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三菱重工、新しい発想の海中燃料電池システムの実海域試験に世界で初めて成功

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2013.11.18 【情報源】企業/2013.11.13 発表

 三菱重工業は、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と共同開発した新しい発想の海中燃料電池システムで、実際の海域で海中の観測機器に電力を供給する試験に世界で初めて成功した。ガス循環系に新構造を採用することで技術的課題を解決した小型の燃料電池システムとなる。海底、海中の機器などを長時間稼働させる電源として期待される。
 試験に成功したのは、固体高分子形の高効率マルチ・レスと呼ばれる燃料電池システムで、燃料電池は直径60cm、長さ80cm、重さ500kg以下、出力350W以上となる。試験ではJAMSTECの海洋調査用えい航体に搭載して水深180mまで沈め、2つの観測機器に同時に電力を供給した。その結果、安定的な供給と、電力を受けた機器の継続した観測が確認できた。
 海中では有人潜水船や無人探査船、えい航体など多くの観測設備が使われ、近年は装置が高度になったり観測期間が長期化し、必要になる電力量が増大している。そのため、出力容量に制限がある蓄電池の能力不足が指摘され、閉鎖式の燃料電池システムの開発が進められてきた。燃料電池は蓄電池と異なり、水素と酸素があれば電気を作り続けられる。
 燃料電池システムにはガス循環装置や加湿装置が必要で、小型化できないうえ水素ガスの微量のもれを防げない問題があった。開発したシステムはガス循環系などに新たな機構を採用して循環器や加湿器を不要にするとともに、電池本体を密封してもれをなくした。試験の成功で実用化のめどがつき、今後は実用水準となる数kWのシステム開発を進める。【三菱重工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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