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環境ニュース[国内]

JFEスチール、鉄鋼製造副産物でつくったブロック上でサンゴの産卵を初めて確認

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2011.09.16 【情報源】企業/2011.09.12 発表

 JFEスチールは、鉄鋼製造工程の副産物で生じる鉄鋼スラグ(かす)で造ったサンゴ礁造成用ブロックの上でサンゴの産卵を初めて確認した。沖縄・宮古島で生まれたサンゴの幼生(子供)がブロック上で成長し、親サンゴになって卵を産んだ。生育サイクルが確認できたことから、このブロックがサンゴ礁再生に適した素材であることが実証された。

 ブロックの商品名は「マリンブロック」。1998年にJFEスチールが世界で初めて開発した。鉄鋼スラグに二酸化炭素を吹き込んで固めて製造する。主成分がサンゴや貝殻と同じで、サンゴや海藻が着生する効果を持つ。藻場サンゴ礁造成用ブロックとして展開し、これまでに実験中の場所を含み国内33カ所、海外1カ所で設置実績がある。

 宮古島平良港トゥリバー地区で2005年に始めたサンゴ再生実証試験の場で産卵を確認した。卵を産んだのは、2005年5月に生まれ、同年10月にマリンブロックに移植して直径30cmまで成長したサンゴの一種、ハナガサミドリイシ。海底に設置した自動撮影カメラが、2011年5月17日午後10時50分ごろから約10分、バンドルと呼ばれる卵子と精子が詰まったカプセルを放出する様子を撮影した。

 この実証試験は、実際の海域で行う新技術の試験支援を目的に国が実験場を提供する制度を活用し、JFEスチールと東京海洋大学が実施している。産卵の確認によってマリンブロックがサンゴ礁再生に有効であることが証明され、世界的に減少傾向にあるサンゴ礁の再生に向けて世界展開が可能になる、と見込む。JFEスチールは今後も、鉄鋼スラグの活用で環境保全を図る技術の開発を進める。【JFEスチール(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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