アスベスト被害救済制度に基づく指定疾病の認定のための医学的判定を実施

【健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2014.02.04 【情報源】環境省／2014.02.03 発表

　環境省は、アスベスト救済法（石綿による健康被害の救済に関する法律）に基づいて（独）環境再生保全機構から申し出のあった、医療費等の申請96件（注1）、特別遺族弔慰金等の請求28件（注2）に対して、認定疾病に関する医学的判定を平成26年2月3日に行い、結果を発表した。
　医療費等申請のうち中皮種・肺がんに関しては、79件中50件（中皮種41件、肺がん9件）が「認定疾病と判定」、4件（全て中皮種3件）が「認定疾病でないと判定」、25件（中皮種21件、肺がん4件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関する判定は無かった。
　また、特別遺族弔慰金等の請求のうち、中皮種・肺がんの『施行前死亡者に係るもの』に関する判定は無かった。『未申請死亡者に係るもの』に関しては、19件中9件（中皮種6件、肺がん3件）が「認定疾病と判定」、1件（肺がん）が「認定疾病でないと判定」、9件（中皮種8件、肺がん1件）が「判定保留」であった。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関する判定は無かった。
　これにより、これまでの判定分とあわせると、医療費等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの累計は5,158件（中皮腫4,232件、肺がん926件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては63件（石綿肺18件、びまん性胸膜肥厚45件）、特別遺族弔慰金等の適用対象とする罹患事例のうち中皮種・肺がんの判定件数は『施行前死亡者に係るもの』が149件（中皮腫5件、肺がん144件）、『未申請死亡者に係るもの』は567件（中皮腫444件、肺がん123件）、石綿肺・びまん性胸膜肥厚に関しては、『施行前死亡者に係るもの』が6件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚4件）、『未申請死亡者に係るもの』が4件（石綿肺2件、びまん性胸膜肥厚2件）となっている。
　なお、判定が保留された事例に対しては、(独)環境再生保全機構が申請者や医療機関に必要資料の追加提出を求め、改めて判定を行うことになる。

（注1）うち25件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。
（注2）うち3件はこれまでに「判定保留」とされた案件で、今回改めて資料の提出があったため、再度判定された。

【環境省】