一般財団法人環境イノベーション情報機構
ワシントン条約締約国会議 クロマグロやフカヒレ、象牙の扱いが焦点に
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2010.02.10 【情報源】国連/2010.02.05 発表
カタールのドーハで、3月13日〜25日まで、絶滅の恐れのある野生生物の取引を規制するワシントン条約の締約国会議が開催される。締約国会議は3年に1度開催されており、今回は、クロマグロや、フカヒレの原料となるサメ類、サンゴ、アフリカゾウ等の取り扱いについて、各国から40件以上の提案が行われる予定。
クロマグロについては、この40年間、大西洋と地中海での生息数が激減していることを踏まえて、モナコが、国際的な商取引を完全に禁止するよう提案している。
また、フカヒレの原料となる、アカシュモクザメも多くの捕獲地で生息数の大幅な減少が報告されており、似たようなヒレを持つヒラシュモクザメ、シロシュモクザメ、メジロザメ、ドタブカと併せて貿易規制の対象とするよう、アメリカとパラオが提案している。
この他、イギリスの伝統料理「フィッシュ&チップス」などに使われるアブラツノザメ、宝飾品などに利用されているアカサンゴとモモイロサンゴも過剰な捕獲が続いていることから、ワシントン条約の附属書IIリストに追加し、貿易規制の対象とするよう提案が出されている。
なお、アフリカゾウについては、象牙の販売収益が、ゾウの保護のための費用や地域住民の暮らしの安全確保に役立つのではないかという議論が長い間、行われているが、今回の締約国会議では、タンザニアとザンビアが、政府が保有している象牙の販売を許可するよう求めている。【UNEP】