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環境ニュース[国内]

帳簿上は「廃棄済み」と記述 理化学研究所の放射性同位元素違法保管問題 

エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.12.13 【情報源】文部科学省/2004.12.09 発表

 埼玉県和光市にある理化学研究所の放射線管理区域外で放射性同位元素がみつかった件について、同研究所は平成16年12月4日までに原因、再発防止策について報告をまとめ文部科学省に提出した。
 報告によると、放射性同位元素が入っていた冷凍庫は、この冷凍庫を使用していた研究グループが14年4月に理化学研究所筑波研究所から和光市の研究所に引っ越した際に持込んだもの。中に入っていた放射性同位元素を当時の使用者が帳簿上廃棄したことにし、冷凍庫を管理区域外に持ち出す際の汚染検査でも内容物を確認していなかったため、持ち込み後も放射性物質が入っていると認識されず、放射線管理区域外に置かれたとされた。
 また再発防止策としては(1)大型物品の管理区域外への持ち出し時には内容物をすべて確認することを放射線障害予防規定上に位置づける、(2)放射性同位元素が含まれる試料を収納する外容器に放射能標識を貼るなど非放射性物質との区別をはっきりさせる、(3)教育訓練により改善内容の周知徹底を図る、(4)研究員に対しては、入所時から放射性物質管理に関する教育訓練を行い、退職時には使用していた放射性物質の廃棄・譲渡の確実な履行を本人と所属長に注意を促す−−などの内容が示したほか、文部科学省の指示に基づき、全事業所で管理されていない放射性同位元素がないか徹底調査し12月中をめどに結果を報告するとした。
 なお報告を受けた文部科学省は、報告内容をおおむね妥当であると評価。ただし使用実態と離れた帳簿記載がされたという、放射性物質管理の基本が破られた事態を重く見て、16年12月9日付けで原子力安全課長名の文書を理化学研究所理事長に送付し、帳簿の管理について具体的な対策を講じ報告するよう改めて指示した。【文部科学省】

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