一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

WHO国際電磁界プロジェクト、超低周波電磁界の健康リスク評価結果を公表

健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2007.06.20 【情報源】環境省/2007.06.20 発表

 家電製品、電力設備、携帯電話などから発生する電磁界が、健康と環境へ及ぼす影響を評価するためのプロジェクト「国際電磁界プロジェクト」を進めている世界保健機関(WHO)は、超低周波電磁界についての健康リスク評価の結果を環境保健クライテリア(基準)として、2007年6月19日までに取りまとめた。
 WHOの国際電磁界プロジェクトは、電磁界が人の健康に悪影響を与える可能性について国際的な関心が高まったことを踏まえて1996年に開始され、現在は54か国の政府、国際機関などの参加の下、高周波電磁界と超低周波電磁界にわけて健康リスク評価の取組みを進めている。
 今回まとまった超低周波電磁界の環境保健クライテリアは、100ヘルツ以下の電磁界を対象に(注1)、人への健康リスクを評価したもの。
 (1)現行のばく露規制値を上回る強い電磁界は、神経や組織への刺激を引き起こす可能性があるが、一般環境中の電磁界レベルについては、神経系や免疫系などに悪影響を示す結果は立証されていない、(2)一部の疫学研究で、磁界ばく露と小児白血病のリスク増加との間の弱い関連性が報告されているが、動物実験や細胞実験では健康に悪影響を及ぼす可能性を示唆する再現性のある実験結果は得られておらず、国際がん研究機関(IARC)が01年に行った超低周波磁界の発がん性評価の結果「人に対して発がん性があるかもしれない(注2)」を変更する必要はない、(3)国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が定めている国際的ガイドライン(注3)を尊重すべきであり、電力の健康上・社会的・経済的便益を損なわない限りで、ばく露を低減するための低費用の予防策を実施することは妥当−−などの内容を示している。【環境省】

(注1)超低周波電磁界とは、一般的には300ヘルツ以下の周波数の電磁界を指すが、今回の環境保健クライテリアは、人に与える相互作用(刺激作用)を考慮して、100ヘルツまでを対象としている。
(注2)国際がん研究機関は、「1 ヒトに対して発がん性がある」、「2A ヒトに対しておそらく発ガン性がある」、「2B ヒトに対して発がん性があるかもしれない」、「3 ヒトに対する発がん性を分類できない」、「4 ヒトに対しておそらく発がん性がない」の5分類により、発がん性評価を行っている。
(注3)「時間変化する電界・磁界、電磁界へのばく露制限のためのガイドライン」。

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース

関連情報

関連リンク