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環境ニュース[国内]

竹中工務店など、研究チームが高層ビルに囲まれた緑地低温化と樹木の効果解明

環境一般 まちづくり】 【掲載日】2015.03.24 【情報源】企業/2015.03.19 発表

 竹中工務店と、三菱地所系で都市・建築企画・設計の三菱地所設計、独立行政法人の海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究チームは、高層ビルに囲まれた緑地の低温化現象と、それをもたらす樹木による効果を解明した。東京・丸の内の「丸の内パークビル」(地上34階)の中庭を対象に、3次元連続観測と街区高解像度シミュレーションを活用した。
 ヒートアイランド現象など都市の熱環境への関心が高まる中、緑地の効果が注目される一方、気温低減効果についての調査はこれまでなかなか実現されていなかった。丸の内パークビルは三菱地所設計が設計し、竹中工務店が施行した。両社は2012年と2013年の夏に同ビルの夜間の気温、樹冠表面温度、風向・風速について立体的に連続観測を行った。
 中庭で気温低下が生じ、樹木が寄与している可能性が示唆された。JAMSTECはこれを受け、中庭の緑地が低温化にどう寄与しているか調べるため、2013年8月7、8日の夜間を対象に高解像度数値シミュレーションを実施した。その結果、観測事実と同様、中庭の夜の気温低下が再現され、樹木の放射冷却と蒸散作用に要因があることが明らかになった。
 葉面の温度が放射冷却と蒸散で低下し、空気が冷却されるため、仮想的に中庭に樹木がないケースと比べたところ、樹木があるケースより中庭内外の気温差が小さかった。このシミュレーション技術を活用すると、屋外空間を設計する際、複数案をシミュレーションして快適な空間が整備できる。今後さまざまな樹種を考慮して有効性を示す。【(株)竹中工務店】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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