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環境ニュース[国内]

国際シンポ「海洋生物資源の利用と保護の相互理解へ向けて」を開催

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2004.03.08 【情報源】外務省/2004.03.08 発表

 外務省と比較法文化学会は2004年2月25日に、東京・港区の三田共用会議所講堂で国際シンポジウム「海洋生物資源の利用と保護の相互理解へ向けて」を開催した。
 このシンポジウムは海に囲まれた国日本の重要産業・漁業にまつわる国際問題を一般の人に理解してもらうために、同省が毎年開催しているもので、今回は2003年6月に開催された第55回国際捕鯨委員会(IWC)総会でも保護と利用のバランスについて議論が白熱した捕鯨問題を中心テーマとし、東京大学農学部の林良博教授による「捕鯨の倫理」、メリーランド大学のロバート・ネルソン教授による「西洋における環境保護の宗教的根源」、甲南女子大学多文化共生学科の森田勝昭教授による「日本列島の捕鯨近代化にともなう文化変容と伝統」、英国BBCプロデューサーのジェレム・ブリストウ氏による「日本の捕鯨を理解する:外国人ジャーナリストの視点」の4講演が行われた。
 このうち林教授は、IWCで鯨の致死時間を短縮する捕殺方法の改良に携わってきた経験から、無益な殺生は避けるべきであり、家畜を殺すことも鯨を殺すことも同様に罪深いことと発言。欧米の反捕鯨の主張には文化帝国主義的な押しつけがあるものの、相互理解を通じてより良い文化を継承・発展する必要があると述べた。
 また、ネルソン教授は西洋で生まれ発展した環境保護運動には、他者への不寛容、世界の救済意識、ユーモアの欠如、環境汚染の罪悪視、十字軍的な正義感などプロテスタント的な特徴があると指摘するとともに、科学的データを集めないまま政策決定を行ってきたアメリカの環境保護当局への疑問を述べた。
 講演後の質疑応答セッションでは、かつて日本はNGOの存在についての理解が不足していたとの指摘があり、これに対しネルソン教授が「捕鯨反対派は世論を代表している訳ではないが、反捕鯨国の政府が捕鯨を容認しても国内の支持を得るものは何もない。日本は捕鯨を容認させるために切るカード(交換条件)を得るか、大変な努力をして圧力をかけなければ、反捕鯨国の政府に期待するのは無理だろう」と答えていた。【外務省】

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