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環境ニュース[国内]

美浜原発3号機二次系配管破損事故中間報告、 配管肉厚管理の強化方針示す

エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.10.06 【情報源】原子力安全・保安院/2004.09.27 発表

 原子力安全・保安院は平成16年8月9日に発生した関西電力(株)美浜原発3号機の二次系配管破損事故についての中間報告を16年9月27日までにまとめた。
 美浜3号機の事故は、基本的には放射性物質が含まれていない加圧水型軽水炉二次系配管の破損事故で、事故直後の原子炉データにも大きな問題が認められなかったにもかかわらず、結果的にタービン建屋内の作業員5名が死亡し6名が負傷する大事故となった。
 今回の中間報告は保安院が美浜発電所に対して行った立入検査、関係者からの事情聴取、保守点検事業者からの報告徴収結果、美浜発電所3号機二次系配管破損事故調査委員会での検討内容などを踏まえてまとめられたもの。
 これまでの調査結果から、配管の破損原因はエロージョン/コロージョン(配管に触れる流体などが原因となった物理的損傷と化学的腐食の相互作用によって起きる減肉現象)と推定されているほか、破損を引き起こした直接的要因は、点検を実施していた三菱重工(株)と(株)日本アームが破損箇所を点検リストに記載漏れし続けた上に、委託元の関電による点検リスト管理がずさんだったためと指摘された。
 なお関電については、他原発も含めた調査で6機の配管15か所で点検漏れが更に判明(注1)したことから、「ミスの背景に同社の品質保証、保守管理が機能していなかったことがある」と厳しい評価が示されている。
 また対策としては、事業者に点検リストの体系的管理、的確な外注管理実施−−など品質保証・保守管理の徹底を求めるとしたほか、同院としても配管肉厚管理に関しての「PWR管理指針」・各事業者社内基準の再検討(注2)、定期事業者検査での配管肉厚管理についての検証規定明確化−に取り組むとの方針が示されている。

(注1)関電が「点検未実施箇所」として報告した4か所と「点検未実施であるが同一仕様の他プラントの測定結果から健全性確認ずみ」と主張した11か所を加えた数字。保安院は両方とも「適切な管理が行われていなかった箇所」と評価した。
(注2)「PWR管理指針」見直しは当面の措置。将来的には日本機械学会が策定中の配管肉厚管理手法の規格を行政手続法上の判断基準に位置づけるとされている。【原子力安全・保安院】

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