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環境ニュース[国内]

三菱重工など、原油随伴ガスから水素と炭酸ガスを製造する洋上浮体施設を開発

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2014.10.29 【情報源】企業/2014.10.24 発表

 三菱重工業は、原油随伴ガスから水素と炭酸ガスを製造・出荷する洋上浮体施設(FPSO)の設計指針を千代田化工建設と共同開発した。船舶の安全審査などを行う日本海事協会の基本承認を取得した。水素エネルギーが製造できるFPSOの世界初の実現に向けて、今後実用化を進める。水素は、燃料電池車の普及に伴って需要拡大が見込まれている。
 このFPSOは、海底油田の上に設置された洋上プラントで原油の掘削によって発生する原油随伴ガスの性質を変え、水素と炭酸ガスに変換して取り出す。炭酸ガスは自然衰退した油田の増進回収法に活用する。水素は有機化合物のトルエンと化学反応させて、メチルシクロヘキサン(MCH)と呼ばれる化学物質にし、常温・常圧の液体状態にして貯蔵する。
 FPSOに貯蔵したMCHは、化学物質を運ぶケミカルタンカーなど既存の輸送船で目的地まで海上輸送し、千代田化工建設が開発した設備でMCHから水素を取り出す。これによって水素が供給できるようになる。扱いやすく安全なMCHで水素の輸送が可能で、専用の水素輸送船を必要としない。大きな設備投資をすることなく、水素の供給網が構築できる。
 FPSOは石油・ガスの生産・貯蔵・積み出し設備などを備える浮体施設を指し、石油のFPSOは、油田が枯渇した後、他の油田に移設・転用できる利点がある。三菱重工は石油のFPSOの建造・納入実績はあるが今回のようなFPSOは初めてのため、自社の船舶技術と千代田化工建設の水素技術を組み合わせて開発した。承認の取得で水素利用拡大に近づいた。【三菱重工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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