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三菱重工業、船と水の摩擦抵抗を軽減するシステムをフェリーに初搭載し燃費改善

エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.10.09 【情報源】企業/2012.10.03 発表

 三菱重工業は、泡の力で船体と水の抵抗を減らして燃費を向上させる独自のシステム「三菱空気潤滑システム(MALS)」をフェリーに初めて搭載した。海運業のマルエーフェリー(鹿児島県奄美市)の新造船「フェリー波之上」で海上運転した結果、5%以上の省エネ効果を確認し、フェリーのように平らな船底部が少ない高速・痩せ型船でのMALSの有効性を実証した。

 MALSは、船底から送風機で吹き出した空気が細かい気泡になり、船底を空気のカーペットのように覆い、航行時の船体と水の摩擦抵抗を軽減する仕組み。2010年に、プラントなど重量構造物専用船のモジュール運搬船2隻に初めて搭載して燃費向上を確認した。今回、フェリーなど高速・痩せ型船を対象にシステムを開発し、適用範囲を拡大した。

 フェリー波之上は、三菱重工の下関造船所(山口県下関市)で建造した。全長145m、幅24m、喫水(水面から船底までの距離)6.2m、総トン数8072tで、鹿児島−奄美−沖縄航路に9月27日に就航した。海上運転試験では波が2.5〜3mと高かったものの、5%以上の燃費改善効果があった。空気がクッションになり、振動騒音も低減し、乗り心地も高まる。

 フェリー波之上の推進ディーゼル機関は、新たに適用されたNOx(窒素酸化物)排出規制強化に伴って燃費が悪化するが、MALSによる5%以上の改善効果でこれを補うことができるようになる。三菱重工は今後も、フェリー波之上の実際の運航状況を追跡してMALSの省エネ・CO2削減効果を検証し、フェリーなど高速・痩せ型船への導入を進める。【三菱重工業(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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