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環境ニュース[国内]

東芝、関西電力に納入した初の小水力向け可変速発電システムが営業運転を開始

エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2016.04.06 【情報源】企業/2016.04.01 発表

 東芝が関西電力の出し平(だしだいら)発電所(富山県黒部市)に納入した自社初の小水力向け可変速発電システムが、営業運転を始めた。これまで発電に使用されていなかった水資源の有効利用を可能にした。出し平発電所は落差と流量の変化幅が大きく、回転速度が一定な従来の水車では、全ての運転範囲での安定運転が難しかった。

 出し平発電所は、ダム直下の河川が持つ正常な機能と河川環境を維持するために、定められた量の水を流すダム放流水(維持流量)で発電する。落差と流量の変化幅の大きさといった技術的課題に対して、発電機の出力側に周波数変換器を設けることで、広い範囲で回転速度が変えられるようになる小水力向け可変速システムを採用した。

 このシステムは、発電機の出力を周波数変換器で電力系統の周波数に変換する。これによって全ての運転範囲で、水車を安定運転でき、従来は発電に使うことなく放流していた維持流量が利用できるようになった。520kWの最大出力があり、約171万kWhの年間発電量を見込んでいる。一般家庭480世帯の年間使用電力量にあたる。

 CO2排出量の削減効果は年間約900tになる。関西電力は今後も、維持流量の有効活用や都市部の用水路を使った小規模水力発電の開発を検討する。東芝は1894年に日本初の事業用水力発電所に出力60kWの水車発電機を納入して以来、世界に2000台以上・5万6000MW(5600万kW)以上の実績がある。今回を機に水力事業の一層の拡大を目指す。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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