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環境ニュース[国内]

UNEP エデンの園−メソポタミア湿地が消失の危機

自然環境 生物多様性】 【掲載日】2003.04.02 【情報源】/2003.03.22 発表

 UNEPは、3月22日、イラン・イラク国境にまたがるメソポタミア湿地が急速に消失し続けている とする研究結果を公表した。UNEPは、イラクの戦後復興の中に、メソポタミア湿地を考慮に入れる必要性があると主張する。
 メソポタミア湿地は、チグリス・ユーフラテス川流域の肥沃な三日月地帯として知られ、旧約聖書に登場する「エデンの園」の地ではないかとも考えられている。しかし、UNEPは2年前から、この湿地の状況について特に危機感を抱いている。既に1970年代初頭から2000年にかけて、この湿地の90%が失われてきた。さらに、今回発表された新たな研究によると、2000年以降、残された湿地の3分の1に当たる325km2が乾燥化してしまった。現時点では、元々のメソポタミア湿地の7%しか残っていない。緊急の対策が施されない限り、メソポタミア湿地は、3〜5年の間に失われてしまいそうだ。
 UNEPのクラウス・テプファー事務局長は「ここ100年の間に、世界の湿地の50%が失われた。メソポタミア湿地では乾燥化が続いており、より決定的かつ具体的な行動が求められる」とコメントする。
 なお、UNEPの紛争後アセスメント部(Post Conflict Assessment Unit)は、すでにイラクの環境状況について、デスク・スタディを開始している。テプファー事務局長は、灌漑プログラムやチグリス・ユーフラテス川上流部のダムを含め、メソポタミア湿地に影響を与えている可能性があるものについて、アセスメントが必要だと述べる。また、短期的には、イラン及びイラク国内のダムからの緊急放水も求められる。【UNEP】

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