チョウ目害虫への抵抗性を持つワタなど４種　拡散防止策をとらない使用承認への意見募集開始　

【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2007.04.10 【情報源】環境省／2007.04.10 発表

　環境省と農林水産省は、遺伝子組換え生物を環境中への拡散防止策をとらないで使用する（カルタヘナ法の第１種使用に該当する）案件の承認申請が４件提出されたことから、これらの案件の承認について、平成１９年５月９日まで意見を募集することにした。
　カルタヘナ法では、第１種使用を行う場合に、主務大臣が学識経験者の意見を参考としながら、生物多様性への影響の度合いを判断し使用承認の可否を決定する」ことになっている。
　今回意見募集を行う事例は、デュポン（株）が申請した、（１）除草剤グリホサートとアセト乳酸合成酵素阻害剤（注１）への耐性を持つトウモロコシ（gat4621, zm-hra, Zea mays subsp. mays (L.) Iltis）（DP-098140-6, OECD　UI: DP-098140-6）、（２）高オレイン酸含有（注２）で、除草剤、アセト乳酸合成酵素阻害剤への耐性を持つダイズ （gm-fad2-1, gm-hra, Glycine max (L.) Merr.)(DP-305423-1, OECD UI: DP-305423-1)、シンジェンタシード（株）が申請した（３）チョウ目害虫への抵抗性を持つワタ（改変cry1Ab, Gossypium hirsutum L.)（COT67B,OECD UI: SYN-IR67B-1、（４）チョウ目害虫への抵抗性を持つワタ（改変vip3A, Gossypium hirsutum L.)（COT102, OECD UI: SYN-IR102-7）。
　学識経験者からの意見聴取の結果では、いずれも生物多様性への影響がないとされており、環境省と農林水産省では今回の意見募集結果で問題がみつからなければ、基本的に使用を承認する方針。
　意見は郵送、ＦＡＸ、電子メール（または専用の意見募集フォーム）により受付けている。宛先は環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室（住所：〒１００−８９７５東京都千代田区霞が関１−２−２、ＦＡＸ番号：０３−３５０４−２１７５、電子メールアドレス：bch@env.go.jp）。

（注１）植物が持つアミノ酸合成に関係する酵素「アセト乳酸」の活性を阻害する薬剤。除草剤として使用されている。
（注２）多価不飽和脂肪酸含有量を減らし、代わりに一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸含有量を増やした。【環境省】