える。...


第17話
| 2008.06.19
No.148

第17話 「オレゴン州、ワシントン州遠征」

 レッドウッドに到着してから約半年。日々の調査業務にかまけて、報告書作成に必要な情報がなかなか集まらない。『米国の保護地域における自然資源管理』というテーマは、思ったよりも難しかった。残された現地研修期間は3ヶ月。このままではあっという間に終わってしまう。...


第16話
| 2008.04.24
No.143

第16話 「レッドウッドの見どころ」

 アルカタ空港に双発のプロペラ機が到着した。機体はターミナルビルの目の前に止まり、簡単なタラップから乗客が次々に降りてくる。石原都知事も姿を現した。さっそく自己紹介する。...


第15話
| 2008.03.06
No.140

第15話 「国立公園局と州政府の協力」

 「トウキョウのガバナー・イシハラって知ってる?」  ワシントンDCの国立公園局国際課ルディーさんからメールが入った。石原慎太郎都知事のことだ。  「まだ内々の話なんだけど、ガバナーが国立公園視察に興味をもっているらしいんだ。彼が日本の有力な政治家で首相候補のひとりというのは本当?」...


第14話
| 2008.01.10
No.135

第14話 「ヨセミテ国立公園へ!」

 レッドウッド国立州立公園から、針葉樹林の中を走る「レッドウッドハイウェイ」を南下する。セコイア・キングスキャニオン国立公園、そしてヨセミテ国立公園を目指して車を走らせる。同じ道をレッドウッドに向けて北上したときから、ほぼ4ヶ月。いよいよアメリカの国立公園制度の「聖地」ともいうべき、シエラネバダ山脈の山岳地帯を訪れる機会を得た。...


第13話
| 2007.11.01
No.132

第13話 「レッドウッドのボランティア」

  「ワタル、スタージアが呼んでるよ」
 出勤すると、上司のジェイソンさんが探しにきた。さっそくスタージアさんの個室にかけつける。スタージアさんは国立公園勤務の植物学者で、植生部門の「ナンバー2」に当たる。
 「あなたたちにお願いしたいことがあるの」
 私たちが仕事を任されるのはこれが初めてだった。


第12話
| 2007.08.30
No.129

第12話 「レッドウッドの森のボランティア」

  「ユー・ガイズ! まずは年輪計測の練習に行こう」
 私たちの上司のジェイソンさんが同僚のスコットさんと、さっそく私たち2人をフィールドに連れ出す。
 アメリカ国立公園での長期ボランティア研修も、2箇所目の研修地・レッドウッド国立州立公園に移り、新しい生活がはじまろうとしていた。


第11話
| 2007.06.28
No.126

第11話 「レッドウッド国立州立公園到着」

 サンフランシスコで大量の生活物資や食料を買い込み、次の研修地、レッドウッド国立州立公園を目指す。太平洋岸に沿ってカリフォルニア州道1号線をゆっくり北上していくと、これまで走ってきた内陸部とは全く違う風景が広がっていた。レッドウッド国立州立公園のゲートシティーであるアルカタという町までは1泊2日ほどの行程だ。


第10話
| 2007.05.17
No.123

第10話 「大陸横断編・その3(アリゾナ州〜ネバダ州〜カリフォルニア州)」

 グランドキャニオンは、コロラド川に沿って形成された延長277マイル(446キロメートル)、幅15マイル(約24キロメートル)、深さ6,000フィート(1,830メートル)にも及ぶ大峡谷だ。私たちは、グランドキャニオンの南にあるアリゾナ州フラッグスタッフからこの大渓谷を目指し北上していた。...


第9話
| 2007.03.15
No.120

第9話 「大陸横断編・その2(テキサス州→ニューメキシコ州→アリゾナ州)」

 約9ヶ月を過ごしたマンモスケイブ国立公園(ケンタッキー州)を離れ、次の研修地であるレッドウッド国立州立公園(カリフォルニア州)を目指す。そこは、マンモスケイブ国立公園から直線距離にして約3,500km、太平洋岸北部にある巨木と霧の公園だった。...


第8話
| 2007.01.18
No.117

第8話 「大陸横断編その1(テネシー州−ミシシッピー州−ルイジアナ州−テキサス州)」

 ゆったりとしたカーブが鬱蒼とした森の中に続く。アメリカの国立公園での最初の研修となった、ケンタッキー州マンモスケイブ国立公園での9ヶ月間の勤務を終え、次の研修地、カリフォルニア州レッドウッド国立州立公園を目指す。約9ヶ月間のレッドウッド勤務を経て、3ヶ所目の研修地、ワシントンDCでの研修を終えると、アメリカ大陸を一往復することになる。
 この最初のアメリカ横断の旅は、ナチェストレイス・パークウェイからはじまった。テネシー州の州都ナッシュビル近郊からミシシッピー州南部のナチェスまでをつなぐ総延長444マイル(約710km)のパークウェイは、かつての交易路に沿って整備されている。交易路はナチェストレイスと呼ばれ、近代アメリカ合衆国建国の歴史が文字通り「刻み込まれて」いる。


第7話
| 2006.11.30
No.113

第7話 「さよならマンモスケイブ」

   「W氏はもうここにはいません。国立公園局を去りました。残念ながら鈴木さんたちのことを引き継いでいる者はおりません」
 2003年11月。マンモスケイブ国立公園のボランティア生活も半年を越え、そろそろ次の研修先であるゴールデンゲート国立レクリエーション地域での生活について準備を始めなければならない時期に差し掛かっていた。予想外の回答に、私たち夫婦は2人とも面食らってしまった。


第6話
| 2006.10.26
No.109

第6話 「遠征編 from Mammoth Cave」

  国立公園北の入り口ゲートを通過してしばらくすると、右手に広々とした盆地をシェナンドア川がゆったりと蛇行して流れる風景が一望できる。ここはバージニア州にあるシェナンドア国立公園。アパラチア山脈の北端に位置する国立公園で、首都ワシントンDCからは2時間程の距離だ。
 公園を南北に貫くスカイラインドライブは、ほぼ山脈の稜線に沿って建設されている。
 路傍の駐車スペースで車を降りると、私たちはすぐにカメラを取り出して写真に収まった。


第5話
| 2006.09.14
No.106

第5話 「マンモスケイブ国立公園の夏」

 マンモスケイブ国立公園でのボランティア生活も1ヶ月を経て業務にも慣れてきたある日のこと。出勤前にメールをチェックしていたところ、久しぶりに環境省の元同僚からメールが届いていた。日本を出発して以来、メールは1日1通来るかこないか。それもほとんどは友人や身内からだった。
 「お元気ですか?」から始まる少し長いメールは、至急の調査依頼だった。期限は1週間。調査内容は、国立公園における建設事業の事業評価とアセスメントの手法について。どうやらまたひと騒動起きているようだ。


第4話
| 2006.07.27
No.102

第4話 「マンモスケイブ国立公園での生活」

 アメリカで自動車がないことは死活問題だ。
 ケンタッキー州の片田舎にあるマンモスケイブ国立公園では、最寄りのスーパーマーケットまで車で30分はかかる。それでいて、公共交通機関はまったくない。
 公園内には、キャンプストアが開店している。ただ、卵やソーセージなどは売っていても、野菜や雑貨がない。値段も高く営業時間が短い上に、近いとはいえ、宿舎から徒歩で片道15分ほどかかる。
 ボランティアをしていると毎日弁当が必要だし、肉体労働なのでお腹も減る。日本を出るとき、アメリカに着けば何でも買えるだろうと、食材はそれほど持参してこなかった。それも、到着から1週間ほど経って、すでに底をつきはじめていた。


第3話
| 2006.06.08
No.098

第3話 「ボランティア開始」

 公園の管理事務所ではボランティア・コーディネーターのメアリーアンさんが待っていてくれた。早速、ボランティアの簡単な契約書にサインする。ところが、どういうわけか契約書が2枚用意されていた。「2人でボランティアやるんでしょ?」と当然のように言うメアリーアンさん。妻も特にやることはなかったし、英語でうまく説明できそうにはなかったので、そのまま2人ともボランティア登録することにした。手続き終了後、ボランティア時間の記録票と帽子を1つずつもらった。
 後でわかったことだが、ボランティア宿舎に滞在するには、週におおむね40時間程度の勤務が必要だ。家族も例外ではない。ボランティアハウスに入居させてもらえることになった時点で、妻にもボランティアとして勤務する義務が生じていたのだった。


第2話
| 2006.04.20
No.094

第2話 「受入れ先決定〜マンモスケイブ到着」

 当初の甘い見通しに反し、研修先が決まらなかった苦悩の日々。今思えば、公園側のニーズも応募者側(=私たち自身)の特性も考えず、闇雲に当たっては砕けていた。研修の権利失効期限が迫る一方、なかなか出口の見えない手探り状態が続いていたが、ここにきてようやく、少しずつコツらしきものも見えてくるようになっていた。


第1話
| 2006.03.24
No.092

第1話 「アメリカでの研修!?」

 日本の“レンジャー”が体験したアメリカの国立公園での長期滞在ボランティア。それは、日本の“ボランティア”観を覆す衝撃的な体験だった──。
 アメリカ合衆国(以下「アメリカ」)におけるボランティアへの社会的な認知度は高く、またボランティア自身もプライドを持って、明るく楽しく活動している。豊かなアメリカとはいえ、ボランティアの貢献なしでは連邦政府の現地業務は回らない。ボランティアは無給のスタッフとして行政組織の重要な一翼を担っているのです。主体的で明るく楽しく、いわば、直接民主主義の発露として社会に関わっているボランティア。アメリカ国民の誇りともいえる国立公園で働くパーク・ボランティアは、その典型といえる。
 本シリーズでは、アメリカの国立公園で長期滞在のパーク・ボランティアとして公園管理の表裏を実際に体験してきた環境省職員の鈴木さんに、さまざまなエピソードをご紹介していただき、併せて、アメリカ各地の国立公園の魅力とそれぞれの公園の抱える問題などについても言及いただく予定。先日お送りした「導入編」を受け、いよいよ今回から、待望の「本編」をスタートします。


導入編
| 2006.01.31
No.089

導入編

 日本の“レンジャー”が体験したアメリカの国立公園での長期滞在ボランティア。それは、日本の“ボランティア”観を覆す衝撃的な体験だった──。
 アメリカ合衆国(以下「アメリカ」)におけるボランティアへの社会的な認知度は高く、またボランティア自身もプライドを持って、明るく楽しく活動している。豊かなアメリカとはいえ、ボランティアの貢献なしでは連邦政府の現地業務は回りません。ボランティアは無給のスタッフとして行政組織の重要な一翼を担っているのです。主体的で明るく楽しく、いわば、直接民主主義の発露として社会に関わっているボランティア。アメリカ国民の誇りともいえる国立公園で働くパーク・ボランティアは、その典型といえます。
 本シリーズでは、アメリカの国立公園で長期滞在のパーク・ボランティアとして公園管理の表裏を実際に体験してきた環境省職員の鈴木さんに、さまざまなエピソードをご紹介していただきます。併せて、アメリカ各地の国立公園の魅力とそれぞれの公園の抱える問題などについても言及いただく予定。本編は、その導入としてお送りするものです。


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